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顔面グーで殴られて鼻血出したことあるけど質問ある?

ノートを書いていると毎日がネタ探しである。
「書ける、書けるぞおおwwwwwwキーボード打つ指が止まらんwwwwww」って時と、「もう何も書けへんのや…これから一生おもろいこと何も書けへん、自分はなんて凡庸な人間なんや…」っていう周期が押しては返す波のようにやってくるのだ。この調子が悪い時期のことを一言で「スランプ」という。ああ、初めからスランプです。と言えばよかった。こういう部分がもうスランプじゃん。クソッ

てなわけでスランプを抱えたかほさんは、安易にも「誰も経験したことがないレアな体験」を思い出していた。逆にむずくね?
シナプス先生お願いします、私に記憶をください。。

ホワンホワンホワン…(記憶が蘇る音)



時は24年遡る(レアな体験あったのかよ)

永瀬花帆は純粋無垢な小学校一年生であった。ちなみにハーフツインテールがトレンドマークだった。
確か小学校生活にもやや慣れ始めたくらいの時期で、クラスメイトとも打ち解けてきたんじゃね?みたいな雰囲気だったような気がする。けどこの年頃って「打ち解ける」とかいう意識ないよね。

その日は席替えだった。
NEW席が決まって、私の隣に座ったのは学年1大柄で縦にも横にもデカいNくんだった。
「マヂ嫌だ〜」とかじゃなくて思春期特有の恥ずかしさから「まじかー///💦」みたいなリアクションはした気がする。別にその子じゃなくても同じリアクションだったと思う。

そのあと何かしらのプリントが配られ、Nくんはその薄っぺらいわら半紙を消しゴムで一生懸命消していた。
そしてその時はやってきた。

ビリィッ…

私「あー!破ったあ!破った!」

※ウザい

破った破った♪と何回か繰り返しているとNくんと目が合った。
次の瞬間、私の顔面めがけてすずりのような固い鉄拳が飛んできたのだ。

私「!?」
Nくん「!?」

いや、なんでお前が「!?」だよ!!!

と思うと同時に、鼻と口の間にタラリと熱いものが流れた。
ちなみにこの鼻血が流れる部位が人中というの名前なのは、整形がポピュラーになり出した2020年頃に知った。

Nくんの「!?」は、私をぶん殴ったら鼻血が出てきたからびっくりしたんだと思う。あの時の鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔は今でも忘れない。人体の構造的に当たり前や。いくら小学一年生とはいえ、学年1大柄な男の子にぶん殴られたら粘膜は負けるのだ。

私が声を上げるより先に周りの子たちが騒ぎ始めた。
「先生!Nくんがかほちゃんをぶん殴りました!鼻血が出ています!」みたいな感じになった気がする。
私は鼻血を垂らしたまま保健室に連行されて、血まみれになった服は追い剥ぎに合った。
鼻血も止まってるし、別にもうどこも痛くも痒くもないのに保健室に入れ替わり立ち替わり先生たちが心配しにきて、その自分が置かれている環境にびっくりしてようやく泣いた。

時刻は給食の時間。
校内放送では「きょうのこんだて」「からだをつくるもの」「かぜをよぼうするもの」などの栄養素が読み上げられている。

私「ぜんぜ〜😭 ぼだがずいだ😭(お腹すいた)」
保健室の先生「えらいこっちゃ!

↑適当な記憶すぎるだろ

給食タイムの真っ最中に保健室の先生が1年1組まで送ってくれた。
この、保健室から帰ってきた時のクラスメイトの視線めちゃくちゃ痛くない?あと風邪で休んだ次の日に登校する時の妙な恥ずかしさの正体はなんだったんだろう。

例に漏れずスポットライトを浴びているスターくらいの注目を浴びて、帰還した我がクラス。
給食の時のことは全然覚えてないけど、確かメニューは泣きすぎて鼻が詰まって味のしないあんかけ焼きそばだった気がする。

そして、「好きな授業は?」「給食!!!」と、答えるくらい給食が好きだったNくんは、給食の間中、廊下で泣きながら校長先生にお説教を受けていた。

そして、担任の先生が、放課後我が家に訪問して事情説明をすることになった。
思いがけないイベントに、生徒たちは楽しみ出した。
「え!先生と帰れるの!?」とか言って、クラスメイトたちがワラワラと何人かうちまでやってきたのだ。これが結構楽しいイベントだった。

この時の記憶が曖昧で、実母にインタビューを行った。

母はSixTONESのジェシーさんのことを「お母さんの最後の人」と呼んでいる

ここでの母からの回答は以下だった。

母「いや、そりゃかほちゃんの洋服が朝と変わっててびっくりしたけどね。K先生があんたの血まみれになった服ビニールに入れて抱えて持ってきてくれたでしょwwwwあんたヘラヘラしてるからそんな心配はしなかったよwびっくりしたけどねw」

母、自分の娘が殴られて鼻血を出したというのに当事者がヘラヘラしすぎてて心配の余地なし。

母「それよりね、お母さんはNくんのお母さんにカチンときたよ!」

それは初知り情報なのだが?

母「Nくんのお母さんって看護師さんでね、病院から電話かけてきて、『どうします?今からウチ(私が働いてる病院)きます?』とか言ってきたんだよ〜?」

そんな親いるの!?爆

母「お母さんそっちの方が覚えてるな。あんたはヘラヘラニコニコしてたから。

どんだけヘラヘラしてたんだよ私。
この電話の間でヘラヘラって6億回くらい聞かされたわ。

そしてこの時同じクラスだった今でも仲の良い友達にもインタビューしてみた。

友達「俺、Nに鉛筆で腕突き刺されたことあるよ?

#いきなりグサや

笑っちゃいけないけど笑った。あの頃のNくんはきっと心に闇を抱えていたんだな。
協力ありがとね👋と言いかけたところで。

HA?とんだスクープなんですけど!?

!?

そうか〜!鉛筆の芯のタイムカプセルか。。。なら良…いわけないだろ〜!!!

ご協力いただいた母、ご友人、ありがとうございました。

などとギャグを交えながら書いておりますけど、今の時代だったら大問題だよね?

ヘラヘラ女の私は、こんな事件がありながらも、なんと中学卒業までNくんとは普通に仲が良かったのだ。
なんなら高校に進学してからも、近くのコンビニでNくんが働いてて、「よお!今何してんの!?」みたいなノリだった。根に持たないところは私の大変良いところである。今は何してるのかなあ。

そして事件の原因となったわら半紙は、今では小学校のプリントではほとんど使われていないそう。良かった〜わら半紙が破けたらまた誰かが犠牲になるからな(レアケースだよ)
わら半紙、お前が破けなかったらこんな大事件は起きなかったし、味のあるあんかけ焼きそばを食べることもできたんだ。
けど、お前がいなかったらこんな珍事件を後世に語り継ぐこともできなかった。
なんかよくわかんないけど、スランプ救ってくれてサンキューな!

おしまい

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