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眠るまえのがらくた短歌 2

※この記事は投げ銭制です。全文読めます。

twitterで眠る前に書いている、がらくた短歌がまた少したまりましたので、以下に綴ってみます。

最近はからだもこころも疲れ気味で、あまりさえないものが多かった気がします。寒さと雪が気持ちをうちに閉じ込めてしまうのかもしれません。でも、それもまた自分と、折り合いをつけていくしかないのでしょう。


今朝、玄関に出ると、お隣の斎藤さんの次女さんが、ちょうど学校に出かけるところでした。ピンクのダウンを着て、淡い紫のランドセルを背負って。おはようございます、と挨拶すると、おはようございます、といつもちょっと照れくさそうに挨拶を返してくれます。確か今小学三年か四年だったでしょうか。小さな頃はお母さんのかげにかくれているような感じでしたが、今はもうすでにおとなっぽく、しっかりものの雰囲気になっています。

やっぱり子どもが心身共に成長するのははやいなあ、なんてしみじみしていたら、玄関から足早にお母さんが次女さんを追いかけていきました。かなりあわてた様子。みたら手になにか包みを抱えてました。次女さんの忘れ物のようでした。お母さんは「朝のいそがしい時に」と、ちょっと頬を膨らませた感じ。追いつかれたら次女さんは「忘れちゃだめでしょ」なんて叱られたかもしれません。まあ、まだそんな時もあります。というより、ひとなんて、そんな時ばかりです。いくつになっても。


苦しみと 共に溢れし 我が血肉
生まれ変われよ 微かな波へと

寒風に 吹きさらされた 心根が
今宵の眠りの 冷たき壁となる

灰色の 雪を踏みしむ 子供らの
足跡 母の生きるちからへ

雷鳴の 如く響きし 自死のしらせ
永遠の天上で 永遠に笑顔を

疲れ果て 冷えた布団で みた夢は
甘い春風 淡き初恋

おなじよな 飯を食いつつ 腹満たす
かわりなき日々 無理に愛する

やまぬ雪 夜の暗さを さまたげて
明日の朝の 重荷となりゆく

乗り主と おなじくやつれた 我が駄馬と
氷の道を 共にはいずる

一心に スマホで遊ぶ 若き女(ひと)
酸素ボンベを 離せぬままで

澄み渡る 景色そのひとの すぐそばに
新しき風 軽やかに吹き抜けよ

役所にて 淡い桃色 啓翁桜
遠き春の かすかな足音



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