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伊勢神宮にお祀りされている神様はなんの神様ですか?(外宮編)

伊勢神宮と聞いて最初に思い浮かべるのは、もしかしたら内宮の方かもしれません。伊勢神宮は内宮とともに大切にされている外宮があります。外宮は私たちの生活に深く関係のある神様がお祀りされています。あなたが伊勢にいらっしゃったときに、内宮だけではなく「外宮にもぜひ行きたい!」と思っていただけるよう、この記事では伊勢神宮・外宮でお祀りされている神様と内宮との違いについてわかりやすくご紹介します。


伊勢神宮・外宮とは?内宮と何が違うの?

伊勢神宮の内宮と外宮の違いはいろいろあります。一番大きな違いはお祀りされている神様です。

そもそもなぜ「外宮」というのか、「外宮」は「内宮」に対してどのような意味をもつお宮なのか。その点について、詳しく見ていきましょう。

「内」宮と「外」宮?

そもそもなぜ「内」と「外」と対比する語がお宮の名前として使われているのが疑問に思う人もいらっしゃるかもしれません。

内宮の「内」は天皇に直結する言葉なのだそうです。たとえば、昔は皇居のことを内裏と言いました。そして、天皇家の祖先神とされる天照大御神がお祀りをされているお宮であるため、「内宮」と称したという説があります。

一方外宮の「外」とは、遥か遠い場所という意味があるそうです。つまり、内宮に対して遠くから拝む場所のことを「外宮」と称したという説があるそうです。考えてみると、私たちが何気なく「外国」と呼んでいるのも、この意味に通じるところがありますね。

名称から見ると、内宮と外宮にはこのような違いがあります。

伊勢神宮・外宮の歴史

外宮の歴史も古く、今から約1,500年ほど前にさかのぼると言われています。今から約2,000年ほど前に内宮が現在の場所にできたと言われていますから、それから約500年後に外宮ができたということになります。

外宮が創建されたきっかけは、天照大御神が当時天皇であった、雄略天皇の夢に現れたことだとされています。天照大御神はその夢の中で、「一人でいるのは大変寂しく、安らかに食事もできないから、丹波の国の豊受大御神を私のために食事を奉る神として近くに呼び寄せてほしい」と告げたそうです。

そして、豊受大御神が現在の外宮の地にご鎮座になったとされています。ちなみに、もともと豊受大御神がご鎮座されていたのは、天橋立の近くにある籠神社とされています。

籠神社は「元伊勢」と呼ばれています。それは、天照大御神が伊勢にいらっしゃる前に各地を転々としたとき、各地で一時的にお祀りをされていた場所を「元伊勢」と呼ぶのです。

天照大御神と豊受大御神は、この場所においてあるとき一緒にお祀りされていたと伝わっています。現在もその奥宮・眞名井神社に天照大御神と豊受大御神がお祀りされています。

豊受大御神が伊勢にいらっしゃって約1,500年間、毎日外宮では天照大御神へのお食事(御饌)が奉られ続けています。

伊勢神宮・外宮でお祀りされている神様

それでは、外宮でお祀りされている神様についてご紹介していきましょう。内宮編と同じく、ここでは正宮と別宮でお祀りされている神様についてご紹介します。

外宮の宮域内にも、摂社や末社といった小さなお社がいくつもあります。そちらのご紹介については、また別の機会にしたいと思います。

正宮:豊受大御神

先ほどから何度も名前が登場している、豊受大御神が正宮にお祀りをされています。豊受大御神は天照大御神のお食事を奉る神、御饌都神(みけつかみ)です。

また、現在では食の神様だけではなく、広く衣食住・産業の神様として、私たちの生活に深い関わりを持つ神様と認識されています。

豊受大御神が天照大御神のお食事の神様である表れは、伊勢神宮の数々の祭典から伺うことができます。

伊勢神宮で行われる祭典は、内宮と外宮、両方で行われるものが多くあります。そのような場合、基本的には外宮で先に祭典を行い、その後内宮で祭典を行うという流れになっています。

これは、豊受大御神が先にお食事をお召し上がりになってから、天照大御神にお食事を奉るようにと、天照大御神ご自身がご希望になったことだと伝わっているそうです。

また、一年の祭典の中でも特に特別なお祭りにおいては、特別な食材として鮑が奉られます。この鮑を天照大御神に奉る際、最後の仕上げを豊受大御神に代わって禰宜が行う習わしがあります。

このように、豊受大御神はお食事に非常に深い関わりを持つ神様です。ご参拝の折には、食に対してあらためて感謝をしたいものですね。

別宮・多賀宮:豊受大御神荒御魂

続いて別宮の話をしましょう。外宮の中には3つの別宮があります。その一つは多賀宮で、ここには豊受大御神の荒御魂がお祀りされています。

内宮でお話をしたように、日本の神様には様々な性質があると考えられ、そのうちの一つが荒御魂という、活動的な側面であるとされています。

多賀宮には豊受大御神の活動的な側面がお祀りをされていますので、何か達成したい目標や決意したことがあれば、ここでお祈りをするとよいでしょう。

別宮・風宮:級長津彦命、級長津邊命

内宮に続いて、外宮でも同じ風の神様がお祀りされている風宮があります。こちらも、元寇の際の神風を吹かせた神様であり、天候の神様であるとされています。

天候に関するお願いや、自分を後押しするような追い風を吹かせていただきたいときはぜひお参りしたいお宮です。

別宮・土宮:大土乃御祖神

内宮になく、外宮にあるのが土宮です。ここには大土乃御祖神がお祀りされています。

この神様のご神徳は、伊勢市内を流れる宮川の堤防を守ったことです。宮川の堤防は昔何度も壊れ、大きな被害をもたらしました。その堤防を守った神様として、格の高いお宮でお祀りをされています。

そのようなご神徳を持つ神様ですので、家内安全や防災についてお願いしてもよいかもしれませんね。

「食」の大切さ

いかがでしたでしょうか?外宮について、少しでも知っていただき、興味を持っていただけたら嬉しいです。

実は、外宮は内宮に比べて参拝者が少ないのが実情です。江戸時代の頃は、内宮よりもむしろ外宮の方が参拝者が多かったと言われています。

街道の関係もあったのかもしれませんが、それよりも昔の人は現代の人よりも「食」について非常に大切に思ってきたからではないでしょうか?

現代の私たちは、スーパーで手軽に食べ物を手にすることができます。コンビニでは食べられなかった賞味期限切れのたくさんの食べ物が廃棄されています。私たちにとって食はあまりにも手軽になってしまいました。

しかし昔の人たちにとって「食」は、自分で得る生きるための糧でした。であればこそ、「食の神様」がいかに大切であったか、容易に想像できると思います。

飽食の時代でありながら、食糧不足が叫ばれる今日。外宮を参拝することで、あらためて「食」の大切さを見直してみてはいかがでしょうか?

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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