『きっかけ』の歌詞を読む。

乃木坂46唯一の、誰に向けられたわけでもない卒業ソング
3期生初の卒業を発表した大園桃子にも
この曲はすごく似合うと思う。

決心のきっかけは「理屈ではない」
じゃあ、なんなんだろう。

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交差点の途中で不安になるあの信号
いつまで青い色なんだろう?
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だいだい、人生というのはうまく行っているときほど
不安なもんだ。
うまくいっていないときは頑張れるから。
でも、そのまんまの調子で頑張れ!って言われると意外と難しい。
ましてや、「自分の人生はこのまんまでいいのか」
なんてことを考え始めたら、もっと不安になる。


高校生のとき「進路希望」を選択することがあって
いつかは出さなきゃいけない紙を
一旦見なかったことにして遊びにでかけたことがあった。

あの日も
まだ、自分には無限の可能性があるのに
この青信号がいつまでもつづくわけじゃないってことを
思い知らされたかのようで
怖かったんだと思う。


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ふいに点滅し始め急かすのかな
いつの間にか 少し早歩きになってた
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そんなときは必ず、無意味な焦燥感に駆られる。
じっとしているのが辛くて、
どこかへでかけたり、
「なぜか、髪を切りたくなったり」する。

進路希望の紙は、けっきょく
ギリギリに出した。
よく考えたといえば、よく考えたけど、
最後は追い立てられるように
焦って決めたような気もする。


でも、なぜか、決めたその進路は
最初に進路希望の紙を見たときに
なんとなく思い描いていたものと
同じだったりするのが、人間の面白いところだと思う。


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自分の意思関係ないように
誰も彼もみんな一斉に走り出す
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学校なんて、所詮他人の集まりだ。
時期が来れば、みんなそれぞれの夢に向かって走ってゆく
乃木坂46も、そうなのかもしれない。
一生を乃木坂で終える人がいないように
ふと油断しているとおいて置かれそうになるくらい
みんな「一斉に走り出す」
気がついたら、進路希望なんてみんなとっくに提出していて
ギリギリに走っているのは、自分ひとりみたいだ


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何に追われ焦るのか?と笑う
客観的に見てる私が嫌いだ
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そんなに急いで、卒業しなくてもいいじゃん
何回そう思っただろう
「客観的に見てる自分が嫌いだ」
なんて、強がってみせた自分のすがた
それこそが、一番子供っぽくて
なんだか泣きそうになったことはないか?

自分でも、なにに追われているのかなんて
わかりっこない


でも、一度決めたこと
決めたい!変化したい!!
と思った心の気持ちには
勝てなくて。。。


僕らは、焦るように、決心するんだと思う。
決心のきっかけは理屈ではなくていつだってこの胸の衝動から始まる流されてしまうこと抵抗しながら生きるとは選択肢たった一つを選ぶこと
就職活動で「志望動機」をうまく答えられるヤツなんかいない。


乃木坂にハマったきっかけなんて、
大半が赤いボタンで暇を潰していたからで、
「アイドルオタクになりたい」なんて
初めから願ってたやつなんていない。


そして、
「人生が最初からうまくいってるやつは、アイドルにならない」
それよりも、なんとなく人生を変えたいとか、
変わりたい、変わらなきゃいけない
なんて衝動に突き動かされて、
みんな変わりたくて応募したんじゃない?
そんなことを考えながら
進路希望を提出すると、
急に「オレは大学志望だから、受験組だから」
とかっこつけて言い出した。


本当は、俺の音楽で食っていってやるんだと
言ってやりたかったけど、
まわりにそんなやつなんていないし、
方法もわからない。
大学に行ったからと言ってわかるような気もしなかったけど、


親も「なんでミュージシャンになりたいの?」とは聞いてくるくせに
「なんで大学に行きたいの?」とは聞いてこなった。
だから、なんとなく答えるのが面倒で、大学で勉強したいと言ってみた。


あまりにも応援されるもんだから、
本当はそんな気がないなんて言い出せなくて。。。
流されるように進路希望用紙に書きつけた。
いや、実際行きたかったのだ。
その事実に嘘はない。


働きたくなかったし、自由な時間というのにすごく憧れた。
バイトもして、いっぱい遠征もできると思った。
そんなわけで、僕の抵抗は虚しく
流されてしまったような気もするけど、
「大学行くから」と言った一言で
あんなに勉強をするハメになるなんて思わなかったし、
そこでアイドルにハマる最初のきっかけが訪れるなんて思わなかった。
ながされまい、ながされまい
と思っても、自分ひとりではなかなか決断できない。
伊藤万理華さんのように強い意志を持っていても。
きっと、東京ドームの最中は
「ああ、卒業するなんて言わなきゃよかった。。。」
と、一度くらいは思っただろう。
ましてや生駒ちゃんは。。。
ちーちゃんは、伊織ちゃんは。。。
生きるとは選択肢
たったひとつを選ぶこと
パラレルワールドはない
たったひとつを選ぶしかないのである

