頑張り過ぎるたーくん

TwitterにはDMという機能があって、私はそこをコミュニケーションツールとして活用している。この世界に入って知ったのだけど、「姫予約」(キャストが直接お客様から予約を取ることをそういうらしい。因みにメンズエステの場合はセラピスト)も、DMから取っている。

基本的に完全受け身だけど、たまに私からも送る。送る時の理由はちゃんと決めている。

①今まで来てくれていたペース以上に日が空いた時

②その人が辛そうなツイートをしていた時

たーくんにDMを送った理由は①だった。月2くらいのペースで来ていてくれた、たーくんと2ヶ月会えてない。リアクションもなくなった。心配になったのでDMしたら、しばらくして店長から連絡がきた。

営業みたいになっちゃったな、って少し後悔した。

たーくんはいつも笑ってる。入ってきた時も笑っていた。「たーくん!!!久しぶり〜!」顔を見た瞬間抱きついた私を優しく抱きしめ返してくれる。「外、雨降ってる?」私の問いに少しだけ頷いて「ちょっと濡れちゃった」と答えた。そのときも、笑ってる。

「呼び出したみたいになってごめんね」「いや、キッカケがないと仕事切り上げられないから助かったよ」

たーくんはものすごい遅い時間まで働いていて、いつも深夜のギリギリに間に合うか、間に合わないか。「仕事があちこちから降ってくる」と話す時も、笑ってる。

私が心配そうに見つめるものだから、もっと笑う。だけど、「疲れたよー」の声が心からのものなのは分かるし、うつ伏せで寝転がった時に、うとうとしてるのも分かる。

だけど、仕事の愚痴を一つも言わない。笑いながら、ハイキューや鬼滅の刃が終わった話とか、いまマガジンで何が連載してるかとか、たわいもない話をする。

いつか、潰れてしまいそうで怖くなって、別れ際ハグしたら、ぎゅっ、と抱きしめ返してくれた。

「かほが待ってるからって理由で仕事あがっちゃいなよ!」

そんなことしか言えない私に、また笑って手を振り部屋を出て行ったたーくん。

無理しないで、どうか社会が彼を潰しませんように。


またきてね。

@luxury_kaho

※名前は仮名です。



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