![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/91279155/rectangle_large_type_2_6e5684fadea3465e0e76482952463428.jpg?width=800)
人と違うことが気になるあなたへ
違うことが気になる
人と違うことが気になってしまう、そんな経験はないでしょうか。
他人と自分を比較して、自分が周りの人と違うことが気になってしまうという方は、けっして少なくないはずです。
例えば、コミュニケーション能力が高くて誰とでもすぐに仲良くなれる同僚と比べ、人と話すのが苦手な自分。
いつも落ち着いていて冷静沈着な兄弟と比べ、落ち着きがなくてそそっかしい自分。
そんな性格の違いが気になってしまう、もっと言うと嫌になってしまうこともあるかもしれません。
しかし、そのような違いは、人類とっては必要なものなのです。
今回は、人と違っていてもいい、という話を、人類の進化の観点からお届けします。
多様性には理由がある
「進化論」で有名なダーウィンは、進化のことを、淘汰という過程を通じて説明しています。
簡単に言うと、進化はその環境では生き残れない種がいなくなることで起こります。
これを自然淘汰といいます。
進化と言うと、ある時期から急に、新しい性質を持った個体が生まれるようになって、その新しい性質を持った個体たちが一気に大多数になるようなイメージを持っている方もいるのではないかなと思います。
でも、実際の進化と言うのはどちらかというと真逆の過程で起こります。
新しい性質を持った個体が急に生まれ始めるわけではなくて、様々な性質を持つ個体は、同時期に生まれており、常に多様性に富んでいます。
その中で環境に適用できない性質を持った個体が子孫を残さずに死んでしまうことで、生き残った種が進化した種となるのです。
ここで重要なのは、みんな一様ではなく、いろんな性質を持った集団だからこそ、環境の変化に対応して進化することができるということです。
多様性が人類を救った例
肌の色
アフリカ大陸に現れた原初の人類はみんな褐色の肌を持っていました。
そこから世界各地に広がる過程で、各地の環境に適応するために、肌の色の違いが生まれました。
最初の人類は、赤道付近の強い紫外線から身を守り、皮膚癌のリスクを下げることが可能な褐色の肌を持つものな多く存在していました。
そこから高緯度地域に移り住むと、紫外線の量は激減します。
紫外線は体に必要なビタミンDの合成などにある程度は必要なものでもあります。
しかし、褐色の肌だと、この必要な紫外線まででガードしてしまい、ビタミンDの不足から起こる疾病によって生き残るのが難しくなってしまいました。
その結果、移住した集団の中にいた、比較的白い肌の人類が生き残り、高緯度地域に定着して行ったのです。
これについてはニーナ・ジャブロンスキーという研究者が紫外線の強さを示す地図と、その地域の肌の色を地図に落とし込んだ図でわかりやすく説明してくれています。
たびたび差別やコンプレックスの対象となる肌の色ですが、人間が環境に適応して生きていくために生まれた違いだったわけです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/91278995/picture_pc_53565c51333c2ebe4db83e87bea71703.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/91278999/picture_pc_1413b298844c2717999e412d2a68c14c.png?width=1200)
色覚の違い
色覚異常というものがあります。
赤と緑、茶色と緑の区別がつけづらいなどの目の特性を持つことです。
日本人でも男性では20人に1人、女性では500人に1人が色覚異常だと言われています。
これらの色覚の違いも、古代の人類が食糧を収集する際にどちらも必要な多様性だったということが分かっています。
赤と緑の区別がつけやすい色覚を持つ者たちは、木の実などを見つけることが得意でした。
赤と緑の区別がつけづらい色覚を持つものたちは、擬態を見抜くことに優れており、狩りの際に活躍しました。
人類ははるか昔から集団で生活していましたから、この集団にとっては、どちらも必要な役割だったわけです。
だから、どちらかというと男性に色覚異常が多いのは、古代に狩り行っていたからかな、なんて思ったりしますね。
しかしそれよりも、これを聞くと、「異常」という言葉を用いるのが果たして適切なのか、という気持ちも湧いてきます。
以前は色盲と言う言葉が使われており、それよりもだいぶ改善していますが、上記の話を聞いた後だと、色覚の違いは単なる個性であり、異常ではないように感じます。
多様性のおかげで人類がなりなっている
このように、他とは違う性質を持った人類が一定数いることで、人類は生き残ったわけです。
言い換えれば、そう言った能力が集団の役に立つと言えます。
色覚の個性はそのいい例です。
これは性格面の性質でも同じことが言えると思います。
みんながみんな慎重で落ち着いた性格ばかりだと、新しい作物を口にしてみたり、新しい土地に移住したりすることなく、飢饉や旱ばつで絶滅していたかもしれません。
逆にみんなみんなが慎重さや警戒心を持たず、なんでも受け入れる性格ばかりだったら、安全性を確認できていない食べ物もみんなで一斉に食べてしまい、隠れた毒素などで全滅してしまった可能性もあります。
このように、性格の違いすらも、集団にとっては必要な役割であり、進化を支える多様性を担保するにはとても重要なものなのです。
人と違ってていい、ありのままの自分でいい。
あなたの個性を大切に。
今回はちょっと違った観点からそんなお話をしてみました。
何かの参考になれば幸いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?