リード創出からインテント創出の時代へ!マーケターが「スコアリング」ではなくインテントを重視するべき理由
こんにちは。Sales Marker事業本部長の本部長とMarketing Markerの事業責任者をしております、花田海(ハナダカイ)です。鼻でかい(ハナデカイ)で覚えてください!
私の書いた前回の記事を読んでくださった皆様から嬉しいお声を多数いただき、反響を実感しました!
本当にありがとうございます!皆様からのリアクションが嬉しくて改めてもう1本記事を出させていただきます!
この記事は、先日Sales Markerが主催した「INTENT MARKETING CONFERENCE 2024」に続き、多くの方々とインテントマーケティングの知見を共有するための「インテントマーケティングアドベントカレンダー 2024」という企画での記事投稿になります!
長年マーケターは「リード数」や「スコアリング」に目を奪われがちでしたが、実際の顧客ニーズを捉える「インテントマーケティング」の時代が到来しています。
これからのマーケターが本当に追い求めるべきは、顧客がなぜ行動したのか、その“意図”を理解し、顧客起点で施策を打つことです。
今回の記事では、そのポイントを解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください!
リード数増加と商談化率のギャップ
BtoBマーケティングにおいて、多くの企業が直面する課題の一つは「とりあえずリードを増やしたが、商談に繋がらない」という状況です。
展示会で大量の名刺を集めても、そこからのアポが思うように取れない。Webでの資料ダウンロードからリード数は増えるが、その先の打ち手が見えず結局「名前とメールアドレスを集めただけ」という結末に陥る――こんな経験はありませんか?
展示会出展や広告出稿、SEO対策など、リード獲得方法は無数に存在します。
しかし、それらは「量」を増やす手段であって、「質」を保証するものではありません。結果、リード数増加に浮かれた矢先、セールスチームから「このリスト全然商談にならないんですけど…」と突き返される。
これでは、マーケとセールスの溝を深める原因にもなりかねません。
問題は「リード」という概念があまりに広く、そこに「すぐに導入を検討したいニーズ顕在層」「興味はあるけど今すぐ導入する気はない層」、「なんとなく資料をダウンロードしただけの層」、「競合他社と比較段階でまだ煮詰まっていない層」までが大量に混在している点です。
単純なリード数では、本当にニーズのある顧客を見分けられない。これが商談化率を押し下げる大きな要因になっています。
スコアが高いリードが商談化しない?
「ではスコアリングで優先度をつければいいじゃないか」――そう考える方も多いでしょう。
確かにMAツールによるスコアリングは、一定の成果を上げてきました。
顧客のWeb閲覧回数、メール開封数、資料ダウンロード数など、ハウスリードの行動量を点数化して「このリードは興味度が高いはず」と判断するわけです。
ところが実際には、「高スコアなのに商談化しない」という悩みが後を絶ちません。
なぜなら、スコアはあくまで「量的な行動」を測る指標に過ぎず、その背後にある「なぜこの行動に至ったのか」という意図までは掴めないからです。資料を複数回ダウンロードしたとしても、顧客は「比較のために集めているだけ」かもしれない。
メールを開封したのは「たまたま目についた」からかもしれない。
スコアリングは顧客理解を深める手段としては不十分であり、その結果「高スコア=本当に熱いリード」という図式が崩れ、マーケターは混乱します。「スコアが高いはずなのに、セールスからは確度が低いと言われる」と頭を抱え込んでしまうわけです。
施策効果が見えないもどかしさ
さらに、これらの問題を複雑にするのが「データはあるのに、そこから有効な示唆を引き出せない」という現象です。
いまや企業には膨大な顧客行動データが蓄積され、マーケターは日々分析に追われています。しかし、それだけのデータがあっても「次に何をすればいいのか?」が見えにくいデータの量に圧倒されて、結局は「行動回数が多いから熱そう」に戻ってしまう。
このループから抜け出せないもどかしさは、私自身も強く感じたことがあります。
リードは溢れている、スコアも付けている、データもある…それなのに、顧客が本当に求めているものが掴めない。
こうした状態では、一時的にCV(問い合わせ数)を増やしたとしても実際の受注まで繋がりにくく、チーム全体がストレスを抱えてしまいます。
インテントデータ活用でマーケ戦略をアップデートする
ここで登場するのが「インテントマーケティング」という考え方です。
インテントデータ(意図や興味関心を示す、Web上の行動履歴)を可視化し、それを起点に戦略的なマーケティングを行う。ポイントは「顧客がなぜその行動を取っているのか」を理解することにあります。
