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盛岡滞在日記 その3

2024.7.13

3日目。

ホテルの部屋、というのは、だいたい2泊もすると自分の部屋化する。
わたしはいつも不在中のお掃除は遠慮するので、3日目の朝になると、ほどよく雑然として、ほどよく部屋の中の波動が「わたし」に近づいてくる。
なので、2泊3日だと、自分の部屋みたいに居心地良くなったなぁ〜、というタイミングでチェックアウトをすることになるから、寂しい。
このホテルは歴史もあって古いのに、お化けもいなくて、本当にリラックスできた。次来たときも、ここに泊まりたいな。

今日はトークイベントの前に、1日目に見つけられず行けなかった「六月の鹿」という喫茶店へモーニングを食べに行く、と決めていた。朝7時半からやっている。
6時に目覚めて、えみちゃんの言霊動画を流しながら、ヨガ。そして、瞑想。
簡単に身支度を整えて、「六月の鹿」がオープンする7時半まで、荷造りをする。部屋が片付いていくごとに、センチメンタル。

7時半になったので、部屋を出る。
「六月の鹿」へは、ホテルから歩いて5分くらい。今日はちゃんとたどり着けた。
店に入ると、1人客が数名。やっぱり、文庫本を読んでいる人がいる。コーヒーにはチョコレート、ほうじ茶にはお団子、みたいに、喫茶店には文庫本、というのはベストコンビというやつなのかしら。たしかに、このお店も、1人で文庫本を読んでいる姿が似合う。
カウンターの端っこの席が空いていたので、そこに座る。
ピーナッツバタートースト、メープルシロップ添え。ゆで卵。モーニングコーヒー。
注文をする。コーヒーの香りとともに、程よい緊張感が店内に漂っている。とても静かである。のびのびとリラックスできるお店も好きだけど、背筋を伸ばして過ごしたい、と思える空気感のお店も、好きです。
コーヒーが運ばれてくるまで、このあとのトークショーの行程表に目を通す。参加者さんから寄せられた質問をじっくり読んで、どの質問に、どの順番で答えるかをシミュレーションする。さらに、背筋が伸びる。
トースト、ゆで卵、コーヒーがきた。
いただきます。

アツアツのピーナッツバタートーストにメープルシロップをかける、って、いいなぁ。すごく合う。家で真似しよう。
コーヒーも苦味が少なく、朝に飲みたい、飲みやすい味。おいしい。
さて、問題はゆで卵である。どうやって殻を割るか問題が、わたしの前に大きく立ちはだかる。机の角でコンコン? いや、この美しいカウンターテーブルに傷をつけてしまうかもしれない。じゃぁ、お皿の角にコンコン? いやいや、きっと選び抜かれたお皿だ。コンコン、の衝撃で傷がつくといけない。じゃぁ、おでこに? いやいやいや、この静謐な空間で、自分のおでこに「ヨイショー!!!!」って勢いよくゆで卵を打ちつける絵面は、コントである。却下。わたし、空気は読める女なので。失礼、男でした。
他の皆さん、どうしているの? いったいどこでコンコンしているの? ゆで卵を手に持ち、しばし呆然とするわたし。
行き着いたのは、指の力で静かに押し割る、という奇策であった。
自分の握力でゆで卵を割る。新しい挑戦である。全神経をゆで卵に集中して、「えいや!」と気合いを入れる。
ピキっ。おぉ。わたしは握力でヒビを入れることに成功した。
ゆで卵の殻を剥けることのよろこび。この旅一番の達成感を覚えた(この旅一番なんかい)。

(※念のため書きますが、きっと他のお客様はわたしのようにアタフタせず、もっとスマートに殻を割っているはずです)

モーニングを食べ終える頃、お友達と待ち合わせをしていた富岡さんが来店された。昨日の「Due Mani」でいただいた「富岡さんのブルーベリー」の、あの富岡さんだ。富岡さんは昨日、瞑想ワークショップに参加してくださっていて、その時に「明日は『六月の鹿』さんでモーニングを食べるつもり」という話をしたら、わたしが行く時間に合わせてわざわざ来てくださった。待ち合わせをしていたお友達と一緒に、このあとトークイベントに参加されるとのこと。ひゃー、うれしいけど、緊張だわ。ありがとうございます。

店を出て、ホテルに戻る。
トークイベント用の洋服に着替える。
今日は、toogoodの水色のシャツとパンツのセットアップだ。昨日もそうだけど、上下同じ色のコーディネート、というのが好きなのです。ドミニカ・モア・ゴードンさんのイラストが全面にプリントされたスカーフを首元に巻いて、ちょっとドレスアップ仕様に。足元は、黒のダンスコです。

