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歴史小説を書く時の、私の手順 −⑭

 歴史小説を書く場合の、私の手順。
1. 主人公が生まれてから亡くなるまでを、時系列で、何が起こって、誰と会って、どうなったのかを、できるだけ克明に、文章として起こして行く。
① 主人公の一生の年表の作成
② 登場人物の一覧表の作成
2. 会話が必要なシーンを選定して、最低限必要な会話を、創り上げていく(創造の産物)。
3. 「小説のテーマ」を強調するために、時系列の移動が必要ならば、移動する。
4. 「小説のテーマ」を熟考して、テーマに沿うようにするために、どんなシーンを書き足せばいいのかを、選定する。
5. 「小説のテーマ」を強調するために必要なシーンを、想像して、書き足して行く。

 上記の「1.」から「5.」で、なんとか最低限の歴史小説を開き上げることができる。問題は、「小説のテーマ」の設定である。
 主人公は、長谷川等伯と決まっている。彼の一生も、ある程度、わかっている。細かい部分は不明だが。あとは、「メイン・テーマ」をどうするのかである。「狩野派との争い」をメインテーマにするのか、それとも、「長谷川派立ち上げの要となるはずだった長男・久蔵の不可解な死」に重きを置くのか。さらには、安部龍太郎のように「松林図屏風」の完成秘話のような作りにするのか。それとも、新たな「メイン・テーマ」を考えるのか。
 とりあえず、そんなことを、あれやこれやと考えながら、主人公の一生を文章としてまとめ上げて行く。彼の人生の軌跡を辿りながら、主人公の一生を頭に叩き込んで行く。その作業をしながら、「メインテーマ」を何にして、主人公のどの時期に力を注ぐのかを、探って行く。

創作活動が円滑になるように、取材費をサポートしていただければ、幸いです。