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聡明で気立てがよく才能ある無職の私

わりとTwitterでも繰り返しているので自己皇帝感がバグって即位でもしたのかと思われていそうですが、事実かはともかくとして実感ではあります。

FF14をしているとはじめての人と話せる

ここ数年に限った話でもないですが、人と人の交流、それも「初対面の人と話をする」機会は、大人になるとそうはないものです。

とくに私は大学を卒業する前も、卒業してからも、まともに就職もできず人と交流が発生することもない生活を送っていました。

しかし、FF14(FINAL FANTASY XIV)(みなさんもご存知のように、フリートライアルというものがあります)をはじめてから、「ちょっと気が向いたときに人の輪に飛び込んでおしゃべりをする」ということが可能になったのです。

MMORPGだからそうなのか、といわれると、普通にFF14をゲームとしてプレイしているだけでは他者との交流は発生しない仕組みになっている、と断言できます。フリートライアルの範囲は完全にソロでシナリオを追えるようになりましたし、そうでなくても自動マッチングが優秀なので「よろしくお願いします」の「よろし」、「お疲れ様でした」の「おつ」まで入力できれば定型文であいさつができます。

しかし、100万人規模のMMORPGですから、少し探せばあらゆるコミュニティにアクセスできます。良きにつけ悪しきにつけ、人との関わりが簡単に持てるプラットフォームでもあるのです。

そして、初対面の人と話をするとどうなるか。

「私はどうやら初対面の人とうまいこと話を盛り上げるのが上手らしい」ということに気づきました。

チャットを通して自分を知る

FF14にはユーザーイベントのひとつとして「対話店」というものがあります。

これはホストクラブやキャバクラなどの体裁であることがほとんどですが、キャスト役プレイヤーが決められた時間お客さんとの会話をして、その対価としてゲーム内通貨のギルをもらうのです。

少しの間ですが、私もキャストとしてとある対話店に所属していました。

お客さんとの会話が楽しんでもらえたかはお客さんしかわからないのですが(期間が短かったこともあり固定客はあんまりつきませんでした)、キャスト同士で話をしているとだいたい「みんながわーっとしゃべっている中、私が口を挟む機会をうかがっており、ちょうどいい具合になんか言う」という状況だったのを覚えています。

そのお店がなかなかおしゃべりで頭の回転が速いキャストぞろいだったのもあって、私もあまり口数は多くなかったのですが、「ふと言ったことが面白いのずるいなあ」というような評価だったと受け止めています。

まあ彼らが腹の底で何を考えていたかは知るよしもないのですが、少なくとも話の流れをくめていなければそういう評価にはならないんではないでしょうか。わからん。「空気読めねえやつだな」の京都弁だったかもしらん。

対話店ではすべてチャットで意思疎通をしていました。
それに不便を感じたこともないのですが、どうやら世の中にはチャットを苦手とする人も多いようだ、とのちに気づきます。

しかし対話店にはそもそもチャットが好きでチャットで意思疎通をしたい人しか来ない。他店のキャストさんもよくお客さんとして来ていました。そういう歴戦のチャット早打ちマンたちとタイマンを続けて知りましたが、私はどうやらチャットも早いし相手の意を汲んで会話を展開させる機転もあるのです。

まあでも相手が良かったな。チャットが早くて機転のきく相手と全力でやりあえたいい思い出です。戦いではない。

流浪のチャット打ち、江湖をさすらう

さて、対話店というある種「選ばれたチャット好き」とだけ話せる環境を離れ、私はより多様な人と触れあうことにしました。

対話店はゲーム内通貨とはいえ一晩に100万〜数千万ギルが動くので、システムも(お店によってさまざまですが)きちんと組んであることが多いです。管理する人がいて、スタッフがいて、キャストがいて、給料の分配があります。

すると、「そういうのがちゃんとできる」人だけが対話店の周りには集まるのです。自然と頭の回転が速い仕事のできる人が多くなります。
そういう「できる人」の「できて当然」みたいな雰囲気がちょっと苦しかったのもありますが、余談ですね。

そもそも「チャットが好き」ということは「文章の読み書きがある程度できる」ことを示します。その中でも対話店のキャストや管理者は上澄みの部類でしょう。管理となるとシフトを組んだり、給料の計算をしたり、日程を決めて告知をしてと、やることは仕事とさして変わりません。

そこを離れて、まだ知らない人とチャットをしてみたいとなると、もうシステムには守ってもらえませんし、相手ももっと玉石混淆になります。
「お話するのが好き」というだけで、本当にさまざまな背景を持った人と交流が持てるようになりました。

話のつまんねえやつもいましたし、楽しくて午後いっぱいチャットでお話していたこともあります。バックボーンが似ている人の方が考え方の波長も合い、話が盛り上がりやすいのは当然ですが、どうやら私は「こちらがつまらんなと思っていても、相手に楽しいと思わせる」能力にすぐれているらしい、とここ最近思うようになりました。

一人飲みの女に求められがちのサービス

この能力にはリアルでも心当たりがあります。

わたしはひとりで好きな酒をゆっくり飲むのが好きですが、カウンターで飲んでいると同席したおっさん(たまにお姉さんのこともある)に話しかけられることがわりとあります。

そういう人と話していて私が心底楽しいかというと、おおむねニコニコ楽しそうに相づちをうって相手を気分良くさせることに集中しているので、まあ音ゲーやってるみたいな楽しさはありますが、話の内容が面白くて夢中になることってあまりない。

そういう飲み屋の音ゲーもここ数年はだいぶご無沙汰だったのですが、FF14内のチャットを通して「そういえばこれめちゃくちゃ得意だったわ」とあらためて気づきました。

FF14内には私のアバターとしてなかなかの美少女キャラが微笑んでいますから、「もっとお近づきになりたい」という下心から発されるお世辞という可能性もなくはないですが、少しお話をした人はよく「あなたの話はおもしろい」「もっと話がしたい」と言います。ひとりやふたりではありません。

盛り上がったからそうなるかというと、私からしてみれば完全にサービスの会話だったりもします。もちろん盛り上がって私ももっとお話したいと思うこともあります。ただ、私の側がどう思っていても、かなりの人が「お話していて楽しい」と口を揃えることは実感しています。

会話をしていて、相手の言っていることを理解し、適切にレスポンスを返すことができる。必要があれば自分の持っている知識から話をふくらませることもできる。それだけのことなのですが、チャットを通し、美少女のキャラクターの仮面をかぶることで、より純粋に「話がおもしろい」「機転がきく」ということがはっきりしたと思うのです。

私にとってはちょっと意外なことでした。私より話のおもしろい人も、酒の強い人も山ほどいると思って生きてきたので、一度にのむ酒の量をきかれて「酒豪ですね」と言われてもぴんとこないのと同じです。

別にコツとかシェアできるTipsはないです

ここまで読んで「何か自分にも得るものがあるのでは」と思われたかたがいればお気の毒ですが、この記事は私の気づきを書きとめるためのものです。
ただの自慢ととられてもかまいません。私自身としては「こんなことができる私すごい!」というよりは「思いがけない能力に恵まれていることもあるもんだ」という感謝の意が強いですが、まあ自慢だよな。

ただ、陳腐な言葉にはなりますが「誰にでも人よりすぐれた能力がある」のです。私の場合はそれが「会話の際の機転」がひとつあった、というだけで、あなたにも何か同じだったり別のだったり、すぐれた能力があるはずです。

そういう能力を謙遜して封じ込めることなく、誰もがのびのびと発揮できる社会が求められているのだと思います。

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