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陰になり錆びついた 朽ちる思想に価値を

見えない価値に光を当てる—「陰錆kagesabi」の思想

世の中に生きる私たち人間は、日々さまざまな思考を巡らせ、その思考に基づいて行動しています。しかし、その多くは日の目を見ないまま、心の中に沈んでいきます。答えや結果を求められる現代社会では、思考や思想が具体的な成果や答えとして表現されることで初めて評価されることが多いものです。それ以外の思考や思想は、往々にして「陰」に隠れ、やがてその価値を見失い、「錆」ついてしまいます。

しかし、そんな陰に隠れ、錆びついてしまった思想や思考こそが、私たちの本質に深く関わっているのではないでしょうか。答えとして表に出ることのない思考は、決して無価値ではありません。むしろ、その陰に潜む思考こそが、私たちの本当の姿を映し出しているのです。

私は、そうした「陰」や「錆」にこそ価値があると信じています。私のセルフブランド「陰錆kagesabi」は、その信念に基づいて存在しています。表面に現れるものだけがすべてではなく、見えない部分にこそ本質がある。そうした「陰」と「錆」に価値を与え続けること、それが私の想いです。

このブランドの名前には、日本文化に根付く美意識が込められています。日本には古くから、時間を経ることで生まれる「侘び寂び」の美学が存在します。使い込まれ、錆びついた道具や、朽ちていく木々に、私たちは一種の美を見出します。それは、無駄のない機能美や完璧な形を追求する西洋の美意識とは異なり、不完全でありながらも、時間が積み重なった結果としての美しさを尊重するものです。

「陰錆kagesabi」という言葉もまた、その美学を取り入れています。表には出ない陰にある価値、そして一見使い物にならなくなったように見える錆びついたものに宿る美しさ。それらを再び見つめ直し、新たな価値を見出すこと。それが「陰錆kagesabi」の使命であり、私のブランドが存在する理由です。

私たちはしばしば、目に見える結果や成果ばかりを追い求め、内面に秘めた思想や思考を無視してしまいます。しかし、そうした内面的なものが私たちの本質を形作っていることを忘れてはなりません。内なる「陰」と「錆」を大切にすることは、自分自身を理解し、そして深めることでもあります。

「陰錆kagesabi」は、ただのブランドではありません。これは、私が自分自身を表現する手段であり、私が信じる価値観を体現するものです。人々が見過ごしがちな「陰」や「錆」に光を当て、その中にある美しさを再発見すること。これは、単に美しさを見出す行為に留まらず、私たちが持つ無限の可能性を引き出す鍵でもあります。

「陰錆kagesabi」を通じて、私は見えないものに価値を与え続けたいと考えています。それは、自分自身を見つめ直し、心の奥底に眠る本当の思考や思想を大切にすること。そして、その「陰」と「錆」に美しさと価値を見出すことで、私たちがより豊かな人生を送ることができるのではないかと信じているからです。

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