タグラグビーから得た学び -生活やビジネスのヒント- ⓪ はじめに

【はじめに】
このnoteは約19年にわたるタグラグビーというスポーツから得た「学び」を読者のあなたに共有するものである。
この文章は将来、タグラグビーの監督をしたいといった私の教え子がいつか読むことになるかもしれないし、あるいは監督をしてみたいと思った人が最初に読んでためになると思ってもらえる入門書になってほしい。
内容は、タグラグビーの知見が中心になるかもしれないが、大切なことは「タグラグビー」を、他のスポーツはもちろん、勉強やビジネスといった「目的・目標のある活動」あるいは家族といった「集団活動」にも言い換えられるということである。
これを読んだ後、「子供や部下とのコミュニケーションのヒントを得た!」や「いいチームやいい選手を周りの関係者と一緒に作っていきたい!」あるいは「ネクストステップ→俺もやる」といった学びやヒントにつながってもらえるといい。

【私とタグラグビー】
そもそもタグラグビーは、主に小学生が行う「タックルのないラグビー」である。詳細はタグラグビーのルールブックがあるためそちらで読んでいただきたいが、簡単に説明すると攻撃側は相手にぶつからず自分たちの前方にあるトライゾーン(得点が得るエリア)までボールを運び得点する。守備側はタックルの代わりに腰についたタグと呼ばれるヒモをとって相手の前進を阻止する。攻撃側のタグが4本取られると攻守が入れ替わるという、思考性の高いスポーツである。
◆参考 https://www.tagrugby-japan.jp/middle-school/04.html

また、小学生スポーツには高校などのスポーツとは異なり、スカウティングなどはできず、地元の子供でチームを編成するという制約がある。つまり、ずっと勝ち続けるには明確な戦略と適切な戦術、そして子供からの信頼や保護者の協力といった技術だけではない、思考力や創造性、あるいはコミュニケーションといった総合的な力が要求されるスポーツなのである。だからこそ、運に頼らない「学び」と「実践」が大切であり、私は多くを学ぶことが出来たのだ。

私とタグラグビーは小学1年生から、今年で約19年の付き合いだ。
私が所属しているのは神奈川の豊岡土曜タグというクラブだ。
2006年創部、全国大会にも4度出場している。
私は選手として本格的に全国大会を目指すために創設された豊岡のトップチームである「豊岡オールスターズ」に小学4年生から6年生までの3年間所属していた。選手時代は前哨大会や春の関東近郊の大会などで優勝をすることはあったが、神奈川県予選でいずれも全国大会に出場することになるチームに敗れ、全国大会に行くことはできなかった。

その後は中高でサッカーやバレーボールといったほかのスポーツを経験しながら、大学入学時にコーチとして改めて豊岡土曜タグへ戻り、1年時はセカンドチームのアシスタント、2年時はセカンドチームの監督に就任した。さらに、3年時にトップチーム「オールスターズ」のコーチを行い、4年時にはついに豊岡オールスターズの最年少の4代目監督なった。

特に大学4年次は最上級生が少ない世代を任され、主に小学4-5年生主体のチームで強豪ひしめく神奈川県予選に挑戦することになっていた。だが、選手の頑張りによって、ありがたいことにその年の平均年齢の若さは1位タイ、監督まで入れれば1位!(自称)のチームで全国大会へ一緒に行くことが出来た。

現在は社会人として、この監督での経験を活かし、市場調査会社に就職しマーケティング活動に携わりながら、休日に小学1-3年生にタグラグビーの基礎について共に学んでいる。
低学年は、使える言葉や集中力に制限があるといった練習運営の難しい。だが、だからこそ基礎基本に対する考え方を改めて捉えなおし「3年後のいいタグラグビー」の定義を作るという難題への挑戦を行える環境なのだ。一度完成したからこそ、そこで立ち止まらず再び挑戦し成長しつづけられるのである。

こうした経験から、私はタグラグビーから過去そして現在に至るまで様々なことを学びを得た。それはスポーツの技術だけではなく、「目標の達成の仕方」はたまた「失敗の仕方」、あるいは「いいチーム・組織とは何か」など、生活やビジネスのヒントも多くある。
こうした私の19年の学びを少しずつ小分けに共有することで、タグラグビーというスポーツがより面白く感じてもらうこと、そしてもっとスポーツとして発展することやスポーツだけではない、あなたの生活やビジネスのヒントとなってほしい。

【本文書の構成】
本書は大きく分けて3つのブロックから構成する。
1つ目は「スポーツチームの本質」である。これは監督活動を通して得たスポーツの中にある「目標」「チーム」「練習」といったどこのチームやスポーツにもある、ありふれたものの「本質」を皆さんにも共有したい。
「共有」ということには意味がある。先述したが、これはスポーツに限らず、人と関わるビジネス、子供と大人の協力関係、そして夢の実現の仕方にも読み替えることが出来ると思う。夢を追う全ての人やもっと今の環境をよりよくしたいといった人にとって有益なヒントとなる一つの事実ととらえてほしい。

2つ目は「理想的な監督論」である。これはどちらかというと体験談に近いのかもしれない。監督からの立場だけでなく、選手時代の目線などを踏まえたタグラグビーを通して見えてくる「本当に必要な監督」とは何か。そして「指導者」とは何かについて私なりの考えを皆さんに紹介させていただきたいと思う。

そして最後に、「これから目指す次世代のタグラグビー」について少し、夢を語りたいと思う。
「何を学び、何を活かし、何につなげるのか」、スポーツだけでなく流動性の激しい時代となった今だからこそ夢を語り、皆さんと一緒に考えていきたいと思っている。

もしかしたら、納得できない部分や間違っているように感じることもあるかもしれない。でもそれでいいのだ。これを読み、ありふれたことに改めて考えなおすきっかけとなればそれだけで価値がある。私の知識が私だけにとどまらず、あなたがより良い形にすることが出来ればタグラグビーというスポーツの発展や、それを超えた社会として新たな知識が増えるのだから。

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