インテントマーケティングでは、1st Partyデータ(自社サイト行動履歴)や2nd Party、3rd Partyデータを組み合わせ、顧客の検討段階やニーズを読み取ることが可能になります。単なるダウンロード数やPV数ではなく、「この業界の顧客は何を求めているのか」「どの程度真剣に導入を考えているのか」といった、“質的な解釈”を導けるのが大きな強みです。
従来のマーケティングに、こうしたインテントデータを組み込むことで、例えば以下のような変化が生まれます。
コンテンツ施策の再設計:顧客が求めているテーマ、解決したい課題に応えるコンテンツを拡充できる
広告・アプローチ戦略の最適化:どのタイミングで、どのチャネルに、どの訴求をすべきか明確になる
営業連携の向上:セールスチームに「なぜその顧客は関心を持ったか」の情報を渡せるため、商談の質が上がる
つまり、インテントマーケティングは「顧客がいま何を知りたがっているか」を炙り出すヒントをマーケターに与え、商談に繋がらないリード数やスコアリングに翻弄される時代から卒業させてくれるカギなのです。
セグメント別ニーズ把握による施策立案の具体例
Sales Markerが開発している「Marketing Marker」という製品の画面です。具体的なイメージとして「ハウスリスト外でもデータが取れる」インテントマーケティングによる、セグメント別のデータが取れている例を考えてみましょう。
ここでは3つのケースを挙げます。
1. 不動産業界:自社サイト訪問数は増加しているがCV数が低迷している
自社サイトの訪問者数は順調に増えているのに、CVがなかなか伸びない。ここでインテントデータを活用すれば、「訪問者がどんなキーワードや課題意識を持って流入しているのか」を把握できます。
インテントデータでニーズを把握し、業界別にそのテーマに合わせたホワイトペーパーやケーススタディを用意する。単純な資料ダウンロード誘導で終わらず、「顧客が本当に欲しがっている情報」を先回りして提供することで、CVR向上に繋げることが可能です。
2. 不動産賃貸業界:サイト来訪数が少ない
まだ自社に馴染みの薄いセグメント、たとえば「海外企業の日本進出支援」や「特定業界の賃貸ニーズ」に焦点を当てる場合、インテントデータから「どの時期に、どういった情報を検索しているのか」を読み取れるため、的確なターゲティング広告や特定時期に最適なクリエイティブ配信が可能になります。
単に広告費を増やすのではなく、ターゲットとなる業界・フェーズに合わせた訴求を行うことで、質の高いリード獲得が期待できます。
3. 不動産売買業界:資料ダウンロードは発生しているがアポ化率が低い
ホワイトペーパーや資料はダウンロードされているものの、商談に結びつかないケースでは、「顧客は比較検討段階なのか、価格情報を求めているのか、具体的な導入事例が不足しているのか」などインテントを深掘りできます。
そこから、LPの内容や導線(デモページに飛ばすのか?料金シミュレーターに飛ばすのか?)などを最適化することで、顧客の検討段階に合わせた“一歩踏み込みたい”と感じさせるコンテンツや接点を用意します。
結果的に、CVしただけでアポ獲得に至らない顧客を逃すことなく次の接点を設けやすなります。
インテント時代のマーケターへのメッセージ
「スコアが高いから大事なリード」「とりあえずリード数を増やせばいい」という時代は、もう過去のものです。
これからマーケターが本当に取り組むべきは「顧客インテントに焦点を当てる」こと。
顧客が「なぜ」「どんな目的で」その行動をとっているのかを知れば、マーケティングは「押し付け」から「共創」に近い形へと進化します。
インテントにより顧客満足度を高めることは、ひいてはLTV(顧客生涯価値)を伸ばす要因となります。
顧客の情報は単なる「リード」ではなく、顧客が抱える大事な課題やニーズを読み取らせてくれるヒントなのです。そこにフォーカスすることで、マーケとセールスが一丸となり、お客様と一緒に「美味しいレモンサワー」を楽しめるような関係が築けるはずです。(これ、私がよく口にする“お客様を笑顔にしておいしいレモンサワーを飲む”という理想像ですね。笑)
まとめ:リード獲得からインテント獲得への転換がもたらす価値
従来は、「リード数=市場関心の数」と見なしていましたが、実際には平均CVR2%のサイト訪問者の中で、残り98%の企業にも「何らかの関心」や「潜在的なニーズ」が隠れています。
これを見過ごして、ひたすら数値上のスコアだけ追いかけても、結局、顧客理解は深まりません。
そして、このインテントを起点としたアプローチは、セールスチームにもメリットをもたらします。セールスは「なぜこの顧客は興味を持ったのか」「どの課題解決に関心があるのか」が分かるため、提案の質が向上し、商談効率が上がります。
あなたもこのインテント時代に踏み込み、顧客視点でのマーケティングを徹底してみませんか? 明日、いや、もはや本日のうちに、美味しいレモンサワーを片手に、「顧客が本当に求めるものは何だろう?」と、チームで語り合ってみてください。
また、記事中にも登場した「Marketing Marker」はインテントマーケティングを実現するツールとして開発したSales Markerの新プロダクトです!
少しでも興味があれば、ぜひサイトからお問い合わせください!