[2024年5月]フリーランス活動報告と制作したMVの裏話 3年と10ヶ月目
こんにちは!動画クリエイター兼イラストレーターの無印かげひと(@kage86kagen)です。
今月も終わりですので、「今月の活動内容」と「制作に携わったMVのうち、今月公開されたMVの制作の裏側のお話」をしていこうと思います。
※なお、お取引き先との調整内容機密事項は一切表記していません。「MVのここをこうした理由は…」や「ここはペイントソフトでこうして…」、「ここは実は○○がリファレンスで…」などといった、あくまでも当方が担当した制作物のメイキングなどについてをお話ししています。
今月の活動内容
今月も毎日MVばっかり制作していました。
い つ も の。
今月も例に漏れずMVをバリバリ制作する日々を送っていたのですが、今月はAEのプラグイン「Trapcode Particular」のお試し版を導入し、新たな表現に挑戦したことが印象的な月でした。
Trapcode Particularというのは、3Dソフトウェア会社Maxonが販売しているプラグインでして、このプラグインはAEのエフェクト「CC Particle world」の超進化&機能がいっぱい備わってるver.だと思っていただければと思います。
どんな機能かを軽く説明すると、主に粒子(パーティクル)といったエフェクトを動画内に設定できるのですが、粒子の形、色、図形、動き方、物理などを直感的に設定できる、動画のクオリティアップに一役買ってくれる超便利なプラグインとなっています。
数年前までは買い切り販売されていたそうですが、今はサブスク販売かつバングル販売となっているそうです。昔のPhotoshopみたいな感じですね。
実は、このプラグインは数ヶ月前から欲しい欲しいとわめいていたプラグインなのですが、機能が満載な分それに伴う値段に敷居を感じたため、今の自分に本当に必要なのか、購入のタイミングはもう少し先なんじゃないか...?と永遠に悩んでいました。
庶民感覚になりますが、なんと、AdobeのCreative Cloudコンプリートプラン以上の値段です…。私の財布がヤバい。
ただ、今月はこれを用いないとどうしても表現できないMVがありましたので、「まずはお試し版を試してみよう」ということで、お試し版ではあるものの満を持してインストールしました。
それから数日触ってみましたが、使用感はCC Particle worldと多少似ているものの、こちらの方が直感的に分かりやすいかつ高クオリティなパーティクルを設定することができました。複雑なパーティクルもすぐに表現可能です。
たまに、他クリエイターが制作したMVを見ていると、「この高クオリティなパーティクル、どのエフェクトを利用して制作したんだろう。AEで制作できるものなの?3Dソフトがないと無理なやつかな?…」と思うことがあるのですが、Trapcode Particularを触った時、「ああ!あの表現はこれで制作できるのか!」と気づいたこともありましたので、改めてこのプラグインの凄さを認識しました。
ただ、大きなデメリットとして、「動作の重さ」がどうしても気になりました。
このプラグインは多くの動画編集者の間でも使用されているそうですが、別クリエイターが投稿してくれている動画編集メイキング動画を拝見した時、その動画編集者が「Trapcode Particularはどうしても重い」という感想を述べていたので、熟練者かつハイスペックなPCであっても重さを感じてしまうものらしいです。仕様のようですので、こればかりは仕方ないですね。
そのため、AE内の初期機能で表現できる内容の場合はなるべくこれを使用しつつ、ここぞ!という時にはTrapcode Particularを使用していく方針の方が自分に合っているのかなと思っています。
デメリットはありつつも、総合的に見るとTrapcode Particularはかなり高性能優良プラグインなんだなと感じました。
今月遊んだゲーム
今月は2ヶ月ぶりに新しいゲームを2つとも購入しました。
1つは「Raft」、もう1つは最近発売された「ペーパーマリオRPG リメイク」です。
「Raft」は、海の漂流物をかき集めながら「いかだ」を作り、いかだのクラフトを楽しんだり色んな島に冒険に行けるゲームとなりますが、ストーリーも用意されていますので、やりごたえのあるゲームです。
配信者やVtuberの方が遊んでいるのを見かけ、見ているうちに「めっちゃ面白そう!」と思って購入しましやが、やっぱりめっちゃ面白いです!
