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【京都ライター塾9期レポ】第2回インタビュー原稿の書き方

インタビュー原稿を書けるライターに強い憧れを抱いている。
ライターの取材力で取材相手の想いを引き出し、それをライターの文章力で物語を紡ぐ。
なんてかっこいいのだろう。
私も書けるようになりたい、そんなふうに思っていた。

京都ライター塾を主催する江角悠子さんの第2回目の講座「インタビュー原稿の書き方」では、インタビュー原稿を書くための基礎から、理想の原稿を書くための方法を優しくわかりやすく教えてくださった。

いいインタビュー原稿はいい素材集めから生まれる

読んでいてすてきだなと思う記事は、それだけわたしたちを惹きつける何かがある。
その何かというのは、ことばのセンスだったり、情景描写だったり、いろいろあるのだが、まずとても大事なことは書くまでの準備にあるというのだ。
準備というのは、いい素材集めをすること。それができれば、いい原稿ができるチャンスがうまれるということ。
この素材集めというのは、5W1Hの視点で取材相手に話を聞き、具体的にイメージしやすいよう具体的な数字データを調べたり、取材現場で見たからこそ感じる生の情報を集める、現場で自身で感じるなどだ。
ここで思うのが、読者に届くことを想定しながら、読者に寄り添うことでこの素材集めというものがよりきめ細かなものになるのだと感じた。
そしてまたいいインタビュー原稿とは、ここでも読者を意識した、
「誰が読んでもわかりやすく、伝えたいことが伝わる文章のこと」
ついつい美しい文章を書きたくなるし、ことば選びにも精を出したくなるのだが、それは二の次なのだ。

理想の原稿を見つけること

先ほどあった、この「誰が読んでもわかりやすい」「伝わる」原稿にするには、どうしたらいいのだろうか。
それを知る助けになるのは「理想の原稿を見つけること」だと江角さんは言う。
理想の原稿というのは、自分が読んでいていいなと思う文章だったり、憧れの人の文章だったり、自分が好きな雑誌の文章だったり、なんでもいい。
例えば、雑誌やWEBで原稿を書く場合、その雑誌やWEBの過去記事を理想の原稿とすればいい。
まずはそういった文章に出会うことからはじまる。

いいなと思う文章には秘密があるはずだ。
今まで人の文章を読んでいて、なんでこんなにおもしろくて読むのが止まらいのだろうとか、こんなすてきな文章を書けてすごいなー、などと考えることはあったが、その明確な答えは出せないままだった。
それを知るには「原稿を分解する」ということが鍵だ。
そこにはたくさんの理想の原稿を書くためのヒントがある。

文章はどんな流れで書かれているのか?どんな情報が盛り込まれているか?
どんな構成か?よく使われているワードは?
文体はどんなイメージか?最後の締めのことばはどんな感じか?

こんなふうに文章が形作られている要素を分解し、真似をして書くことで、理想の原稿に近づくことができるのだ。
これを実際に講座では、江角さんが書かれた「一休コンシェルジュ」の記事を読み進めながら、この媒体の特長を理解し、分解するとはどういうことか自ら感じながら学ぶことができた。
こうしてみるといかにやっていることが、ロジカルで戦略的なことにびっくりする。自分が書き手になったつもりで原稿に目を通してみると、新たな発見がたくさんあった。

読者に届けたい「想い」は何か

これだけの下準備があってこそ、ようやく文章を書き始めることができる。
下準備や分解は、文章を書くための根幹なのだと感じた。
ここで思うのが、読者に何を届けたいのか、その想いを、ゴールを、しっかりと持つことが大切なのだということ。

例えばお店紹介であれば、そこで何ができるのか、
そして結果、「読者に何を提供できるのか」
何というのは、そのお店に行ってみたい!や、その商品がほしい!という動機付けだったり、そこに行くことで感じられる物語を仕込んでおく必要がある。
人物インタビューであれば、現在何をしている人なのか、過去何をしてきたのか、自分なりにリサーチすることも大事だ。
そして最終的に読者が読んだ後に、何か新しい発見があったり、気づきを感じてもらえるものであるはずだ。
この文章を通して何を感じてもらいたいのか。
「想い」をゴールにして、書く。
そこには取材相手の想いや、編集者の想い、そして自身の想いも重なり合いながら生まれてくるものなだろうと思う。

想いがきちんと整うと、読者に伝えたいことが伝わるよう、さらに磨きをかける。今まで下準備で手にしたたくさんの情報の中から、書くこと書かないことの取捨選択や、読みやすいように、また思わず読んでしまうように文章の構成や流れを考える。
その他、第三者として黒子に徹して書く、読者に意図を読み取ってもらおうと読者に答えをゆだねるのではなく、答えをズバリ書く、読者がイメージしやすいように具体的な素材を入れる。
最後まで読者目線に立って、想いを見失わず書くことが大切だ。

最後に…

インタビューというのは、もしかしたらまだ見えていない小さな光を見つけ、時には見えているけど違う方向から光を照らすことなのかもしれない。

読者の心を動かすものであるだろうし、また取材相手の心も動かすものであってほしいと思う。それができるのがライターという仕事なのではないかと思った。だからこそ想像力を働かせ、読者に取材相手に寄り添うという姿勢を忘れたくないと思う。

またことばを書くということは、文章の先輩の視点を借りて学び、自分の文章を作っていくための種をまき、実となるよう育てていくことなのだと感じた。すてきな先輩方からの知恵をお借りし、惜しまず学ぶ。
そうして最後には自分らしい花を咲かせることができたらいいな思う。
ことばや文章は繋がっていく、そう感じた。

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