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「あなたはモテない」という呪い

年末年始になると地元の友人から食事に誘われる。
特に予定もないので、いつもできる限り参加するようにしている。

地元の集まりには必ず男性がいる。
私は小中学生の頃の友人とも未だに親しくしている。

そして、その集まりに顔を出す道中、
母の「友達としか思われてないわよ」という言葉が
頭をよぎる。

母は昔から私に
「あなたはモテない」とよく言ってきた。

中学の頃、私が同級生の男子に粘着されてるという相談をした時、
母は「自惚れすぎなんじゃない?」と言った。

同級生に告白されたという話をした時、
母は「まだ子どもだから勘違いしてるんでしょ」と言った。

高校に上がり、合コンに行った話やナンパされた話をした時、
母は「○○ちゃん目当てだと思うけど」と言った。

そしていつも、「勘違いしないようにね、かほはモテないからね」と続けた。

成人してから、
複数の男性の中に女性は私一人だけ呼ばれる、という集まりがよくあった。
そういう時、母はメンバーを聞いてから
「なんで、かほのことを誘うの?女として見られてないの?」と鼻で笑った。

そして、そういう飲み会の帰りに地元の友人が家まで送ってくれるのを目撃すると
「○○くんはどうして、かほに優しいの?かほなんかに優しくしても良いことないのに」と、怪訝な顔をした。

そんなわけで私は、私がモテたり、好かれたりすることを
あまり自分で信じられなかった。

今思い返すと、多分どちらかといえばモテる方だったと思う。
異性との交際に悩んだことはないし、想いを打ち明けてくれた男性も何人かいた。
だけどいつも、母はなぜか
「かほは姉妹の中で一番男ウケしない」
「かほを好きになる男はセンスがない」
と言っていた。

あれって、なんだったんだろうか。

ネットなどだと、母は第一子が女性だった場合、子どもが育っていくと、本能的に“ライバル”として認識し、嫉妬や敵対心を抱くことがある、とか書いてある。

実の子に?そんなことある?
私はその説はあまり信じられない…。

母は私が女になっていくのが嫌だったのかな。
もしそうだとしても、あの呪いは本当に良くない。

女性としての自己肯定感を持てなくなり、
子どもはメンズエステで働くことになる。

「かほはモテるからね」と友人に言ってもらっても
全力で否定してしまうのは
多分、呪いが重すぎるからだと思ってる。

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