こころちゃん

※これは絵本の世界です。

去年の秋頃から、わたしの周りには心ちゃんというポケモンというか妖精というか
そんな感じの小人がうろつくようになった。

こころちゃんは、
とても寂しがりで、甘えん坊で
小さな手をぎゅっとしながら、
いつもウルウルの、キラキラした瞳でこっちを見てくる。



今は、ある意味割り切って働いているわけだけど、
わたしがよくわからない業務に夢中になっていると、
こころちゃんは、
寂しそうにこちらを見てくる。
その小さな背中を思いっきり丸くしてね、
落ち込んでる。
ごめんね、こころちゃん。
って思いながら過ごす。

あんまりにもそういう時間を過ごしていると、
こころちゃんは旅に出てしまう。
こころちゃんがいなくなって、
わたしはあ、やばい、どうよう、って焦るのです。
大切なものは、なくなってから気づくとはこのこと。



こころちゃん、ごめんね。
そう思いながらゆっくり眠りにつくのです。
そうすると、
翌朝、
こころちゃんは何もなかったかのようにやってくるのです。
いつも旅先のどこからか、お花やおむすびなどを持ってきて、わたしにくれるのです。
小さい。笑




こころちゃんはいつだってぎゅっと、
小さな手を握り締めています。
自分の心を手放さないようにと、
こころちゃん自身も一生懸命なのだと思います。

こころちゃんがそばにいてくれないということは、
どうやらわたしはわたしではないよ、
という合図のようです。

こうやってノートを書いているとき、
心ちゃんは私の肩にのって、
ニコニコしながらおむすびを食べています。

コロナウイルスが流行っているので、
こころちゃんにマスクを勧めたいけれど、
なぜかこころちゃんは、
頑なに首を振ります。
きっと、ウイルスとも友達なんだろうね。

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