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世界で一番地味な北海道の楽しみ方6選

【おことわり】
この記事は「北海道の楽しみ方」を銘打っていますが、記事が対象にしているのは「初めて北海道に旅行する、とりあえず新千歳空港にやってくる人」です。
そのため札幌近郊の楽しみ方がほとんどになります。
函館や道東、網走に行きたい人はまずその地への直行便をとりましょう。
新千歳空港にきてはいけません。

「北海道いいよね!海鮮食べたい!」

そうですね、確かに海鮮丼を食べ、時計台でがっかりし、藻岩山から夜景を眺めたあなたは満足して新千歳空港から飛び立つでしょう。

しかし札幌の真価はそこにはない。断言します。

あなたはもっと札幌を地味に楽しむことができます。
それはガイドブックに紹介されるよりもっと深く、満足度の高い楽しみ方です。

札幌に住んで10年以上になるわたしが、札幌の真の楽しみ方をお伝えします。


まずスープカレーよりはじめよ

札幌において観光客が最も食べる必要があるのは間違いなくスープカレーです。

正直「どの店で食べるか」はあまりこだわらなくていいです。
有名店に並ぶ必要はありません。どこで食べてもおいしいです。

わたしは「スープカレーについて本州の人を啓蒙する必要がある」と考えてこの記事を書いています。

スープカレーはただの水っぽいカレーではありません。
「北海道まできてなんでカレー?」でもありません。

スープカレーと近い文化を挙げるとしたら、ラーメン店です。

ラーメンの味の決め手は出汁ですよね?各店創意工夫を凝らしてさまざまな材料でスープをとり、それに味つけをし麺やトッピングを加えて一杯のラーメンが完成します。

スープカレーも同じです。
スープカレーとはさまざまな出汁材料でとった濃厚なスープにスパイスと具材を加えたもの。
スパイスは文字通りスパイスでしかありません。
スープカレーの本題は「カレー」ではなく「スープ」なのです。

ラーメン店と同じように、スープに店の個性が出ます。
どこで食べてもおいしいのは確かですが、好みに合う店を探すのも楽しいものです。

そして、スープカレーのおいしさを支えるのは「野菜のおいしさ」です。

スープカレーにはごろごろと大きいままの野菜が入っています。
にんじんの甘さ、じゃがいもの食感、すべての野菜のみずみずしさにあなたは必ず北海道を感じるはずです。
北海道の野菜はうまい。それを一皿に伝えるのがスープカレーなのです。

「らっきょ」のごはんには海苔がのっている

夏を謳歌せよ、大通は端に行け

札幌旅行におすすめの季節はどう考えても夏です。

どうしても一面雪の世界に飛び込みたいなら、12月末〜2月上旬の厳冬期が良いでしょう。
2月下旬になると雪がゆるんでぬかるみになり、歩くのが難しくなります。
日中も氷点下の気温であれば雪はサラサラギュッと硬く締まり、普通の路面を歩くのとそう代わりません(凍結路面には注意)

夏の札幌とは、6月〜9月ごろです。
冬の間屋外のイベントが難しい札幌では、6月にライラックまつり、7〜8月はビアガーデン、9月はオータムフェストと、なにかと理由をつけては大通に屋台を出して酒を飲んでいます。

ビアガーデンは高いだけでたいしておもしろくねえので6月のライラックまつりか9月のオータムフェストがおすすめです。
気候も爽やかで、輝く木漏れ日のもとで飲む酒はこの世の楽園の味がします。

しかし、祭りに限った話ではありませんが、大通あたりは端っこに行くほどおもしろいです。
札幌駅からすすきのまで通じる駅前通りは西3丁目と4丁目の間ですが、西7丁目あたりから個人経営のおもしろいお店が増えてくるのです。

祭りのときも、中心部で信頼できるのはセコマのワインブース(セコマのワインについては後述します)くらいですが、大通公園の端に近づくほど尖っていておもしろいイベントをやっています。

