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SHOGENさんの本から考察×「国譲り」神話は事実だったのかも


YouTubeで話題のショーゲンさん×ひすいこたろうさんの著書『今日、誰のために生きる』を読了して、頭の中でこれまで違和感のあった日本神話「国譲り」にピタッとはまったので、そのことについて書いてみたいと思う。

この本の情報では、縄文時代の人たちは1万5000年もの間、争いがなかったという。これまで縄文時代の遺跡を発掘しても、「戦って死んだ人」「武器」などの形跡が出てこないんだそう。

つまり争いが、この長い年月の間なかったということ。

そこでふと浮かんだのが、出雲国の国譲りの話。
もしかしたら、あれは現実だったのかもしれない。

今回はそんな話を書いていく。

日本神話の国譲りとは

そもそも国譲りの話とは、

古来日本の土着民族で、当時の西日本を広く治めていた出雲国の王、大国主が、

大陸から渡って来た農耕民族、アマテラスの一族にあっさりと王権を渡したって話。

(古事記、日本書紀に書かれている神話。神さまと言っていますが、単なる神話ではなく、実際のご先祖さまのお話しなのです。今も昔も、日本人は偉い人を「カミ」と呼ぶでしょ?「おかみ」「かみさん」「あさのたくみのかみ」とか)

実際には、そんなにあっさりと王権を渡してしまうなんて、
「そんなことないやろー」
「反発するなりして戦ってるやろー」
と思ってたし、そういう説を語る人、本もあるくらい。(アマテラス一族が、無理やり国を奪ったから、大国主命やスサノオが祟らないように出雲大社は作られた、みたいな説)だけど、このショーゲンさんの本を読んで思ったのが、もしかしたら本当に戦わずに明け渡したのかもしれない、ということ。

でもきっと、大国主がおとなしく従ったのには考えがあったのだろう。

イロコイ族=縄文人ではないか

話はちょっと変わるけど、昨年読んだ『1万年の旅路』に出てくる、アフリカからアメリカ大陸へと長い旅路を口伝で語り継いできたネイティブアメリカンのイロコイ族という部族がいる。

この部族は北朝鮮のあたりで震災と火山噴火と津波に遭い、この場所では暮らせないと北と南へ分かれた。北へ向かった一族は、ベーリング海峡を渡り、その後ロッキー山脈を南下、現在のアメリカ合衆国南部やメキシコあたりに住み、ネイティブインディアンとして暮らしていた。この北へ向かった一族の口伝が『1万年の旅路』となっている。

さて、南へ移動した一族はどうしたのか、この本には書かれていない。そりゃあ大陸を渡ってしまったのだから、その後は知る由もないだろう。ただ、当時は大陸と日本と繋がっていたため、この末裔の一部が日本にも渡ってるのではないか?とわたしは思っている。

ここで何がわかるのかというと、この部族の口伝から、部族の考え方や慣習が見えるのだ。つまり、縄文人がもし南下してきた部族の末裔なら、長くその考え方も伝わってきただろう。

この部族は「戦う」とか「怒り」「上下関係」「相手を制圧する」という概念がなく、「話し合い」「横のつながり」「平等」(ボスもほぼいないようだ)「俯瞰して見る」「将来を見据える」人たち。

時代に人間の人口が増えてきて、本の最後では戦う部族と仕方なく戦いが起こるようになってしまうのだけど。

似たようなことが日本でも起こっていた。
(改めて、日本で行っていたことと、イロコイ族の風習が重なる部分が多いのだ)

また、このイロコイ族は、一時マヤ族の人たちにどう見ても奴隷的扱いを受けているのだけど、それも戦略的にわざと受け入れていたりする。(自分達にない技術を持つ部族がいると、時間をかけてその技を盗みに行くのだ。マヤ族の時も最後には一族で、もう十分情報収集はできたと逃げ出すあたりは気持ちの良いくだりだった。)

さて、あっさり国を受け渡してしまったという大国主は、なぜそうしたのだろう?

神話や神社に残る御由緒などをみても、各地の人が頼りにし、カリスマ性があり、頭のいい人。あの偉大な王スサノオが、最愛の娘の婿として認めたくらいだ。(かなりとんでもない難題出しているけどそれをクリアしたってわけです)また、各地の神社で祀られているのだから、よほどの功績を残したと言っていい。女性にもモテモテ。私の妄想ではあるけど、男女ともに、人に好かれる人たらしなのだろう。だから、私は恋愛だけではなく「地域の人と人を繋ぐ縁結びの神さま」なのだと思っている。

また、参謀としてスクナヒコナ(お医者さんの神さま)もついていたし、もしあっさりと国を明け渡したのなら、何か戦略があったんだろうなと思う。


そこで、1万年の旅路のイロコイ族が思い浮かぶ。

イロコイ族は、新しい物や新しい技術が大好き!一族の将来に関わる知識が大好き!

そのためなら、奴隷になろうが、馬鹿にされようが、なんだってやるのがイロコイ族。相手がいい気分になるように仕向けて、秘密の情報を聞き出したり、女性を送り込んでスパイさせたり笑

もしかしたら、大国主も同じことやっていたんじゃないだろうか。
「国の権利をあげよう。(その代わり、農業の情報は貰うけど)」

農耕の技術を自分たちの一族に必要だと思ったのだ。
もしくは農機具や建築の技術もそうかもしれない。

そうそう、国譲りの際、「天照一族の王が住むレベルの建物」を作ってくれと条件を出している。それもとんでもない高さの、96Mもある建物を作れと催促しているのだ。要求しているのはこれだけと言えばこれだけ。

つまり、その建築技術も手に入れようとしていたと考えると、なぜここで建物だけ作ってくれ、と要求したのかも合点がいく。


だから、戦わずに相手を受け入れて、大陸の技術をこっそり取り入れたい、くらいに思っていたかもしれない。

ああ、あの「国譲り」って本当だったのかもしれない。というのは、わたしの中で大きな気づきだった。

さらに、イロコイ族との共通点が多く発見できたのも嬉しかった

イロコイ族との共通点

イロコイ族と縄文人や神話に見る共通点である
神話から……
・なんでも部族の中で相談する
一族はまず何をやるにしても相談する。国譲り神話でも、まず息子たちに相談して最後に判断している。トップが全てを決めるシステムではなかった。
・新しい情報や、システムを取り入れる貪欲さ
・「古事記」は口伝を集められたもの。イロコイ族は膨大な歴史の口伝を、才能ある人に特殊訓練をして記憶して伝えられてきた。(著者もその訓練を受けたのだという)古事記の冒頭に登場する「稗田阿礼」も記憶力が凄まじいことが書かれているが、もしかしたら同じような記憶術の訓練を受けた人だったのかもしれない。

考古学から……
・定住までは流浪していた
・植物の栽培をしていた(イロコイ族は豆、かぼちゃ、とうもろこしを栽培する点が、他の部族と違っていた)
・食料は巨大な動物よりも、シカ、猪程度の大きさの動物を猟で獲る、魚や木の実多め


◇◇◇


イロコイ族も、縄文人も、「戦わない」「まず話し合う」「なんでも受け入れる」っていう度量の広い考え方がベースにある。

他の方も言っているが、神社の信仰とは、相手を神様まで受け入れ、融合していくスタイルの、世界に誇れる平和的解決方法を示す、稀有な宗教だとつくづく思う。

一神教の人たちにはなかなか受け入れ難い考え方だろうけど。

ショーゲンさんの本で語られているように、
縄文時代の思考が受け入れられ、世界の人たちが、お互いを尊重して、平和に話し合える世の中になればと思ってやまない。


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