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横断歩道 渡っていつも思う
こんな風に心に信号があればいい
進みなさい それから止まりなさい
それがルールならば悩まずに行けるけれど…
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自分の進路を決めるアストロラーベのような
なにかがあればよいのに
「正解」を示す希望の光が。。。
ましてや、全人類がそれに従ってくれればいいのに
誰もルール違反せずに、おとなしく平和に生きてくれれば。。
僕の理解できるルールで、この世界ができていれば。。。

なにを頑張ればいいか
わからなくなった日もあった
でも、そんなときには
いつも、「君が答えを与えてくれてたんだよ」
誰かの指示待ち続けたくない走りたい時に自分で踏み出せる強い意思を持った人でいたいもう一人の明日(あす)の私を探そう
自分の意思に従うのは大変なのだ。
だから、心に信号が欲しくなる。
でも、だからといって
他人の意思に従うなんて、絶対に嫌なのである。
だから、卒業は自分の思ったときにしよう。。。
そんなふうに考えていても。。。
勇気は出なかったのに。
「なんで、勇気が出てしまったんだろう」
なんで、生駒ちゃんはあんなに意思が強く育ってしまったんだろう!!!!!!!
洗面器に顔をつけることさえできない子のままなら
あんなに大勢の人が引き止める中で
卒業する!!なんて言い張ることはできなかったかもしれないな。。
みんな、なんでそんなに意思の強いやつに
育ってしまうんだ。
そこに惚れたのに、そのせいで君を失うなんてね。
皮肉なもんだ。
25mのバンジージャンプさえ飛べない総合演出もいるのに。


200mから飛び降りる女の子もいる。

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決心のきっかけは時間切れじゃなくて
考えたその上で未来を信じること
後悔はしたくない思ったそのまま
正解はわからないたった一度の人生だ
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時間切れじゃないか??
ほんとうに時間切れじゃないか、
ちゃんと考えてみてほしい。
衝動からはじまった自分の選択を
理屈でさえないのに
考えて、信じなきゃいけないという苦しみを。
アイドルとして、死ぬまで。
売れなくなるまであがき続けるなんて
決心とは言えないんだって。
3万5千人の史上最大の全国握手会を見送って去ることこそ
「決心」なのだと。。。
2年前の僕の誕生日に、
「感謝の気持ちをこめて」
強くなりたいと宣言することこそ、決心なのだと。。。
教えてもらった気がする。
進路希望調査を適当に出した僕は、
そのせいで通うハメになった遠くの予備校で
その目の前の広場で歌っていた人生はじめての「推しメン」と出会う
あと、遠回りしたけど
結局僕は、夢を叶えることになる。
全く予想していなかった形で。
それは、僕が流されたくないと抵抗した結果であって
ましてや、それでも未来を信じ続けていたからである。

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ほら 人ごみの誰かが走り出す
釣られたみたいに
みんなが走り出す
自分のこと自分で決められず
背中を押すもの欲しいんだ

“きっかけ”

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それにつけても、きっかけというものは
常に意外な場所に転がっている。
「神宮~~~~」と叫んだ瞬間が、きっかけだなんて。
誰が予想したか。
なんだか、生駒ちゃんの話ばっかりだな。
結局、生駒ちゃんはこの曲に見送られることはなかったのに笑
だからかな。。なんて笑

というか、

きっかけそのものに、意味はないんだよ。
その後に、未来を信じることだけが大事なんだ。
もちろん、背中を押すものもほしいけどね。
ちょっと背中を押しただけで転がり始める世界


そんなちょっとのきっかけで
頑張れるものならば。
「誰かが歩き出す」
の歌詞とともに、ステージから歩きだしたあの二人。

不安そうに振り返ると、
みんながついてきた。
そう、まだ、終わりじゃないよね。
もうすぐだけど
まだ、終わりじゃないから。
涙をこらえたメンバーと
耐えきれずに泣いた僕。

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決心のきっかけは理屈ではなくて
いつだってこの胸の衝動から始まる
流されてしまうこと抵抗しながら
生きるとは選択肢たった一つを選ぶこと
決心は自分から思ったそのまま…生きよう
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あなたが、思うように生きればいいよ。
どうせ、信じるしかない。
望むと、望まざると。
関係なく、僕にはそんなたったひとつの選択肢しか
用意されていないのだから。

それが、僕にとっての「きっかけ」
別に、きっかけなんてものはなくて
人生は区切ることが出来ないくらい
脈々と毎日が続いている

気づいたら変わってるんだろう。

だから、大園桃子が卒業する日も
乃木坂46にとって「きっかけ」だとしても
そこから何が始まるのかは
まだ誰にも見えてはいない

ひとつの区切りでもあるけど
長い長い乃木坂46という物語の中では
同じ1ページなのだから
明日からは次のページが始まる

そこにはどんな物語が待っているだろうか。


大園桃子、3期生初の卒業発表。


切り開いた未来の先に、なにがあるというのだろう。

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