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新卒で退職したらそこそこな地獄を見た話~前編~

年度末。どこの業種でも大体の人が忙しさに殺される時期である。きっと今頃1年目の社員が日々残業に追われながら来月からは新人扱いされないという現実に打ちのめされていることだろう。

そして、1年目に12月で退職し4月からまた働き始めた僕も当然初めての年度末だ。マジで忙しくてビビっている。仕事が無さ過ぎてYouTubeを見ていた頃を返してくれ。

さて、今回は退職してから転職するまでの空白の3ヶ月間で何をしていたかを書いていこうと思う。


一応この記事の続きになるが特に読む必要は無い。久々に読み返したら「いずれ書いていく~」とか無責任にも書いてあったので今回書き始めた。適当なこと書くな。


1月:WEBライター挑戦編

12月末を持って不本意ながら退職が決定した僕は、早急にスケジュールを組み直す必要があった。

転職を考えた時、WEB上で文章を作る仕事に強い興味を持っていたので、フリーのWEBライターは選択肢としてかなり大きかった。転職活動の情報収集の傍ら、フリーライターとして食っていく方法や具体的なロードマップを勉強した。結果、「副業で始めて生活できる収入になったら独立」が最適解と学んだ。ライターという職業はピンキリで、スタート地点は子供の小遣い程度しか貰えない。しかし実績を重ねる毎に文字単価が上がっていき、最終的に稼げるライターになるのだ。

特にライターは副業に向いていて、クラウドワークス等のソーシングサイトが充実している。誰でもライターの仕事にありつける環境が整っていた。

話を戻すと、当時計画していた流れは「1月働きながらライター業を始め、基盤を作っておき2月からスムーズにライター業と転職活動に取り組めるようにする。もしライター業が合っていたらそのままフリーライターも視野に入れる」というものだった。ライターに対して甘い考えしか持っていないことを除けば悪くないと思う。まあ12月退職で計画ぶっ壊れなんですけどね。

年末年始を半分死んだような心地で過ごし、市役所が業務を始めた月曜日、元気なうちに調べていた退職後ロードマップに従って行動を開始した。まず国民健康保険と年金の変更手続き。退職後即転職じゃない場合はこの手続きは必須だ。詳しいことはリンクを見てほしい。

必要な手続きが終わり、昼に自宅へ帰った後これからのことを考えた。せっかく無職になれた最初の月だ。どうせならWEBライターに本気で挑戦してみよう。僕はWEBライターほぼ一本化を決めた。

クラウドワークスに登録し意気揚々と募集ページに応募をした。しかし早くもここで落とし穴があった。

クラウドワークスで募集をかける人物というのは2種類で、企業からの依頼か個人からの依頼だ。このうち個人からの依頼というのは価格設定がめちゃくちゃ強気だったり、テーマが雑なものが多い。最大のデメリットは継続しない点だ。先述したとおりライターは最初安くても続けていくことで文字単価を上げ稼いでいく職業なので文字単価が安い単発の仕事は効率の悪い小遣い稼ぎでしかないのだ。(3敗)

つまりWEBライターは企業からの依頼を見極め受けていく必要がある。しかし、企業の中でもスタートの文字単価が異常に安い所など地雷が数多くある。クラウドワークスは無法地帯である。

だが、入念な事前調査の甲斐があり地雷案件と良案件を見抜く力は備わっていた。良さげな募集に応募文を提出する。そして返ってきた返事が「テストライティングを受けてもらい合格したら案件を任せます」



まあわかるよ。そりゃ何の実績もないペーペーの素人が集まるサイトだもん、テストしないといけないわな。企業は何にも悪くねえ。



俺が文句言いたいのはな、「WEBライターで稼ぐ方法」「フリーライターで生活するために必要なもの」とかのアフィサイトしてたお前らだよ。


懇切丁寧にWEBライターとして成功するロードマップ作ってたけどよ、「ほぼ全ての案件にテストライティングがあり最速合格しても1週間はかかるので取り掛かれる時期が遅くなります」っていう真実を書いてた人一人もいなかったぞ。セブ島で意識高い発言する前にまず正しい情報を載せるべきなんじゃねえのか?あ?

