第2部 夢を与える part1 ~あるロマンス詐欺師の告白~
はじまりはこちらです。
< 告白 >
真)親愛なる君。君とこんな風に話をするとは思わなかった、、、。
ー Sinさん、、?本当にSinさん?
私、、あなたみたいに自分を律することができる人。
どうしてこんなことするようになったのか分からないの。
真)そう君にはわからないことがたくさんある。
ー あなたはいい人だと思う。誰かに弱みを握られているの?
真)ううん、僕は自分で選んで今こうしている。
ー 不思議。私はあなたに感謝している。
今までも一生懸命生きてきたつもりだけど、半分眠ってきたみたい。
あなたと会って知ったことがある。
人生を一生懸命生きること。
いつもエレガントでいること。
時を大切にすること。
真)僕と会って、感謝する人は多い。
ー 私だけかと思った、、、。
真)君だけじゃないよー。
ー あなたはプロなの?
真)プロの中のプロだよ。
ー あなたが、本物のプロで良かった。
ー 日系人って本当?
真)日系人ではないな。
ー 娘がいることは?
真)娘はいない。そこは作り話なんだ。
ー どこまで嘘なの?
真)本当の話はたくさんある。
スポーツが好きなこと。好きな食べ物の話。僕の性格について、、。
ー 聞いてもいい、、、?どうして詐欺師になったの?
真)お金が一番じゃない。
ー 女を知りたかったから、、、じゃないよね?
真)女は知ってるのね。最初から女たらしだった。
今はお金が一番。最初は違った。
これわからないと、、、、、わからないよ。
ー 世の中への復讐?
真)そうだね、ズバリ。
ー 優秀さを利用されたの?
真)あー違う。
ー 裏切られたから?
真)裏切られたって考えは僕にはない。
ー そこは自己責任って考えるんですか?
真)まあね。自分を、、、、された。友人たちも。
どうして世の中への復讐をしているのか?
僕の体験やってみれば分かる。
ー 雄々しいことと関係ありますか?
真) もちろんあるよ。復讐してるから雄々しいんだよ。
ー エレガントなのは?
真)賢いこともそうだけど、、、。自分を律しているから。
ー どうして自分を律するの?
真)律したいからだよ。笑。
賢いのは、、、わかることが増えたから。
最初はね、お金にはさほど粘着なかった。
人の心理、操作してみたかった。
手応えを感じた。
心を奪うことに興味を感じた。
当時はあまり成功しなかった。すぐにバレてしまったから。
どうしてバレなくなったか、、。
距離を縮めることに専念したわけじゃない。
最初から媚びたりしなかった。
恋を与えたんだよ。
ー しあわせにしたのね。
写真の人、、とてもハンサムだったけど。
写真の人と話してる人、同一人物に思えた。
パーソナリティが合っていて。
真)同一人物かどうかは内緒だけど。同じくらいかっこいいんだよ。
ー やっぱり。
ひとりひとりやり方変えるの?
だってターゲットの人って性格違うでしょ?
真)そう。ひとりひとり変えるよ。
恋に対して何を求めているか、、、を理解する。
ー どんな人を騙すの?純情な人?
真)そうだね。純情な人だよ。恋に対して求めるものが高い人だよ。
こういう人に僕はロマンスを与える。
生活上のアドバイス。
例えば、起業したい人には起業のアドバイスする。
会話の上手な女の子には会話を与える。
会話の下手な子には人によって変えるけど、本人の望む答えを与える。
ー それは分かるんですか?
真)今は大体分かる。
ー パターンがあるの?
真)パターンじゃないな、ひとりひとり違う。
人間をパターンと思わない方がいい。
ー 弱い人の心には手を出さないんでしょう?
真)出すんだよ。現実を知らせるため。
僕がターゲットにする上で一番好きなのは、夢を追いかけてる女の子。
僕も得るものが、大きいから。
ー 生き様とか、エネルギーとかそういうものですか?
真)そうだね。
ー 彼女たち気づかないの?
真)途中でうすうす気づくことが多い。
ー 気づいてあなたを責めたりしないの?
真)、、、、、。
ー 黙って去る人は?
真)いないんだよ。
ー やっぱりあなたが特別な人間って知って、吸収したいものがあるから?
真)違うなぁ。愛しているからだよ。
僕たちは同等なんだ。共犯関係が結ばれている。
ー スリリングな関係なんですね。
真)違うんだよ。2人で壊れそうなもの守るんだよ。
ー お金はどうなりますか?
真)目的は完遂する。
ー 予定は変えないの、、、?
真) 1度だけあった。愛してしまって。僕も人間だから。
ー やっぱり感謝して別れますか?
真)そういうことが多い。貰うものはもらって去るんだよ。
ー やっぱりもらうものは貰うのね。
真)あのね、僕が騙してるって分かっても要求を呑む人がいる。
ー どうしてそのことがわかったの?
