毎度恒例備忘録13 【KAITO・音街ウナ】きんいろのうるか

金色のウルカに纏わる地域伝承。

むかしむかしのことだった。
ある村の男が海で釣りをしていると、小さな笹舟に乗って、金色に輝く臓物のようなものが流れてきた。
それは男を見るなり、
「私は高天原から遣わされ、この地に降り立ったウルカだ」
と言いそのまま流れていった。
男は帰って家の者にそのことを話した。
すると家の者は
「それはきっと神様に違いない。祀らないといけない」
と言ったので、男はウルカを祀ることにした。
しかしウルカを祀るにもご神体もなく、次にウルカがどこに現れるかもわからないので、男は仲間を集めて全国にウルカ様を広める旅に出た。
千鳥足の旅路は長いものであった。
何処に行ってもウルカを祀る場所なんてありゃしない。
そもそもウルカは祀る存在なのか。
ただの酒のつまみではないのか。
しかしこの国は人間の身体の一部すら祀るような国だ。
八百万の神。
日の本の民は万物に神が宿ると考える。
だったら魚の内臓から作った食べ物を祀る地域があってもおかしくはないのかもしれない。
諸国漫遊津々浦々。
酔ったおやっさんに絡まれることもあった。
居酒屋の女将と話をしたり、道中猿や烏に襲われることもあった。
ウルカはお気に召さなかったらしい。
男達は気がつけば日の本の果てまで来ていた。
ついにここまで来たが、男とその仲間はウルカ様に出会うことはなかった。
ウルカ様を全国に広める。その目的は果たせたと考えた男達は故郷に帰ることにした。
妙見様を道標に、遠い遠い故郷に帰るために飲み歩くのであった。

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なんて昔話があってたまるか。
全て捏造の昔話です。
ここまで読んでくださった方ありがとうございます。
ボカロ投稿曲13曲目です。
ウルカは鮎の塩辛ですが、日本人特有の何にでも神にする病で神格化しました。
何やってるんですか。
ほしいも神社があるんだから、もうあるんじゃないかな。それぐらい。
猿と烏に威嚇されるのはどちらも山にいるイメージだからです。
蛇がこんにちはするのは蛇が水と神話的に関わりが深いからです。
ところで自分はウルカを見たことも食べたこともありません。

子牛様主催のネタ曲投稿祭2021秋に参加しました。

《原案バージョンの記事》
https://note.com/kageisi_masa/n/nd72240f77936

《ニコニコ動画》
https://nico.ms/sm39676332

《YouTube》
https://youtu.be/fntg7krwXDo

《ピアプロ》
https://piapro.jp/t/LWkF

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