なに?「そもそもスタートは副業として始めるべき」だと?てめえらアフィは「仕事辞めてから勢いでライター始めたけど何とかなった(笑)でも副業がおすすめですよ!」しか言ってねえだろうが副業推奨できる立場だと思うなボケカスがあ!ミニマリスト拗らせて橋の下で暮らせ!!!



…………すいません、割と個人を特定できるキレ方をしてしまいました。

つまり企業案件のほとんどがテストライティングを経由するため、本格的に稼げる仕事にありつけるまでかなりタイムラグがあるのだ。これは大問題で、そもそもテストライティングが落ちたら意味が無いというプレッシャー、稼げていない仕事に時間を使うことの焦りなど多大なストレスを伴った。何とかありつけた案件でも文字単価が表示より安かった、書くテーマが普段関りが無さ過ぎてライティングが難しい、受かったのに仕事依頼がほとんど無いなどの問題が発生した。

そして一番の問題は入金が遅いこと。クラウドワークスは入稿→その再来月に出金というシステムのため金が全く入らない。この時点で2月はほぼ無収入が決まってしまった。

夢と希望を持って入った業界が闇だらけで絶望した、なんて話はよく聞くが、まさにその通りに事が運んだ。心がボッキボキにへし折られストレスで不眠症になった。わずかひと月の話である。

決定打はコロナだった。昔から自宅だと勉強ができないタイプだったので、当然ライター業務も場所を変える必要があった。無料かつWi-Fi完備の図書館があったため基本その図書館で仕事をしていたのだが、2月頭にコロナの影響で休館になった。ここで僕は転職へ本気の舵を切った。



ちなみにこれ、気づきました?ストレスの原因であるWEBライターの問題点、全部1月に働きながらやってたら全く問題になってないんですよ…


WEBライター目指す方は副業しながらがお勧めですが、結構キツイですよ…


セブ島の某アフィとかミニマリストの某アフィはあんま信じない方がいいですよ…



2月:転職活動失敗~ブラック企業入社編~

タイトルで城之内死すばりのネタバレをかましているが、暗黒期は続く。

1月のWEBライター挑戦に失敗し、メンタルがズタボロになった状態で転職活動を再開した。

と言っても、一月の時点から求人情報には常に目を光らせていたし、リクルートエージェントの遠藤さんにも「1月はWEBライターで経験積んで転職に役立てる」と伝えていたので、割とスムーズに移行はできた。

何と言っても、無職は時間が有り余る。

これまでライター依頼ページを探していた時間が求人情報を探す時間になり、必死に文章を書いていた時間で履歴書・職務経歴書を書き上げた。

だが、やはり上手く事は運ばない。

自分が希望していた職種・業種の求人募集が全く変わらない。

自分で調べられる範囲の求人はずっと変動なし、遠藤さんも求人が無いと嘆いていた。


ここで、転職の軸を広げることを余儀なくされた。


遠藤さんと相談のうえ、今希望職種に入れなくても、次回の転職で入れるようステップアップできる職場にしようということになった。そしてこのタイミングで行きつけのスーパーで「合同企業説明会」の案内チラシを見つけた。大プレミの始まりである。


合同企業説明会とは、多数の企業が同じ場で説明会を開きその場にいる就職活動者とマッチングする場である。どちらかと言えば新卒向けが多いイメージがあるが、中途採用者にもチャンスは与えられる。

が、この合同企業説明会、冷静に考えてロクなもんじゃないのは明白だった。まず開催時期。2月頭に開催されていたが、そんな時期に新卒を狙えるはずが無いので、ロクな企業じゃねえことはすぐわかるはずだ。実際、ここで紹介されていた企業はネットの転職者向けの企業評価サイトにヒットしないものばかりだった。

