『スリル・ミー』キャストインタビュー
ミュージカル『スリル・ミー』は「私」と「彼」が織りなすサスペンスと“究極の愛”を描いた二人芝居のミュージカル。実際に起きた事件を元に作られた作品で、世界各国で上演されており、日本でも実力派の俳優陣たちにより何度も再演されている人気作です。
2021年版は伝説の初演ペア、田代万里生(私役)×新納慎也(彼役)、
前回で新風を吹かせて話題になった成河(私役)×福士誠治(彼役)、
新たに抜擢されたフレッシュな二人、松岡広大(私役)×山崎大輝(彼役)
の3組で上演されます。
今回、全ペアの取材をさせていただいたことで、まったく異なる3組3様の「私」と「彼」が見えてきて(まだお稽古にも入っていない段階でしたが)、「これは全組観てみたい…!」と思わずにはいられない状態に。
なかなか共演の機会がないながらも、お互いの存在はずっと意識されていたという田代さんと新納さん。
兄弟のような(田代さんは、新納さんをお兄さんのように慕っているような印象)、気心の知れた仲睦まじさが素敵だな、と感じました。
お二人が日本版『スリル・ミー』を築き上げた、と言っても過言ではない、レジェンドペアの2021年版「私」と「彼」がどのような変化と進化を遂げているのか、とてもたのしみですね!
前回(2018年)の共演ですっかり意気投合された成河さんと福士さんペア。
お互いの距離感がとても心地よいのだな、ということがお二人の空気感からも伝わってくるインタビュー時間でした。
成河さんの、作品のみならず「演劇界の在り方」についてのお話も勉強になりました。そして一番の収穫は<資本主義の病>という視点を得られたこと!
『スリル・ミー』をそんなふうに観たことがなかったので、ちょっとこれから作品の見え方が変わっていきそうです。
福士さんは今回の取材でそのトークスキルの高さや軽妙な語り口、おもしろさを目の当たりにし、「もう絶対なんかトーク番組とかやってほしい!」と思いました(笑)。
お互いを「旅人」を呼び合うお二人の軽やかさが、なんともいいなあ、と感じました。
今回オーディションで新たに抜擢された、松岡さんと山崎さん。ぐっと世代が若くなり、きっと新しい「私」と「彼」をみせてくれるだろうな、と期待が高まるペアです。
この日が初対面だったというお二人。
お互いに「どんな人なんだろう?」と探り探りトークをする姿に、取材陣もなんだか見守る雰囲気に…。
(お稽古も始まって、きっと今ではだいぶ距離が縮まっているはず!)
松岡さんの作品へかける意気込みと成河さんへのリスペクト、山崎さんのクールな見た目とはかけ離れた、親しみを感じるほわっとした話ぶりが印象に残りました。
わたしが初めて『スリル・ミー』を観劇したのは、2013年の良知真次さんと小西遼生さんのペアでした。
舞台上にはたった二人の出演者。観客は二人の一挙手一投足を見つめ、セリフにも神経を注ぎ耳を澄ませる。客席の集中力や熱量がとても高かったこと、ピアノの旋律とともに、独特の世界観の余韻に浸りながら劇場を後にしたことを覚えています。
コロナ禍で劇場に足を運ぶことが難しくなってしまった方も多いと思いますが、一人でも多くの方が『スリル・ミー』という作品に出会っていただけたらうれしく思います。
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