過去から届いた手紙/2023.11.03
新居に引っ越してきて、持ってきた荷物を断捨離していたときのこと。
もう見ない手帳やスケジュール帳、メモを処分していた。
こういうのを処分するときは、気をつけないといけない。
個人情報が書いていないか。
誰にも知られてはいけない秘密のことを書いていないか。
そして、お金が入っていないか。
あたしはよくスケジュール帳に、お財布から現金がなくなったとき、すぐ使える現金をいくらか入れている。
でも、それが活躍するときは全くない。
カードで支払いすることが多いから。
スケジュール帳を処分するとき、スケジュール帳の中身を確認して1,000円を見つけると、
「やった、臨時収入!」
と喜び、美味しいものや本に使ってしまう。
今回もスケジュール帳に昔、1,000円入れていたことを覚えていたので、片付けの後に何か美味しいものでも買おうと、ワクワクしながらスケジュール帳を開いた。
しかし、1,000円はどこにもなかった。
もしかしたら、使ってしまったのかもしれない。
少しガッカリしながら、改めて中身の点検を行った。
スケジュール帳には、よくメモ帳として無地のノートが入っている。
その後ろに、青い封筒が隠れていた。
取り出すと、封されているところに、「2023.12.31開封」と書いた付箋が貼り付いていた。
この字は、あたしの字だ。
そして思い出した。
去年の今頃、あたしは来年のあたし宛に手紙を書いていた。
何を書いたのかは、覚えていない。
今年の大晦日のあたしには申し訳ないけど、読んでみようかな。
カッターで、スーッと封を切った。
手紙を書いた日付は去年の11月13日。
去年のあたしはかなり落ち込んでいた。
職場、シェアハウス、世の中に対する不平不満が書かれていた。
外で書いていたのだろうか。
書いていた場所にいた騒がしい人たちに、すごくイラついていた。
負のオーラがビンビンと放った手紙だった。
不平不満が書かれたあとに、去年のあたしが思い描いている理想の生活や人生などが書かれていた。
どれも今でもそうなってほしいと思っていることだった。
手紙の内容とは完全一致ではなかったけど、1つ叶っているものがあった。
それはシェアハウスを出たこと。
ずっと思っていただけだったのが、今年の夏に動き出して、数週間前に今の家に引っ越してきた。
去年のあたし。
この手紙を書いてから1年後に、1つ願いを叶えたよ。
すごいよ。
今のあたしは、全然惨めではないよ。
毎日、好きなものが食べれて幸せだよ。
まあまあ楽しく生きているよ。
残りの夢も絶対叶うから、どうか未来に期待して生きていて。
最後に、この手紙を書いてから1年間で何があったか、手紙を書いてくださいとあった。
去年のあたしにお返事を書いてあげよう。
そして、去年のあたしがやったように、来年のあたしへの手紙を書いてみよう。
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