「メタバース」、いや、「Cluster」に触れてみた
「メタバース」という言葉に触れる機会が増えた昨今、未来を先駆ける行政書士として触れないわけにはいかないだろうと、私の事務所の広報担当Vtuber"栗原ぽんず”に「Cluster」という仮想空間に参加してもらうことにした。
2022年8月13日、お盆休みで少し時間ができたので、Clusterの登録とアバターの登録をした。
そもそも私は「メタバース」という言葉自体、よくわかっていない。
「NFT」とか、「VR」とか、「仮想通貨」(暗号通貨)とか、とにかくデジタル技術を駆使して、仮想空間に新しい世界を作る、映画「マトリックス」や「攻殻機動隊」のようなものだと漠然としたイメージしかない。
さて、私は興味が湧くと、何よりもまず触れてみたくなる性格なので、「ちょっとメタバースに触れてみるか」と思い始めたところで、準備という準備、調査は全くせずにClusterを始めた(始めさせた)。
栗原によれば、どうやら、Clusterには「ワールド」という空間がいくつもあり、それぞれオリジナルの「ワールド」を作って、ユーザーに披露することができるようだ。
凝った「ワールド」では、昭和の頃のような町並みを再現したり、現実世界では物理的に不可能な空中庭園のようなものを構築したり、ライブイベント会場や、浜辺などといった思い思いの「ワールド」を探索できる。
最近では、渋谷のスクランブル交差点を再現した「ワールド」がテレビに取り上げられているのを見たことがあるが、まさにその空間がそこにあった。
また、Clusterでは「イベント」が頻繁に開催され、DJイベント、セミナー、盆踊り、アイドルのライブなどに参加することができる。また、ユーザー自身でイベントを開催することも可能だ。
栗原によれば、こうした「ワールド」や「イベント」もそれなりに興味深いものがあるが、なにより仮想空間内での他のユーザーとの交流が面白いようだ。
それぞれ個性的なアバターとのメッセージやボイスのやりとりが、Twitterなどのテキストや写真ベースのSNSでは感じ取れない「空間」によって、現実のコミュニケーションと同じような空気感を味わえる。
例えば、見知らぬユーザーとの距離が近づくと、妙に抵抗感がある。反対に、知り合いになったユーザーとの距離が近づくと、親近感を感じる。これは、現実でも起こることだ。
男子トイレで空いている小便器がいくつもあるのに、わざわざ隣に立たれたときの違和感、あるいは、満員電車でもなくガラガラの座席なのに、わざわざ隣に座る他人と離れたくなる。
これは「パーソナルスペース」と呼ばれる一種の縄張りの認識だが、それが仮想空間内でも起こるようだ。
また、ユーザー同士の会話でも、会話のテンポが妙に気になる。
相手からコメントをもらったのに、操作に手間取って返信できないでいると、「早く返事をしないと」と焦ってしまう。心のなかで「ゴメンゴメン」と思いながら、意味不明なジャンプを繰り返す。
こうした体験を通じて、Vtuberやメタバースなどにさらに興味が湧いたのでいろいろとネットで調べてみると、こうした仮想空間でのアバターを使った多彩なコミュニケーションがあることを知ることができた。
仮想空間内で、アバター同士で飲み会をする、アバター同士で恋愛をする、さらには、アバターの格好で友人とぴったりくっついて寝る(そして動画を撮る)ということもあるようだ。
こういった交流を観ていたところ、私はちょっと恥ずかしくなった。
いや、これは貶めているのではなく、目の前でイチャイチャしている様を見せつけられているような、ちょっと目のやりどころに困るような、「おまえら近ッ!」とかの感覚だ。
公共の場でカップルがイチャイチャしていたら、「リア充○ね!」と言いたくなる雰囲気は、少なくとも日本ではまだまだあると思うが、そういう感覚を仮想空間でも味わうことができる。らしい。
とても不思議なのだが、アニメキャラ(しかも美少女系)が多い日本のアバターでも、長い時間会話をし、表情や手足が動いているのを見ていると、仮想空間であることを忘れる感覚に陥る。
将来、メタバースが当たり前の時代になったとき、現実と仮想空間を区別することはなくなるのかもしれない。
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