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意欲を呼び覚ます、ROCK'N ROOL BAND!

 友人に、面白い人を紹介してもらった。58歳でバンド活動をしているキャロル好きの男性。活動は一時休止しているとかで、

「久しぶりにギターを持ったら、指は動かなくなっていた」

 と嘆いていた。
 早速、コラボを提案した。私は、動画制作、宣伝、インターネットと、オリジナル曲を担当。貸しスタジオで練習して、まず、一曲ごとに演奏風景の動画を作って、Youtubeにアップして、活動再開をアピール。5〜6曲くらい溜まったところで、ライブ配信。手応えを感じられたら、ライブハウスでライブに、参加。私もステージに上げてもらえるなら、近年はやりのPC担当のマニピュレーターで。
 やはり、バンドのアイデンティティ曲は「時代遅れのROCK'N ROOL BAND」。これを基盤に、キャロルのコピーをしながら、オリジナル曲を加えて行って、デジタル配信へ。

 平均年齢60歳くらいになりそう。その中でも、私が最高齢。もうそんな歳になったのかと改めて、再確認。気持ちは20歳台なのだが、実年齢と見た目は隠せない。体の動く時間は残り10年か。今を20歳と見れば、10年経つと30歳。いい歳だ。でも、今の仮りの年齢が20歳だとすれば、これからの10年で色々な可能性が生まれる。もしかしたら、高齢バンドが大化けするかも知れない。そう思うと、ワクワクしてくる。チム・ドンドンである。

 本当の二十歳に比べたら、細胞がちょっと古びているくらいで、あとは有利なことばかりである。生活は年金で安定し、練習時間はいっぱい取れる。技術も低空飛行だが、安定している。度胸の方も心が鈍感になって平常心。約束の時間は確実に守る。ともすると早く来すぎるくらい。出演の交渉力は、あの手この手で図々しくて狡猾。ギャラは、お茶代で結構。和菓子とお姉さんのお点前があれば、なお結構。着物姿なら申し分ない。それだけで燃え上がってしまう。扱いは、いたって簡単。「若く見えますね」とか「動きに切れある」と、とにかく見た目と反対のことを言って褒めておけば、なんでも言うことを聞いてしまう。下手すると、参加させてくれた喜びで、ライブハウスの箱代まで都合してしまうかもしれない。

 若い人から見れば、こんなにいいことづくめのシニアバンド。それでも、息子が関わっている社会人の「軽音楽サークル」からは、お声がかからない。何がいけないんだろうと、不思議に思える。

 若い世代に相手にしてもらうためには、やはりウケる一曲を作り上げる以外になさそうだ。ウケる曲を狙って五十年。それができていれば、こんなこと書いてない。でも、まだまだステージで暴れたい! 酸素ボンベを舞台の袖に置きながらでも……。

創作活動が円滑になるように、取材費をサポートしていただければ、幸いです。