そして開催、運営していた企業。詳細は忘れたが栃木の企業を紹介していくことがメインの会社だった。そしてそこはゴリゴリにブラック時代の前職の会社を「ホワイト」「いい会社」と評していた。

最後に参加者。明らかに生気を失っている人、スーツすらロクに着こなせていない人、死ぬほど年上、外国人など様々だった。少なくとも、自分と同年代の人は見かけなかった。


以上を踏まえ、冷静に考えればこんなの参加するだけ無駄ということが分かるだろうが、当時の僕はまともな思考回路を持ち合わせておらず、「意外といい企業があるかもしれない」などとぼんやり死んだ目で考えていた。「明らかに生気を失っている人」とは僕の事である。

しかし流石はハズレ説明会、まともな判断力を失った僕でも論外な企業が多い。業種、職種の軸をずらした以上、最低限労働環境に気を使おうと考えていた僕は「完全週休二日・年間休日数120日以上」を絶対に譲らないことにした。結果、20企業あるうちその条件に残った企業は二つだった。

一通りの説明を聞き、興味がある分野の企業、労働条件が良い企業に個別のブースへ話を聞きに行った。5~6ヵ所周り、その時点で三つの企業に面接までありつけた。転職活動はエントリーシートが通ることが稀なので、単純にラッキーとしか思わなかった。普通に考えてこの時点でトントン拍子なのは怪しいのに。

しかもこの三つの企業、特に希望している分野でもなければ良い労働条件という訳ではない。フラットの状態ならば確実にスルーしていた企業だ。だというのに面接まで行こうとしていたのは合同企業説明会に洗脳されたからである。この三つの企業以外があまりにも酷すぎたこと、合同企業説明会まで行って成果無しというのが勿体ないと思ってしまったこと、運営スタッフに相談したらめちゃくちゃ応援されたこと。

また当時リクルートエージェントも自分で出した応募も何もうまくいってない状態だったため、転職に対して前進できたことで思考がマヒしてしまった。


最初に面接したのは営業で応募したA社だった。まず説明会にいたおじさんと話し、その後社長と面接をした。社長はとにかく明るく、世間話の割合が多かった。WEBライターの経験や前職での仕事内容を詳しく答えた。最後に「今ネット部門を開拓中なんだが担当できるか?」と聞かれたのでできると答えたら満面の笑みで面接は終了した。自分の中でもA社は本命だったので、好感触の手ごたえに嬉しくなり、残りの保険で受ける予定だった2社がどうでもよくなった。

B社は面接まで話が進んでいると思ったらそんなことはなかったらしく、結局自然消滅した。平日休みで週休二日制の年間休日104日だったので正直どうでもよかった。

C社は説明会の際の説明より労働条件が悪かった。朝7時から業務開始と聞かされていたが実際は7時に業務が終わり正式な業務が7時から始まるというものらしい。それを聞いて入る気が完全に無くなったので面接後のテストを適当に埋めて帰った。


こうなるとA社に入るルートしか見えない状態だ。転職活動にあまり手がつかない日々が続く。そしてA社から内定の電話が届いた。

様子がおかしいのはここからだった。まず他の応募者に不採用通知を出したいから入社の意思を3日以内に出してほしいということ、面接では実際働き始めるとしたら3月か4月からになると言われたのに来週から来てほしいということなど急にスピード感が上がった。そう、判断力を鈍らせに来ている。

正常な判断力を持った人間ならここで疑問符が出るだろうが、あいにくこの時期の僕は普段なら確実に居留守をする電気会社の営業にボロ負けしてよくわからない契約を結んでいるほどガードが弱い。(ちなみにこの電気会社はマジで得だった)二つ返事でOKし、バレンタインデーの翌日から働くこととなった。




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次回 

   「三日間のブラック企業体験入社編」

   「リクルートエージェントは神編」

   「パラディ島侵略編」


の3本です。



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