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【文房具】あなたの知らない製図ペンの世界

三角スケール、芯ホルダーと
一般的にはあまり使われないであろう文房具の話を
してきましたが、
今日はその第3弾。製図ペンのお話しです。

建築設計の世界では
もうCADを使うことが主流になっているので
今実務で使っている人はほとんどいないかもしれません。

自分は学生の時にこのペンを使って図面を仕上げていました。

ロットリング イソグラフ

製図ペンって言うのは
ペン先こそ違えど万年筆みたいなものです。
自分はインクを充填するタイプのペンを使っていましたが、
カートリッジタイプのペンもあります。
ペン先はシャープペンに似た感じの細長い棒状に
なっています。
太さも細いものだと0.1mm、太いものだと1.0mmとか
いくつかのサイズが用意されています。

この製図ペンの最大との特徴が、
真っ黒い線がかすれることなくキレイに均一にひけること。
1.0mmとか太い線はもちろんですが、
0.1mmとか0.2mmといった細い線もキレイにひけます。

壁は太い線、フローリングとか仕上げ材の線は細い線
といった感じで、線の太さを使い分けて
若干の遠近感を出しながら図面を仕上げていきます。

このペンを使っててよく失敗するのが、
定規を使って線を引くときに、
インクが定規の下に入り込んでしまって、
定規をどかしたときにこすって図面を汚してしまうこと。

これをやってしまうと一気にテンションが下がります。
まだ図面を描き始めたばかりで
後戻りができる余裕のあるときは最初からやり直しますが、
図面が書き終わる直前でやってしまったらもう大変。
本来はやり直しなんでしょうけど、
もう後戻りする気力もないので、このまま提出してました。

こういう失敗がなく、バチッと描き上げることができると
見栄えがする図面になるんですよ。

あとこのペン、細いペンほどインク詰まりしやすいという
特徴があります。
使い終わったらちゃんとお手入れしないと
いざ使おうと思ってもインクが出ません。

0.1mmとか0.2mmといった細いペンで
お手入れを怠ると大変。
専用の洗浄液があったりするんですが、
一度詰まってしまうとダメなんですよね。

多分これやっちゃダメなんだと思いますが、
最終的にはペン先をお湯につけてしばらく置いて、
熱でインクを溶かすみたいなことをしてました。
これでダメならもう買い換えです。

以上、製図ペンのお話しでした。

建設業界では多くの人が
図面のことを「画(え)」と呼んでるんですけど、
手書きの図面って上手な人が仕上げた図面は
「画」じゃなくて「絵画」だと個人的には思ってます。

以前とある有名な建築家の展覧会で
手書きの図面を見たときに、
ホント衝撃を受けてしまって、
なるべく図面に近寄って線の一本一本まで見たり、
色の付け方とか細かく見たり、
見入ってしまったんです。

展覧会で買ったガイドブックにも
同じ図面が載ってたんですが、
そこからは本物を見たときに感じが
衝撃みたいなものは感じられなかったんですよね。
手書きの図面はプリントアウトした図面とは違うんです。

今プレゼンなんかみんながPCで作る時代だから、
手書きでキレイに作れたら目立つかも!

自分は絵心がないのでダメですが・・・。

おわり。

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