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メンバーに“断舎離”されたのは、私?


“断捨離”の言葉に触発されて、つい書いてしまいました。

 時代に取り残されそうになりながらも、必死にしがみついていこうとする、その姿は滑稽でありながらも、次第に見る者の涙を誘う。

 早朝の地下鉄のホームのベンチ。他に誰もいない。ジーンズ姿の若い女が一人、膝の上に“幕内弁当”を広げて食べている。なんら不思議は無いのだが、違和感を感じる。

 何かに弾かれたように、「あの歌を歌いたい」という衝動に駆られる時がある。今回は、あいみょんの「マリーゴールド」。訳は、全くわからない。ただ、無性に歌いたくなる。

 それと同時に、脳の一部の感覚が覚醒したかのように活発に活動を始める。それは、時には「小説を書きたい」という衝動であったり、「曲を作りたい」であったり。ときには、両方、同時であったりする。そうなると、即座にスマホをポケットから取り出して、ポチポチと打ち始める。曲なら、「タッタララー タタッ」と。音の高低はイメージで。5本線を引くのが面倒なので。

 いくつものシーンか映画のように脳裏に浮かんでは、クッキリとした像を結ばない内に、消えていく。それが、永遠に続くかと思えるほど、繰り返される。

こんな風に、“突然、何を言い出すのか、何をしだすのかわからない”、私。 

そんな私に、嫌気が刺したのか、連絡が取れなくなってしまった人びと。

 ある日を境にして、メールを返さなくなっ奴。
 録音を手伝ってくれと頼んだら、断ってきた奴。
「バンマスに、付いていきます」と言っていたのに、ある日を境にして、メールに反応しなくなった奴。

「バンマスが悪い」と喧嘩別れした女性ボーカルの肩を持ったドラマー。

 突然、スタジオ練習をすっぽかしたベースとその他。

 3時間で2万円のスタジオ代を、一人で払った。その帰りぎわ、スタジオのスタッフが怪訝そうな顔をしたので、つい、言い訳をしてしまった。

「みんなに、捨てられてしまいました」

他のメンバーに、“断捨離”された私でした。

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