ワールドを生成してから一生お世話になるいかだのカスタマイズはとても幅広く、最終的に広さや高さ、色、耐久度などもガッチガチに高めることが可能ですが、Raftの初期は簡素ないかだで冒険を進めていく必要があります。(確かザブトンぐらいの大きさの木の板4枚ぐらいしかなかった)
ここでやっかいなのが、海を気ままに泳いでいる「サメ」の存在でして、このサメが定期的にいかだも人も壊しにやってきます。
初期は自身の装備もいかだも簡素なので、1回噛みつかれるとすぐにいかだが壊れてしまいます。これを防ぐためには木の槍などで追っ払う必要があるのですが、5分に1回という頻度でサメがやってくるので、最初の内はサメに対して憎しみしかありませんでした。
ですが、ある程度装備やいかだがしっかりさせることにより、サメはいかだを壊すことができなくなります。いかだが補強できるぐらいになると装備も整ってきているため、逆にこちら側がサメを退治できるほど強くなります。そのため、サメは今となってはいい「エサ」の一つです。
現在のRaftの中の私の体は、もはや半分ぐらいサメの肉で構成されているほどたくさん食しています。サメ肉美味い。
2つ目の「ペーパーマリオRPG リメイク」ですが、こちらは発売と同時に購入しました。こちらは前々からやってみたいと思っていたゲームの一つです。
リメイク前のペパマリはプレイ経験が無く、その1つ前のシリーズ「マリオストーリー」はがっつりやっており、分かる人には分かる、星のかけらやバッジも全部集めたほどです。(マリストは「洗剤ケーキ」で有名なゲームですね。)
実は、ペパマリのストーリー自体は既に知っていて、これは昔見ていたゲーム実況者の配信を見たことがあるためです。
そのため、ラスボスの正体も知っているぐらいなのですが、ストーリー全体としてはそんなに記憶がないこと、登場するキャラクターが魅力的なこと、あまり記憶がないゆえに自分の手で実際に遊んでみたいことから、購入にいたりました。
現在はステージ5まで進んでいるのですが、今のところ個人的に面白いステージは3,4です。
ネタバレしない程度に語りますが、ステージ3は純粋なバトルゲーかと思ったらミステリー要素もある、斬新で面白いストーリーが印象的です。
ちなみに、ここで出会う仲間の「色」は赤でした。確か、ここはゲームの進行によって色が変わるという要素でしたよね?
ステージ4はボスを倒してからの展開が今まで無いぐらい面白いどんでん返しがあり、そこで出会う仲間の印象や経緯も相まってか、すごい面白いストーリーだなと感じました。ステージ4の雰囲気も、個人的にとても大好きな雰囲気でした。
ゲーム全体としてはバトル自体もすごくサクサクですし、ストーリーもかなり面白く、ブラックなジョークも頻繁に出てきて大人でも楽しめる作品だと思います。
これが20年前に発売されていたとは信じられないですね。
今月はこの2つのゲームを楽しみつつ、1月から遊び始めた闇のゲームLOLもランクを回しつつで、MV制作も趣味も充実した月となりました。
今月投稿されたMVの裏話
※投稿していた事に今月気づいたMVも紹介しています。
※制作で使用している各ソフト名
・動画編集:AfterEffects
・イラスト制作:CLIP STUDIO PAINT(メイン)、illustrator(主にロゴ制作時に使用)、Photoshop
・アニメーション:Live2D、AfterEffects、CLIP STUDIO PAINT
・3DCG:Blender
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桃源郷エイリアン / ナキカ【頑張って歌ってみた】
こちらはナキカさんの歌ってみた「桃源郷エイリアン」になります。こちらのイラスト、MV制作を担当しました。
本楽曲はパートによって雰囲気がかなり異なるため、それぞれそれに合った演出を考案してみました。加えて、イラストについても雰囲気を変えています。
文章で説明すると下記のような感じです。
・ABメロ→陽気な、コミカルな感じ
・サビ→目的や熱意を感じられるシリアス風味
・間奏1の前半(歌唱ありの部分)→英語歌詞部分、サビと似てるけどサビとは異なる迫力を感じるパート
上記はあくまでも主観的な感想にはなるのですが、これに合わせ、「ABメロはおちゃらけた陽気なイラスト、画面構成」、サビは「戦いが始まるような雰囲気、殺陣をしているポーズのイラスト」...といったように変えています。
加えて、ナキカさんのボイスが渋めの低音でしたので、動画構成は過度に陽気にさせ過ぎず、少し抑え気味にした演出や色使いをチョイスしてみました。
MVも見ごたえあるものに仕上げましたので、ぜひご覧ください!
