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ドラマ感想『シェフは名探偵』

「どうぞ。バンショーです」
白いコック帽の男がカウンターの中から声をかけた。
リストラされ消沈の高築は驚いて顔を上げた。
「新しい門出のお祝いですよね?次の職場は決まりましたか?」
「いえ、まだなにも…」
「じゃあここで働きませんか」
「え?で、でも…」
「ちょうどギャルソンがやめたばかりなんです」
シェフ三舟のにこやかな笑顔につられるように高築は恐る恐る手を差し出した。



都会の片隅にひっそりと佇むフレンチレストラン「パ·マル」
今日もいろんなお客が、絶品料理に舌鼓をうつ。

結婚記念日を祝う老夫婦。
娘の入学記念の家族連れ。
訳ありそうなカップル。
それぞれの食事風景を見るともなく料理に勤しむシェフ、三舟の手が止まるとき、鋭い観察眼がキラリと光る。

西島秀俊演じる三舟は洞察力と推理力でお客の抱えている問題を次々と解決して行く。

少々お節介な性格だが、スーシェフの志村(神尾佑)はそれを「優しさ」だと言う。

物語はギャルソンとして拾われた、濱田岳演じる高築の視線から語れる。

楽しみなのは、各々の問題解決にフランス料理が上手くからめられていて、その料理に込められた意味合いがなるほどと思わせるところ。

三舟シェフお得意のバンショー(ホットワイン)のレシピの話も、習慣の違いから生まれた誤解に改めて考えさせられた。

毎回、スパイスの効いた物語が楽しい。

そして何よりも西島さんは料理が上手いほうが、ピッタリだと納得した❗

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