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ギターを弾かないギター教室    最後の音の理由

「次は、曲を作って来てください。使う基本コードはCFG。重要なことは、4小節の最後の音は、どうして、その音なのか。その点を明確にしておいてください」
 と、宿題が出た。あの日から2週間がたった。まだ、1小節も出来ていない。いつもなら、すらすらと進む作業なのに。曲の雰囲気はスガシカオの「黄金の月」と、自ら提案した。しかし、今更のように、その難しさを思い知らされている。
 先生は目の前で、一度、曲を聴いただけで、
「基本のコードはCFGですね」
 と、簡単に曲の雰囲気を弾いてみせた。しかも、鼻歌でメロディまで付けた。
「R&Bの感じ。ブラック系の。リズムに乗せれば、すぐ出来ますよ」
 と、分析してくれたが、分析通りにメロディが浮かんで来ない。仕方が無いので、過去に作った似たような曲を持ち出したが、意味がないと感じた。
「4小節ごとの、最後の音の意味」
 を忘れてしまっている。
 今日も一日、コード進行の音だけが頭の中で繰り返されるのかと思うと、幸せな気持ちになった。

創作活動が円滑になるように、取材費をサポートしていただければ、幸いです。