大通公園の西端にはバラ園と古い裁判所の資料館があり、夏は美しい場所なので散歩するのもおすすめです。

セイコーマートはお前を救う

ホテルの近くにセイコーマート(セコマ)があればラッキーです。

セイコーマートは小さいパックのお惣菜をいろいろ売っていて、好みのものを買って酒をのむのはこのうえなく楽しいものです。

ホットシェフのカツ丼や大きいおにぎりは夜遅くなると置いていないので注意してください。

セコマの酒で飲むべきはワインです。

コンビニでワインを販売するのはさして珍しいことでもなくなりましたが、セコマのワインの種類と価格帯は群を抜いています。

一般にコンビニで販売されているワインで、500〜700円ほどの低価格帯のものは1〜2種類がせいぜいでしょう。

セコマでは、500円を切るものから、800円台くらいまでのワインが赤白ロゼスパークリングどの色もそれぞれ多数選び放題です。
わたしはデイリーワインは必ずセコマで買います。札幌に住んでいるのはセコマで気軽にワインが買えるから、といっても過言ではありません。

風の噂では、セコマのワイン部門の偉い人はグランドホテルの元ソムリエなのだとか。

どれもうまいのです。安くてちゃんとうまい。

お酒にあまり強くない、そんなに飲めないという場合はチューハイもいいと思います。

果汁100%のみかんチューハイとりんごチューハイは果実感もしっかりしていて、嘘くさくない大人の風味でたいへんおいしいです。

ホテルでは天気予報を見るべし

ホテルの朝、やたら豪華な朝食バイキングを楽しむのもいいですが、特におすすめしたいのは

「テレビをつけて道内各地の天気予報を見ること」

何がエキサイティングかというと地名です。

北海道は当て字の難読地名が多く、天気予報に出るようなごく普通の地名でも漢字と読みを対照させながら見ると「えっ!?これをこう読むの!?」の連続です。

大きな地域名も「渡島(おしま)」「後志(しりべし)」など初見殺しだらけ。

身支度のついでにぜひ天気予報つけてみてください。

おみやげは百貨店で買って発送せよ

新千歳空港はあまりにも広く、新千歳空港内で北海道旅行がすむという冗談もあります。

しかし、空港でおみやげを買うのはあまりおすすめしません。

確かに新千歳空港にはメジャーなおみやげはすべてあります。用が足りないということは絶対にないです。

でも空港では見つけにくい名品があり、お菓子のバラ売りをしてくれるのは百貨店です。

新千歳空港から帰るなら札幌駅の大丸が使いやすいでしょう。
大通にも丸井今井や三越があります。

札幌から発送して帰るなら飛行機でも身軽です。
クール便も使えるので、マルセイバターサンドが溶け出すこともありませんし、ドゥーブルフロマージュなどの冷蔵・冷凍品も選択肢に入ります。

個人的に好きなのは柳月の「三方六の小割」六花亭の「大平原」きのとやの「札幌農学校」北菓楼の「開拓おかき」あたりです。

最終日は温泉に一泊しよう

北海道に限らず、どこに旅行をするにもおすすめです。

できれば旅程を1日プラスし、最終日に近郊の温泉でゆっくり旅の疲れを癒すのです。
できるだけ温泉以外なにもないところがよく、良い宿にめぐりあえばそれを目的に旅行したくなりさえします。

札幌市内にも温泉に浸かる以外何もすることのないちょうどいい温泉地があります。
定山渓温泉といい、市内中心部からバスで1時間ほどです。

しかし定山渓温泉はインバウンド需要なのかこのごろ高騰しています。
洞爺湖や支笏湖温泉もいいと思います。支笏湖温泉は新千歳空港に戻る途中ですし。

雪見露天はいいぞ

札幌はローカルにもっと楽しめる!

もうガイドブックに踊らされるのは終わりにしましょう。

本当に楽しむべき札幌は、地元の人が知っています。
演出された観光のモデルコースではなく、あなたが心からおいしい、楽しいと思える旅行をするべきです。

わたしは札幌を「こんなもんか」と思ってほしくないのです。

とにかくスープカレー食え。
北海道でうまいのは素材。素材をちゃんと活かしてるものを食え。
(洋菓子や乳製品もめちゃくちゃうまいです)

「名物にうまいもんなし」っていうのはねえ!!!
観光客向けの店に騙されてるんだよお!!!!!

以上!これを読んだらいますぐ9月の休みと飛行機をとり、札幌に駆けつけてください。
オータムフェストは楽しいぞ!

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