野上良太郎目線 仮面ライダージオウ&ビルド 平成ジェネレーションズFOREVER

2018年12月3日
いつもと変わらない日。いつもと変わらない時間。大切な時間。

姉さんが経営している喫茶店「ミルクディッパー」は今日はお休みだ。今月26日は僕の誕生日。今年はちょっと派手にお祝いをしてくれるらしく、今日はその日のためのスーツを新調しに姉さんと買い物に出かけることになっていた。
「良ちゃん、そろそろ出かけるわよ」
「姉さん、ちょっと待って!僕の赤いマフラー知らない?」
今日は寒い。久々にあのマフラーを着けてみたくなった。
「タンスの一番下に入れてあるはずよ」
「あ!あった!ありがとう、姉さん」

「それにしても今日はどんよりしたお天気ねえ。雨でも降りそうだわ」
「うわあ!」
つまずいた。おまけに、マフラーが木の枝に引っかかって、ほつれてしまった。
「良ちゃん大丈夫!?」
「うん。でもマフラーが・・・」
「あらら・・・帰ったら直してあげるわね」
「ありがとう、姉さん」
相変わらずの不運だ。でも、大切な "赤いマフラー" が・・・

「じゃあ、これにします」
「良ちゃん、ちょっと試着しましょうよ」
白いカッターシャツに黒いスーツ、そして "青いネクタイ" だ。
サイズはピッタリ。
まるで、ウラタロスが選びそうな組み合わせだ。
試着をした僕は、姉さんにも見てもらおうと、試着室の扉を開けた。

!!
扉を開けると、そこは紳士服店ではなく、砂漠になっていた。
「え!?時の砂漠・・・?でも、なんで?」
何か来る!!
「デンライナー!?いや・・・何か違う・・・?」
白い車体に赤い前方の窓。見た目はまるであのデンライナーのようだったけど、どこか違う雰囲気だった。
その列車はものすごい勢いでどこかへ走り去っていった。

(良太郎!おい!良太郎!)
「モモタロス?どうして?...僕、今時の砂漠に来ちゃったんだけど、何がどうなってんの!?」
(今そこに行くからちょっと待ってろ!)

今度こそ、本物のデンライナーがやってきた。
デンライナーは良太郎の目の前に停車し、扉が開くとそこにはデンライナーのオーナーがいた。
「良太郎くん、お久しぶりですねえ。ちょっと今は時間がないので、事情は中でお話しますから、早く乗ってください」

「ちょっと大変なことになってしまい、特異点かつ仮面ライダーである良太郎くんの力を借りなければいけないことになり、突然こんな形で呼び出してしまいました。本当は扉を開けたら直接デンライナーにつながるようにしていたのですが、タイムジャッカーの時間干渉の影響でかなり不安定な状態になっているようです。驚かせてしまい、すみませんねえ・・・」
「いえ・・・本当に色々びっくりましたが、大丈夫です。ところでタイムジャッカーって何ですか?」
「タイムジャッカーは、魔王擁立に向けて過去の仮面ライダーの存在をなかったことにし、仮面ライダーの代わりにアナザーライダーを誕生させている者たちです。先ほどデンライナーのような列車を見かけましたよね?あれもアナザー電王の存在が誕生させた時の列車なのです。普通、アナザーライダーが誕生すれば元々の仮面ライダーは消滅してしまうのですが、良太郎くんは特異点なので消えることはないのです」
「知らないうちにそんなことが・・・」
「はい。そして、そのアナザーライダーは、2018年に誕生した仮面ライダージオウが過去のライダーの能力を受け継いで倒すことになっていたのですが、ちょっとここで面倒な問題が起こっていてですねえ・・・」
「面倒?」
「良太郎?臭わねえか?もうさっきからずっとプンプン臭くて鼻がもげそうだぜ」
「僕はモモタロスほど鼻が利かないからね(笑)」
「ボクも別に臭わないけど、センパイは臭うみたいでね。先輩の鼻が反応するということは...そう、イマジンなんだ」
「ええ。イマジンがアナザー電王の誕生に関係していて、仮面ライダージオウだけでは対処できなくなってしまったのです。そのイマジンの契約者がアナザー電王にされてしまったのですが、契約者がイマジンに『仮面ライダーに会いたい』と願ったので、そのイマジンは仮面ライダーを架空のヒーローとして誕生させ、本来仮面ライダーだった人たちが仮面ライダーであったという記憶も消してしまったのです。かろうじて仮面ライダージオウと仮面ライダービルド、そして彼らの仲間だけは記憶が戻っていますが、タイムジャッカーが問題をさらに複雑にしてしまい、今はアナザー電王だけでなく、アナザークウガとアナザーダブルも同時に誕生してしまいました。良太郎くんには、そのアナザーライダーたちを倒す手伝いをしてもらいたいのです」
「僕は何をしたら良いんですか?」
「そうですねえ・・・アナザーライダーは元々のライダーの力を使わなければ倒せないので、まずはアナザー電王を倒し、その後は復活した仮面ライダーの歴史を遡り、平成仮面ライダーをかき集め、最後に、今回の一連の騒動で行方不明になってしまった契約者の兄を、元の時代に帰してあげましょう」
「本来は仮面ライダージオウがやるべきことを、イマジンの影響でできなくなってしまったから、僕が手伝えば良いんですね」
「まあ、そんなところです。モモタロスくんたちも久々に良太郎くんと戦えることが楽しみで仕方がないようなので、あまりはしゃぎすぎないようにお願いしますね」

「ところで良太郎、そのセンスの良い格好は何なの?」
「あ、これ?今度の僕の誕生日に向けて、姉さんとスーツを新調しに行ってたんだ」
「え?お姉ちゃんと一緒だったの?良太郎を呼ぶタイミングをもうちょっとずらせば、お姉ちゃんに会えたんじゃん!」
「良太郎、久々だからって手加減はしねえぞ!しっかりついてこいよな!」
「zzzzz」
「うん!よし、みんな、行くよ!変身!」

"SWORD FORM"

(オーナー行き先は?)
「2000年の1月29日です」
「よし!その日に向けて、デンライナー発進!」

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「俺!あ、こっちか!俺、参上!」

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「大丈夫?」

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