AIHに3回挑戦して諦めた記録

不妊治療についての話し合い

「不妊治療を始めてもいいかもしれませんね」という婦人科医師からの提案から1ヶ月ほど経った。
医師からの提案は、少し考えてから夫にも伝えた。

私は「先生から人工授精を始めても良いのではと言われたよ」「自己負担にはなるけれど、ファーストステップは体への負担も少ないし、そうして考えると始めても良いのではと思う」と伝えた。

その時の夫の反応はとってもナチュラルで、「どんなことするの?」「どのくらい大変になるの?」「どんな仕組みなの?」と質問重ね。

少しは自分でも調べては・・と思ったけれど、伝えるまでの間に色々調べはしたので一通り結構淡々と伝えた。

1. AIH自己負担だけれど、負担額は体外受精に比べると少ない
2. 基本は排卵日が近づく頃に病院に行って排卵時期を予測、その日に子夫を持って病院に行って、ふるいにかけた子夫を器具を使って直接注入する
3. 体への負担は少ないが、ホルモン注射で副作用が出る場合もある
4. 医師曰く30代後半だと人工授精は大体4回くらいが目安で、その後は体外受精という次のステップに進むようになる
5. 次ステップになると専門医領域機関にかかる必要がある
6. 次ステップは費用がとても高くなる上に病院に取られる時間も長くなる
7. 何よりも、この人工授精を始めたら、少なくとも4回に至る前に「続けるか」「やめるか」を考えなければいけない

 夫は、どのくらい考えたのかわからないけど、ファーストステップであるAIHはやってみよう とあっさりと返事をした。
そんなことで、AIHを始めることになる。

AIH1回目から3回目まで体調と心の変化の記録

■ 1回目のAIH・・かと思いきやタイミング合わず
私が最初に選んだ病院は、内科も併設する地域の総合病院だった。ホルモン値をフォローアップしていたし、いつもかかっているところで手軽に受けられるというのが決め手だった。
が、そろそろかというころに卵胞のサイズを測りに行ったら、もうすぐ排卵になりそうだけれど、その頃に病院で使える機材がないというお話。
もちろん事前にそういった説明はあったけれど、初回からぶち当たるとは。
いろんな掲示板や体験談に書いてあると思うけれど、一時も無駄にしたくないという方はやはり専門病院の方がよいのだろうなと思った。

■ようやく1回目AIH
私は概ね28日から30日の周期だったので、生理が終わってから1週間だか10日くらいに卵胞サイズを測りにいく。
実施日が決まると、その前にhcg注射を打ちにいく。2回ほど事前に打つ。
当日朝に子夫を持って窓口に出す。1時間ほどふるいにかけるのを待って、機材で子夫を注入する。注入したのち数分腰を少しあげた状態で待ち、終了。その後、hcgホルモン注射を受けて全ての工程が完了。2時間くらいは取られる感じ。
あまりにもあっという間で、拍子抜けした。
筋肉注射も痛いとは聞いていたけれど、そこまで痛くもなく。

■AIH後の激しいPMS
PMSとは、日本産婦人科学会によれば
“ 月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの” ということ。

注射を打っているからなのか、いつもよりもお腹がよく空くし、眠くなるし、気持ち悪いしお腹痛い。
結局生理がきてしまったので、いわゆる妊娠による・・的なことではなく、これは3回目まで続いていく。

■いつもより生理痛が重い
生理痛が重い。1日目がとても痛い時は2日目少し軽くなることが多いのだけれど、とにかく2日目も痛い。3日目も微妙に痛い。
これは2回目まで同じ。

■そして、体温が上がらない
1回目のAIHの後、体温が全然上がらない。高温期にはいらない。
19日経っても上がらない。こんなの膀胱癌の手術の時以来。色々調べた。
実は無排卵だったのか、とか。体に相当ストレスがあったのか、とか。
子宮外で着床してしまっているのか、とか。
もはや卵ができなくなってしまったんだよ、とか。
心配になって病院にかけこんで、念の為妊娠検査薬を使うも見事に真っ白。
結局、21日経って生理がきた。
慣れないことをして、体がストレスを覚えたのかも。心配なことがあったら病院へ。そして、そんなこともあるんだよ、ということを共有まで

■2回目のAIH、授かりますようにと看護師さんに願いを込めてもらったが至らず、「次に行こう」と思い始める
体温が上がらない事件後は通常の周期となり、2回目を受けた。
毎回、朝に子夫を出してもらう、夫には疲れているのに申し訳ないなと思ったが、でもこれは2人のためなんだから一方的にそう思うのは良くない、と思いなおす。
看護師さんが、注入して注射をした後「うまくいきますように」と温かい手で注射後を触ってくれた。小さなことだけれど、嬉しかった。
・・が、予定通り生理は始まり、至ることはできなかった。以前も紹介した「半数以上の人は2回目までに成る」ことを見ていたので、もう次の段階だなとこの時から思っていた。不思議と、悲しいとかそういう気持ちではなくて、やってみるしかないな、という自然な気持ちの変化だった。

■3回目、願いは届かず
基本的に、今までの人生でご縁があることは1回、少なくとも2回でつながることが多かった。
三度目の正直というけれど、わたしのここまでの人生に三度目はあまりなかった。だから、どこかでダメかもしれないと思っていたけれど年度の区切りで3回目も受けることにした。
結果、高温期14日目に綺麗に体温が下がった。予感はあったが、体温下がったことを夫に伝えて、夜に二人で向き合ったときに不意に涙はこぼれた。
夫とは
残念だけれど仕方がない。確かにもっと早くに取り組めば良かったのかもしれないけれど、二人で思い切り楽しもうと過ごした日々に後悔はないし、今更どうこう言ったところで取り戻せるわけではない。
今もこうして二人で健康に過ごせていること自体が宝だ。できることをやっていこう と話をした。
なんか、こういうことを話すタイミングができたことは、ある意味で幸せだと思った。普段そんなこと話さないから。これも全部試練なんだと、言い聞かせることにした。

体外受精へ続く。

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