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ゴミできらめく世界と『美しき思い出』

 小学3年生くらいの時にシャーマンキングの麻倉葉に憧れて、親にねだってCDプレイヤーを買ってもらいました。葉くん。カッコいいですよね。ヘッドホンつけて気だるげでやる気出すと強いって幼少期に見たら憧れちゃいますって。まあヘッドホンはバカになるからと買ってもらえなかったけど。ウキウキでコジマから帰宅し、さっそく親の持っていたCDを漁る。結構な量があったのだけど。そこでたまたま引き当てたのがスピッツのアルバム。単純に太極図の陰陽マークがかっこよかったからという理由で選んだのを覚えています。道蓮っぽさもあるしね。

 で、CDをかけて二曲目の『空も飛べるはず』を聴いて、すげえ……ってなったわけです。まさに小並感(死語)。いやまあ名曲ですよね。誰だって知っています。でもこの曲どころかスピッツすら知らなかったキッズが感動を覚えるくらいだからやっぱりすごいんですよ。ぶっちゃけこの曲、個人的にはそんなに好みではない。同じアルバムでいうと『スパイダー』とか『冷たい頬』の方が好きだった。それでも『空も飛べるはず』の歌詞にある、たった一文に僕は魅かれたんですよ。二番のサビ。「ゴミできらめく世界が僕たちを拒んでも」って歌詞。めちゃくちゃいいですよね。小学生ながらゴミをきらめくって表現するのは天才すぎるだろと思っていました。

 amazarashiというバンドの『美しき思い出』という曲。最低な過去と美しい思い出が交錯して走馬燈みたいに次々と流れ去るような歌詞がすごくいいんですよ。

飲みすぎて ゲロ吐いた 中野の駅前 月明かりを反射して 
キラキラしてた あの娘のピアス イライラする 美しき思い出

https://apologies.jp/lyrics/detail/34/

 ここの歌詞なんか最高にテクいですよね。『キラキラ』がゲロにもピアスにも形容されていて言葉の使い方が美しい。ゲロを吐いた記憶ですら綺麗なものであったかのように感じさせます。歌詞の最後にある通り、辛くても戦っていたからこそ大嫌いで美しき思い出なんでしょうね。


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