「多読の戒め」
「多読の戒め」
現代では新刊が絶えず出版され、速読法等、読書量を増やす方法が推奨されがちですが、ショーペンハウアーのこの言葉は、読書の仕方を再考するための貴重な助言となります。
ショーペンハウアーは、こうも言います。
◆「他人の思想の運動場」
以前、私も「積ん読」本が積み重なった時、次から次へと、読んだ本を消化しきらないまま、読書に明け暮れた時期がありました。
その時、まさに、自分の考えがどこへ行ったのかわからなくなった経験があります。それはまるで、頭の中が「他人の思想の運動場」となったようでした。
「読んだ本の冊数」が大切なのではなく、読んだことから得た「知恵」をどう自分のものにしていくかです。
◆「消化」して「昇華」する
読書は食事に例えられます。いくら栄養価が高い食事をしても、「消化吸収」できなければ意味がありません。
同じように、読書もただ読むだけではなく、それを「消化」し、自己の成長に「昇華」させることが大切です。
また、ショーペンハウアーは、読み終えたものを、いっさい忘れまいと思うことは、食べたものをいっさい、体内にとどめたいと願うようなものだと言います。
体も精神も、自分に必要なものだけを取り入れます。読書においても、すべてを覚えておく必要はなく、忘れても良いのです。
多くの本を読む必要はない
本を読んでも忘れてもいい
これらの考えは、精神的にも楽にしてくれますね。
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