時間がきたので、荷物を抱えてロビーに向かい、チェックアウトをする。
また来ますね。お世話になりました。

さて、トークイベントだ。
昨日と同じ「岩手県公会堂」で行う。今回は大ホールだ。
館内に入り、会場へ。
そこは、まさに映画の世界でした。

例えば、貴族のご婦人や、口髭をたっぷりたくわえたモーニング姿の紳士が臨席する式典が催されるような、そんなイメージが浮かぶ大広間。
ウィリアム・モリスの花柄の壁紙でぐるっと囲まれていて、なんかもう、冗談みたいにかわいい。二十歳くらいの頃かな、地元の大阪で、「ウィリアム・モリス展」を観に行った覚えがある。まさか自分が、ウィリアム・モリスの壁紙を現役で使用しているお部屋でトークをするなんて……


スタッフの皆さんは、椅子を並べたり、空調を調節したり、してくださっている。わたしは、チューナーを鳴らしたり、アロマを香らせたりして、ホール全体のエネルギーを調整する。元々整っているのか、こんなに広いホールなのに、すぐに場が整う。

スタッフさんに、ウェルカムボードを描いて、と、リクエストをいただいた。大きな横長のホワイトボードに、手が動くままに、宇宙を描いてみる。

お客様を迎える準備が整った。

10:00、イベントがスタート。100名近い方がいらっしゃる。本当にありがたいです。
盛岡という土地のチャクラバランスの特徴や、火のエレメントが司る第3チャクラと第5チャクラのこと。第5チャクラの開きすぎさんから超絶閉じすぎさんまでの、くしゃみのやり方講座(?)。などなどなど。前半のトークテーマはチャクラを軸に多岐にわたる。

後半は、寄せられた質問にお答えする時間。
ここで、わたしの涙腺が崩壊することになる。参加者さんのある質問がきっかけで、わたしの第4チャクラが「ガン開きMAX・薔薇の花満開フェア開催中〜」になり、涙の調節がきかない状態に……。
最後は、涙でズルズルになりながら、皆さんと一緒に第4チャクラをヒーリング。
笑いと涙と癒しとチャクラケア……(涙はわたしだけか!?)。
「kaiのチャクラケア・トーク」が、無事に幕を閉じました。
ご静聴、誠にありがとうございました!!!!


今日も、カシフレンドリーさんでは13時から「kaiのチャクラケア・ショップ」がオープン。
ホールの片付けをしたら、スタッフさんと一緒にわたしもお店へ向かう、予定なのだけど……
どうしても「羅針盤」にもう一度行きたくて、抜けさせてもらう。
「羅針盤」は、「岩手県公会堂」からだと歩いて10分かからないところにある。いそいそと、早足で向かう。

「羅針盤」、到着。
ギィィ、と重みのある扉を開けて、いざ別世界へ。
一昨日とは違う席に座ってみる。店員さんが「あぁ、どうも」という感じで、挨拶をしてくださる。覚えてくれていた。
一昨日メニューで見て気になっていた「カシスのホットチョコレート」という飲み物を頼んでみる。前回食べて美味しかったチョコレートタルトも一緒に。
一昨日は「場違いオブザワールド」だと勝手に感じて、勝手に緊張しちゃっていたが、今日は前回よりもリラックスして過ごせている。静けさが心地いい。長時間、人前でお話をした直後で交感神経アゲアゲだったのが、スーッと鎮まっていくのを感じる。
ホットチョコレートと、チョコレートタルトが運ばれてきた。
写真…… 撮りたい。撮っていいのかしら。店員さんに聞こうかと思ったら、向かいの女性客が尋ねてくれた。テーブル部分は撮っていい、とのことで、素早く撮る。

とても美味しかった。リセットできた。
もう一度、来ることができてよかったな。また、訪れたい。
13時になったので、店を出てカシフレンドリーへと急ぐ。

到着すると、ありがたいことに店内は今日も賑わっていた。
スタッフルームで少し休憩をさせてもらって、店頭に立つ。
昨日に続いて今日も来店してくださった方や、トークイベントに参加してくださった方、なんと、京都からいらしたという方も……!
「kaiのチャクラケアブック」や「自分を愛する本」の感想を直接伝えてくださる方もいて、うれしい気持ちが込み上げる。

お客さんが少し落ち着いてきたので、お待ちかね、ご近所の「福田パン」の本店へ、行ってみることにする。
一昨日、スタッフさんから「初めての盛岡、どこか行きたいところとかありますか?」と質問されて、最初に答えたのが「福田パン」だった。
盛岡、と検索したら、上位に「福田パン」という文字が必ず出てくる。盛岡市民みんな知っている、と言っても言い過ぎじゃないくらいの、まさにソウルフードのパン屋さん、らしい。給食のパンも「福田パン」なのだそう。一昨日行った「モンタン」もそうだけど、その土地のソウルフード、というものに、目がない。
カシフレンドリーさんの近くに「福田パン」の本店があって、そこでは、名物のコッペパンに、いろんな具をその場ではさんでもらえるらしい。それはなんとも、楽しそうなイベントではありませんか!(イベントではない)  帰りの新幹線の中で食べたくて、最終日にお土産に買って帰ることに決めてたのだ。
「福田パン」までの道すがら、何はさんだろかしら、あんこはさんだろかしら、それともナポリタンはさんだろかしら、いやタマゴはさんだろかしら、と、はさむことだけに集中して歩く。
看板が見えた。「福田パン」に到着。
目を疑う。入り口のドアに、「今日は売り切れました」の貼り紙。店内から出てきたおじさんが落胆した表情で、「もう売り切れだって」とわたしに告げる。ご丁寧にありがとう。でも知っています。何もはさめないという事実を、いま静かに受け止めようとしているところでした。
カシフレンドリーへ戻る。