真)あまり言いたくないな、、。
ー やっぱりあなたに感謝していたから?
真)言われた言葉がある。僕には悲しい言葉、、、。
悪いことに使わないで。、、、、、って。
人には理解できないだろうね。
ー 1人の人ですか?
真)1人じゃないんだ。これが。
ー ところで、そんなにお金集めて何に使うんですか?
島でも買うんですか?
真)(クスクス笑って)もう持っているんだよ。
ー じゃあ他のこと?
真)他の事。
ー もしかして悪いことに使うんですか?
真)僕、悪い人間に見える?
ー 忘れられないエピソードありますか?
真)たくさんあるよ。
びっくりしたプレゼント、、、もらったことがある。
当てたらすごいよ。
ー 何だろう?、、、手作り?
真)そう、手作りだよ。
ー 普通作らないものなんでしょう。?
真)そう、作らないもの。
ー うーんとカメラ?
真)うーん。惜しいかな?
時計なの。
ー 時計?時計ってあの時計??
真)そう。
ー パーツはどうしたんですか?
真)一部は古い時計から。
他のパーツは自分で作ったんだよ。
ー 時間狂わないのかな?
真)狂うんだよ。笑。
忘れられないエピソード。
公園で将来の話をした。(結婚とかじゃなくて。)
ダンサーの卵の女の子。
1度、、自分のダンスを見て欲しい、と言われた。
卵とはいえ、世界的なステージに立っている、彼女。
見たかった。だけど偽名のこととかあって見に行くのは不可能だった。
行くと返事をした。
彼女、すごく喜んで。
ある手を使って見に行った。
ショーの後、彼女の友達が彼女にサプライズを用意していた。
壁いっぱいにペーパーフラワー飾って、抱き合って泣いていた。
僕も泣いた。 この話はこれで終わり。
ー みんなこういう話、誰かにしてると思う?
真)してると言えばしてるだろう。
話さない子もいるかもしれない。
思い出はね、口に出すと消える。
秘めれば、、、、思い出なくならない。
女の子はおとぎ話を信じている。
シンデレラや眠れる森の美女。
夢は大切にしていい。
僕は女の子の純粋な心に愛を与えることができる。
夢に命を芽吹かせることができる。
生まれ変わりや目覚めー
特別なものを与える。
目覚めなくてもいいけれど。
特別の心に対し、、、愛を与える。
それは僕の義務。
愛はどうやって現れるか?
泉のように沸いたりしない。
花のように咲くんでもない。
樹のように静かにそこにある。
泉のように思えるのは愛が感情に形を変えたもの。
僕の愛はどっしりとそこにある。
僕は他の男性では、あげれなかったものをあげることができる。
どうして男性が女性に対し、ぶっきらぼうかわかる?
彼らは美しいとか可愛いとか、そういう言葉を使うの照れくさいんだ。
どうしてわかるかって?
だって僕ですら恥ずかしいんだよ。
わかるかなぁ。
世の男性、、、優しくなったら、僕の仕事なくなるかもしれない。
根本的に男と女はすれ違っている。
僕の仕事はすきま産業。
埋められないものを埋める仕事。
女性を優しく恥ずかしがらずに呼んであげられない。
それができないのが男のやせ我慢。
女性を女性として扱ったら、、、
女性は生き返る。
だけどね、、、。男性には女性を生き返らせたくない理由がある。
わかるかな?
女性が夢を追いかけるようになるから。
男性が夢を追いかけて、女性はサポートに回る。
この関係を壊したくないからなの。
ー それって男性って知ってるの?
真)無意識で知ってる。
たんに追わせたいから、ってこともある。
すれ違ってる方がいい。
男と女のすれ違い、、、実はこれは男性が作ってるの。
僕は女性に夢を追いかけて欲しい。
女性に夢を追いかけさせること。
女性に優しくすること。
この両方を兼ね備えることのできる人は少ない。
ー 女性に夢を与えてあなたは何を手に入れるの?
真)夢を手放さない女は女らしくなる。
女性を女性らしくできる男は優秀に成長できる。
いろいろ嫌なことを糧にして僕は強くなった。
ー あなたは復讐を利用したの?
真)そうだ。
清濁併せ呑んで、痛みを引き受けたことで賢くなった。
視野があけた。
感情をあるがままにしたんだよ。
野生を解き放った。
怖かった。わかるかな?
精神を鍛えた。
自分の弱さを徹底的に締め上げた。
現実を直視して精悍になった。
力強くなった。
真の心のために命をかけた。
ー誠実であること。ー
運命受け入れたから成熟した。
何が起こっても神と共にあること。
離れないこと。
いつも気高くいること。
忘れないようにした。
第2部part1終わり。
part2へ続きます。
創作大賞、応募してます。スキくれるとうれしいです!!!
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