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Product Marketing Manager (PMM) という職種について調べてみた

Kan アウトプット元年となる(したい) 2021 年、こんな記事から書き始めてみました。

その後記事で書いてた事を専門的に行う職種として「プロダクトオペレーション」があると知り note を書いた のですが、そのまま気になってた職種シリーズを続けてみたいと思います。

ということで今日はプロダクトマーケティングマネージャー(PMM)について。これでぼくの知る Product Management に近い職種調べは最後に。それではやっていき。

プロダクトマーケティングマネージャー(以下、PMM)とはどんなもの?

例の如く Google Scholar で調べてみました。

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んーやっぱり渋い。ディスクリプションを見ると近いものがありそうですが、中身を見てみたら内容的には適してませんでした。てことで Google 検索。

Google で検索してみるとプロダクトオペレーションマネージャーよりはコンテンツが多くありました。プロダクトマーケティング専門メディアもあったりと、結構賑わってそうな印象です。

プロダクトマーケティングコンサル事務所に所属し、尚且プロダクトマーケティングに関する書籍も記載しているYasmeen Turayhi は meidum にて公開した記事で、PMM は ソフトウェア製品やサービスをマーケットに適応させる ことを責任範囲としています。分かりやすい。

元々 PMM の役割は PdM が担っていました。但し PdM の役割増加により PMM が職種として分割されます。 その役割は今では以下の表のように分割されています(note って表作れないんだ...)。

kan個人memo_-_Google_スプレッドシート

PMM の仕事内容は川上〜川下までで以下の様に分類されます。市場に出す際のメッセージ検討から、開発されたプロダクトを営業組織の武器としてデリバリー、営業以外のマーケティングプランの検討など幅広い事を行うようです。 プロダクトがマーケットに受け入れられる意思決定全てに関わる職種で結構守備範囲は広い。

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When it's time to hire a Product Marketing Manager, Yasmeen Turayhi

何となく PMM について理解した所で何社か Job Description を見ていくことにします。 Indeed で調べて上位 2 つにあった Microsoft を Amazon の JD を調べることにしました。

Microsoft Bookings チームの JD

実際の JD

責任範囲

責任範囲の冒頭はこんな文章から始まります。

Partner with the Bookings Engineering team to design the product roadmap based on customer feedback, usage data and competitive analysis.

PMM の責任範囲として 1 番目にくる内容は エンジニアと協力してプロダクトロードマップを作ること。そのロードマップは定性 / 定量データを駆使して顧客の声が反映されている事 です。これだけ見ると PdM の役割と大差は無さそう?と思って読み進めていくと「マーケティング」っぽい話も出てきました。

Your accountability will include prioritizing marketing moments, owning our disclosure approach, leveraging social channels to amplify news and develop a community of fans.

マーケティングモーメントに優先順位をつけて、顧客とのコミュニケーション方法に責任を持つ。更にマーケティング・チャネルを上手く活用し、ニュース性を高め、ファンコミュニティを確立する ことも PMM の責務にはあるようです。

Microsoft Bookings team は PdM と同様のプロダクト理解度を持ち、マーケティングという手段でプロダクト価値にレバレッジをかける職種を PMM の役割と定義している様です。そしてそのマーケティング手段には営業もあれば広く理解されている「マーケ」も含むといった具合です。

Amazon の JD 

実際の JD

JD を読む限り、 Amazon の募集は会社全体でかけているようです。では早速。

The Product Marketing Manager will play a critical role in supporting the organization by contributing to our marketing and traffic strategy, and ensuring the creation of an innovative, best-in-class, cross-channel experience to drive ongoing customer engagement.

PMM の重要な役割は、 顧客のエンゲージメントを高めるために、革新的で最適なクロスチャンネル体験を構築して、マーケティング戦略とトラフィック戦略に貢献すること と定義しています。 Microsoft Bookings チームと表現は違いますが、似たような定義をしています。

続いて、期待される候補者のスキルを見ていきます。 4 つ中 3 つは一般的な内容だったのでイメージの掴みやすい 1 つのみをここでは取り上げます。

Understand key traffic drivers (onsite, email, social, etc.) and how to measure, track, and optimize them to accomplish business goals, document the results, and share best practices across the team.

重要なトラフィック拡大方法とそれらの計測・追跡・最適化の方法について理解をしている事。更に事業価値最大化のために最適化を行い、ドキュメントに結果をまとめ、チームにナレッジを共有する事 と記載されています。ドキュメント化が JD にまで記載されていてとても amazon っぽい。

加点要素として挙げられているのが以下の箇所。

Experience managing large amounts of data and SQL is a plus.
Advanced Excel

SQL がかけて Excel もバリバリ使いこなせると更に加点。マーケティング専門のコンサルファームで一定以上経験した人とかが適任なのかな。

まとめ

ここまで聞くと今までの「マーケティング」と何が違うんだろうという話になると思います。 PMM なんて大層な名前をつけられたけど、あまり役割が変わっていない ... みたいな印象を覚えました。

実際 Indeed で調べる限り、 Amazon でも Microsoft でも 「Marketing Manager」という職種は存在していませんでした。役割はほぼ同じで名前が変わっているだけ説はやっぱり強いのかなと。

それで考えてみたんですが、職種名にはその職種担当者への企業からの願いや期待 が込められていて、その結果新しい職種が現れていくのかなって思いました。会社として重きを置いているものは何か。それをどういう役割で、誰とどんな事を達成してい欲しいのか。そういった流れの中で名前が変わったり、少しずつ役割は変化していくのかと。

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キングダムのこのシーンを思い出した。法じゃないけど。

最後にまとめです!

・ PMM の役割は ソフトウェア製品やサービスをマーケットに適応させ、マーケチャネルとトラフィックにレバレッジを書けながら事業価値最大化 を行うこと
・開発チームと同じレベルにプロダクトに理解を持っていて、チャネル毎のトラフィック最大化のためのイネイブラーになること
・戦略だけではなくて川下の設計までちゃんと出来る人が求められている
・職種名には企業からの願いや期待が込められている

といった感じです!


お酒と映画と読書が大好きで夜も眠れません。たくさん働きます。 プロダクトマネージャー ← 受託開発会社代表(コーディング/セールス/PM)。 fintech / プロダクト / 映画の呟きが多め。 ストーリーあるものが好き。