キレイカクレンボ ft.初音ミク
こちらはちるさんの楽曲「キレイカクレンボ ft.初音ミク」になります。こちらのイラスト、Live2D、MV制作を担当しました。
こちらの楽曲はオシャレかつダンスパーティー系のような雰囲気の楽曲でしたので、これに合わせてMV全体も見ていてアゲアゲになれるようなエフェクトや演出を考案してみました。
このMVの構成は、主人公(ポニーテールの女の子)はイラスト→Live2Dでアニメーション付け、背景は静止画イラスト、その他はAE内で制作しています。
MV中、主人公は曲に合わせてリズムを取っているモーションをしているのですが、この動きはLive2Dで「1リズム」分の動きをキーフレーム打ちして制作、これをMOV出力、AE内でループ化して制作しています。
楽曲のBPMはずっと変わらなかったこともあるため、今回は「1リズム分」のみをアニメーション出力してコスパよく制作しましたが、これをフル尺分Live2Dのキーフレームで打とうとすると膨大な時間がかかりますし、MOVデータもかなりの容量になりますので、今回はこの手法でコスパ良く制作しました。
※Live2Dアニメーションモードでは、アニメーションをループ化させるエクスプレッションみたいな機能が無いため
ちなみに、ラスサビには「仰け反るモーション」→「仰け反ったままリズム取り」…といったような、シーンの変化を表現する意味合いも込めたユニークな演出も入れています。
歌詞の内容を汲み取り、「綺麗になりたい…」→「綺麗になる!」と変化が伝わるような表現もしてみたかったので、こういった演出も取り入れてみた次第です。
これにプラスして、髪や腰のアクセサリーに物理演算処理も行っています。総じて、今回はLive2Dをかなり活用したMVとなりました。
コウカイ / いちわっと feat. 花隈千冬
こちらはいちわっとさんの楽曲「コウカイ / いちわっと feat. 花隈千冬」になります。こちらのアニメーション、MV制作を担当しました。
本楽曲の歌詞はダブルミーニングとして解釈できるユニークな歌詞となっていて、それを表現しているのが本MVに登場する「ダイエットに励んでいる可愛らしい花隈千冬」と、「恋人と喧嘩した大人っぽい花隈千冬」の2人になります。
例えば、歌詞内の「思い出よみがえる つらいメモリー」は、
恋人と喧嘩した千冬にとっては「喧嘩した時のつらい思い出」ともとれますし、ダイエット千冬にとっては「体重に対してつらいメモリー(目盛り)が蘇る」とも取れます。面白い言葉遊びですよね。
この2人の心情をアニメーションという形でも表現してみました。
今回のイラスト、アニメーション構図は、いちわっとさんからあらかじめ希望イメージを頂いており、「2人がいる部屋を映しているような構図」ということで、これをベースにアイソメトリック図な構図で制作を進めていきました。
ただ、今回の構図を上手く画面内に映すには、それぞれのパーツをジオラマのようにかなり縮小して全体を映すしかありません。それに伴い、各人物は全身描写が必須となり、かつこれによって人物アニメーションが見づらくなる恐れがありました。
この問題を解消するために、人物周りのみに「白線」を設けるように設定しましたが、「なーんだ、以外とパッと思いつくような解決策じゃん!」と思われがちですけど、制作中の当事者としてはこれがなかなか思いつかないものなんです…。
「色を調整して人物を際立たせるか.…。そもそも部屋全体を画面内に収めるのが難しいのでは…。いやいや、それだとコンセプトは本末転倒だ。部屋をしっかり映しつつも、人物もしっかり見える解決策、表現方法があるはずだ…」といった事を頭の中でめっちゃ考えていました。
ただ、こういった試行錯誤する時間も自分にとっては楽しい時間です。
Preserved Roses - T.M.Revolution X 水樹奈々【covered by noel x eiichi】
こちらはnoelさん、eiichiさんによるカバー楽曲「Preserved Roses / T.M.Revolution X 水樹奈々 covered by 騎士斗ノエル X えいいち」になります。こちらのMV制作を担当しました。イラストは柿坂(KAXAK)八鹿さんになります。
こちらのMVは、ダイナミックな楽曲や歌唱に会わせ、画面の演出や切り替えなどを多めに取り入れた構成を考案しました。
また、「宇宙」を背景にしたイラストを制作いただいたので、それに関連して「星」エフェクトなどもところどころに入れています。
リリックモーションについても演出は多めに入れており、シーンによっては「べた塗り」、「主線のみ」といったように形式を変更しながら演出しています。
最近は、この「べた塗り」「主線のみ」を使い分けて、リリックモーションを作るのが個人的なブームになっている気がします。演出的にもリッチに見えますしね。
かっこいい楽曲となっていますので、ぜひご視聴ください!
転生したら可愛かった / 餅付ぬるぽ(cover)
こちらは餅付ぬるぽさんの歌ってみた楽曲「転生したら可愛かった / 餅付ぬるぽ(cover)」になります。こちらのMV制作を担当しました。
イラストはeNoNさんになります。
この歌ってみたの本家MVについては実は私自身がMV制作を担当しており、それを知らずに偶然お声がけいただいたというのであれば、天文学的数字ぐらいの確率によるめぐり逢いだったのではないでしょうか...?
そう考えると、インターネットという界隈であっても世界ってやっぱり狭いものなんですね...。
動画の構成自体はほとんど変えていませんが、制作いただいたイラストは本家と異なり全身を描写いただいたので、その全身も活かせるようにところどころアレンジを加えてみました。
また、餅付さんの色合いが全体的に「青」ということもあり、MV全体のカラーリングも青系統に変更しています。ただ、全部青にしてしまうとイラストが擬態して見えにくくなってしまいますので、差し色として「黄色」も挟めてみました。
こちらも素敵な歌ってみたとなっていますので、ぜひご覧ください!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今月は5件のMVがお披露目されることとなりました。来月もバリバリMVを制作していきたいと思います!
最後までご覧いただきありがとうございました!
それでは!
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