お店の前では、「よ市」が始まっていた。
毎週土曜日の夕方から、カシフレンドリーがある通りでは「よ市」というマーケットが開かれるそう。たくさんの人で賑わっている。
「よ市」を巡って、「福田パン」のショックを払拭したいところだが、盛岡を出る時間が迫ってきたので、最後にもう一度リタへ行くことにする。

カシフレンドリーから歩いて10分、もう、道は覚えた。リタに到着。
久美さん、ダイさんに、3日間お世話になりました、と、感謝を伝える。少しお話をして、お店に戻ろうとしたら、久美さんから「帰る前に、リヒトに一緒に行こう」と誘っていただく。
「リヒト」は、リタから歩いてすぐのところにある、元カシフレンドリーのスタッフさんが営むショップ。実は、昨日、ある作家さんとメールでやりとりをしていて、その方からも「リヒト」について教えてもらっていた。気になっていたから、行けてうれしい。
「リヒト」さんに到着。二階建ての、とてもかわいいお店。ちょうど今日から展覧会がスタートしたらしく、素敵なアクセサリーが展示されていた。キラキラした波動の店主さんともお話ができた。来られてよかった。
久美さんとサヨナラをして、カシフレンドリーへ戻る。

お店も落ち着いてきていたので、そろそろ盛岡駅へ向かうことにする。
身支度をして、カシフレンドリーのスタッフの皆さんに、感謝の気持ちを伝える。この3日間、本当に、朝から晩まで、付き合っていただいた。とても良くしていただいた。皆さんのおかげで、初めての盛岡滞在が、超絶快適で、超絶楽しめました。わたしをこの地に呼んでくださり、ありがとうございました。
引き続き、7月21日までイベントは続くので、どうぞ、よろしくお願いいたします。

最後に、記念撮影。
また会いに来させてください!

で。
わたし、新幹線で「福田パン」食べるつもりだったんですが、その計画が頓挫いたしまして。このままでは若干悔いが残るので、最後に盛岡駅の近くで素敵な喫茶店に寄って帰りたいのですが、どこか良いところありますか?
と、スタッフさんに尋ねてみる。すかさず、「カプチーノ詩季」がオススメ、との答えが返ってくる。さすがです。

カシフレンドリーさんを後にして、歩いて10分。「カプチーノ詩季」に到着。本当に盛岡駅のすぐそば。乗車予定の時間までゆっくりするのにちょうどいい。
スタッフの鈴木さんが「出来上がるまで時間がかかるけど、グラタンがオススメ」と言っていたので、まだ時間もあるし、注文してみる。
注文を終えて、店内を見渡す。客は、わたし1人。内装も渋くて、いい感じすぎる。盛岡って、なぜこんなにもいい雰囲気の喫茶店がいくつもあるのでしょうか。
東京の西荻窪に「どんぐり舎」というすごく雰囲気の良い老舗の喫茶店があるのだけど、盛岡はそういうお店がまだまだたくさんありそう。
20分くらい経っただろうか。香ばしい、いいにおいがしてくる。そろそろかな。
エビグラタン、トースト、サラダとコーヒーが運ばれてきた。オーブンから出したてなのか、グラタンがグツグツしている。ビジュアルがマジ神。
フーフーして、チーズとろ〜んさせながら、ホフホフしつつ、口に運ぶ。あなたはグラタン界の神ですか? あなた、おいしすぎませんか? 夢中でがっつき、あっという間に完食。無事、昇天。
盛岡での最後の食事、大満足でございました。

19:15。
東京行きの新幹線に、乗り込む。
車内で、BOOKNERDさんで買った『コーヒーを、もう一杯』という本を読む。店主の早坂さんが書かれた盛岡市の喫茶店案内。
ここも行きたかった、こんなところもあったんだ、と、別れたばかりの街に後ろ髪ぐいぐい引っ張られつつも、次回の訪問の楽しみができて、うれしくもある。
次はいつ、来られるだろうか。




「kaiのチャクラケア・ショップ」へお越しいただいた皆さま。
カシフレンドリーのスタッフの渡辺さん、鈴木さん、早坂さん、ダイスケさん、リタの久美さん、ダイさん。
滞在中にお会いした全ての皆々さま。
心から、魂の底から、感謝しております。

そして、
この日記を最後まで読んでくださった皆様も、本当にありがとうございました。



「kaiのチャクラケア・ショップ」は、7月21日(日)まで。
詳細は、カシフレンドリーさんのHPをご覧ください。
こちら



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