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雇用にLGBTQフレンドリーを盛り込む意味

LGBTQ当事者として気になっているLGBTQフレンドリーな就職活動。

私は活動をしていく上でカミングアウトはしていなかったため、特に使用?することはなかったのですが、LGBTQフレンドリーな企業を集めた就職サイトでしたり、一般の就職サイトでもLGBTQへの取り組みが紹介されていたりします。

そもそも仕事をする上でこれらの取り組みは関係ないという意見もありますし、私も就活をしていく中でセクシャリティを意識をしたことがありませんでした。

本来仕事をしている上ではそうあるべきだと思いますが、バックオフィスのお仕事をしていると自分の性について意識してしまうことが結構あります。

一応LGBTQフレンドリーと銘打っている会社で働いている身なので、LGBTQ当事者がフレンドリーな会社で働くことを選ぶ意味を考えてみます。

福利厚生

総務関係でよくあるのが、結婚祝い金の申請
人事関係でよくあるのが、出産、育児休暇の申請
これって他の会社だと私でも申請できるのかなと思います。

日本企業でも断られにくいとは思いますし、そもそも外資系企業は福利厚生が少ないですが、休暇は数少ない福利厚生の一つです。
福利厚生を同性カップル、異性カップル(?)関係なく使えるように決まっていることは当事者の社員としてはまず大事なラインです。

最近増加している自治体の同性パートナーシップもそうですが、法で動いている国はきちんと明文化しないと、機能しないですね。(構造的差別)

カミングアウトをしなくても働きやすい職場環境

仕事をしているうえでカミングアウトは必要ないと私は思っています。私は特にLGBTQであることを相手に言われることに抵抗はないのですが、アウティングの問題もあります。

私が好きなドラマの「The Office」では主人公であるボスが、勝手に部下がゲイであることをバラすというエピソードがありますが、それがキツイ人はかなりキツイです。ハラスメントや、最悪のケースだと自殺につながることもあります。
現実問題バラす人も特に悪気がないのでしてしまうのですが、それがダメということは本人から言いにくいです。

後よくあるのが同僚を指さして「あいつゲイっぽい」と笑っていること。これは私もドキッとします。そしてカミングアウトしていない相手にとってはダメだよと言えない。やっぱりそういう人のところでは働きにくいと感じます。

LGBTQフレンドリーな会社はかなり研修を行っているので、これらのことをしてはいけないと明示しています。なのでそういうシチュエーションが少ないです。

研修が多いことによって従業員が負担を感じることも良くないですが、少なくとも私はきちんと働けており、重要なことではないかと思います。

ハラスメント窓口(コンプライアンス)

グローバル展開している会社だとハラスメントを受けた際に相談する機関が社内だけではなく、社外にもあることが多いです。
メンタルヘルス等様々な相談ができる窓口としてEAP(Employee Assistance Program)とも呼ばれています。

LGBTQフレンドリー以外にも関係ある分野ですが、何かあった時に社外に相談窓口があることで、LGBTQに関連したハラスメントの相談がしやすくなっています。

といってもあまり使うことはなく、(国際電話になる)むしろ管理部門の私たちが全社員に向けて使ってくださいと言っています。

外資系企業独特?パートナーを連れてくる機会

今はこのご時世でなかなかないですが、外資系企業によっては会社の記念パーティーなどにパートナーを連れてくる機会があります(よく海外ドラマで見るアレです)。

今はあからさまに言われることはないし、差別発言でもしたら最悪解雇ですが、一昔前は同性パートナーを連れることが難しい会社もあったそうです。

そういう背景もあったからこそ、アメリカ系の会社は特にLGBTQのサポートをしているのかなとも思います。

(企業側の目線)ESG投資対策

最後は自分が働いていることとは直接関係がないのですが、企業には重大なことかなと思います。サステナビリティや企業のDEIへの取り組みが注目されている中で、LGBTQフレンドリーにすることで、企業イメージを向上したり投資を集める目的もあります。

これは商品など外見だけLGBTQフレンドリーにして、実際は制度的に差別する、別の人権侵害をしているといった「レインボーウォッシング」(グリーンウォッシングの亜種?)の批判もありますが、今の企業はかなりコンプライアンスに厳しいので、そういう例を経験したことはありません。

(自分の感想)職場を選ぶことでの社会貢献

これは私が就活を終えた時に振り返った考えたことですが、当事者としてはやっぱりLGBTQフレンドリーを明示していない会社よりも、積極的に支援している会社の方が働きたいとより思えます。

どうしてもLGBTQとして今の日本だけではなく、私が住んでいた世界は住みにくいことが多かったです。
その中でより支援をしている会社で働いてビジネスを成長させれば、社会に与えるインパクトは少なからず大きくなるかと思います。そんな意識で働いています。(意識高いですね)

後、外資系企業は良くも悪くもトップダウンの雰囲気があるので、形だけでもトップがLGBTQフレンドリーな姿勢を示すと働きやすくなります。

入口よりもむしろ働いてからの方が重要になってくるLGBTQフレンドリー

LGBTQフレンドリーな就活ということでイメージされたのが「障がい者枠」と同様の「LGBTQ枠」ですが、それがある企業を私は見たことがありません。(法律で決まっていないので逆差別にあたる?)

当たり前ですがLGBTQフレンドリーな就活をするのは、その方が入りやすいからではなく、働き始めてからマイノリティということで苦労をしたくないということです。
LGBTQの人が就活をするときはカミングアウトはしなくてもいいというかする決まりではないですが、取り組みがある会社は見ていて損はないと思います。

神楽坂養豚場


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