【はじめに、1章】Kindle これで分かる!化学基礎の参考書~あなたの苦手を克服する~

以下は、タイトルについて、ここ最近に書いていたものです。

はじめに なぜ、あなたは化学が苦手なのか?

 

化学の勉強は難しくありません。数学や物理に比べると、そこまで抽象的な思考力を必要としないからです。

しかし、化学が苦手になる学生は多いです。これを読んでいるあなたも今、化学で苦労しているかもしれません。

 

なぜ苦手なのか?には理由があります。それを一文で表すと、

 

今、どういう現象が起こっていて、それに対して何をどう取り組めばよいかが分かっていないから。

 

取り上げられている現象で何が起きているかが分からない。そして、何をしたら良いかが分からない。

 

これを、もう少し詳しく見てみると、、、

 

①現象が分からない。

②何を覚えればよいか分からない。

③計算のやり方が分からない。身についていない。

④基本的な計算ができない。

 

まず、①現象が分からないについて簡単に説明します。

化学の主役は原子です。しかし、この原子、私たち人間の目には見えません。

原子から分子、イオン、そして化学反応式にモル計算と教科書はどんどん進んでいきます。見えない世界の話が展開されていくため、現象が分からないのは、ある意味当たり前です。

 

ミクロな世界のイメージをふくらませることが大事です。そのために、図解を用います。

図解に文章を加えたものを読むことで、ミクロな世界の理解が深まっていきます。

本書では図解と写真をできるだけ多く使っています。写真という実物を見ることと図解と合わせることで、さらにイメージと理解が進みます。

 

このように、まず苦手の症状を分けましょう。

そして、これらの症状とていねいに向き合うことで、どのように取り組めばよいかが見えてきます。


1章 化学を学ぶのに必要なコト、考え方


1.本書で化学基礎が分かるようになる。

 

本書は、化学基礎を苦手としている高校生に向けた参考書です。

化学をこれから学ぶ高校生にとっても十分に役にたつので、教科書を読む前に本書を読むと良いでしょう。

高校化学の基本をじっくりと学べる本です。そして、内容のPointがはっきりと分かる本です。

中学の理科も意識して、ていねいに分かるように、そしてPointをできるだけ短く表現しています。

 

一方、本書は化学基礎の酸化還元までの内容をカバーしており、それ以降の熱化学の分野からは掲載していません。

また、参考書のため、受験問題が解けるようになるだけの問題量も十分ではありません。よって、本書を読むだけでは、『大学受験の問題を解ける』ようにはなりません。

よって、『化学基礎の参考書』である本書の化学は、基本的には化学基礎を指しています。

 

化学を学ぶための土台をつくることができる参考書だと思ってください。

 

化学が分かるようになり、出来るようになると、化学の学習が楽になり、学ぶことが楽しいにつながっていきます。

まずは、化学を分かるようにしましょう。次に、化学をできるようにしましょう。

それが、本書の役割であり、これを読んでいるあなたに届けたい最初の価値です。

 

 

2.あなたが化学を分かるようにするために、

 

先に述べた化学の苦手症状は次のようなものでした。

 

①現象が分からない。

②何を覚えればよいか分からない。

③計算のやり方が分からない。身についていない。

④基本的な計算ができない。

 

これらを一つずつ解決していけば、自然と苦手は克服されていきます。

 

①現象が分からない、を分かるようにする(再掲です)

 

化化学の主役は原子です。しかし、この原子、私たち人間の目には見えません。

原子から分子、イオン、そして化学反応式にモル計算と教科書はどんどん進んでいきます。見えない世界の話が展開されていくため、現象が分からないのは、ある意味当たり前です。

 

ミクロな世界のイメージをふくらませることが大事です。そのために、図解を用います。

図解に文章を加えたものを読むことで、ミクロな世界の理解が深まっていきます。

本書では図解と写真をできるだけ多く使っています。写真という実物を見ることと図解と合わせることで、さらにイメージと理解が進みます。

 

②何を覚えればよいか分からない。を分かるようにする

 

化学反応を説明するときに、必ず化学式を使います。化学式は単語と同じで、覚えるものです。単語が分からなければ文章は読めず、書けません。化学式は覚えるものです。

なぜその化学式になるのか、については、ほとんが説明できます。しかし、理屈を知らずに化学式を覚えようとすると、苦痛な作業になってしまいます。

 

化学式以外にも覚えることはいくつかありますが、周期表の元素記号の位置などは覚えるものです。後に述べますが、位置を覚えて周期表について理解を深めることは、とても価値があります。

理解が深くなると、覚えることがぐんと少なくなります。理解を深くすることは回り道に感じるかもしれませんが、結果的に楽で楽しい道です。本当です。

 

③計算のやり方が分からない。身についていない。をできるようにする。

 

化学の計算ができない、は段階があります。まず、モル計算ができていないことがほとんどです。よって、モル計算が出来るようになると、化学の計算はかなり出来るようになります。

化学の計算は、はっきり言ってしまうと比の計算です。これを身につけてしまえば、化学の計算が見えるようになってきます。比の計算をできるだけ意識して、本書を読むようにしてください。

有効数字をおさえ、化学反応式とモル計算を組み合わせた問題が解けるようになれば、化学の計算で困ることはほとんどなくなります。

 

次に、計算のやり方は手順が大事です。手順を間違えると正解にはたどりつきません。悪い意味で、学生の手順は自己流であることが多く、何となく計算している生徒をたくさん見てきました。それでは上手くいきません。その手順が教科書には文章になっていないことが多く、学生に上手く伝わっていないことも上手くいかない原因になっています。

 

本書では、計算の手順を文章で各stepに分けて、ていねいに説明しています。

計算のやり方を、文章、図解、表などで示してまとめています。計算の手順をくり返し練習すれば、必ずできるようになります。

 

 

④基本的な計算ができていない、をできるようにする

 

化学の基本的な計算は、四則演算と一次方程式です

四則演算とは、足し算、引き算、掛け算、割り算の計算です。そして、一次方程式はよく用います。

二次方程式を用いる問題もいくつかありますが、化学の苦手を克服する段階であれば一次方程式を使うことができれば十分です。

本書は数学の本ではないので、これらの基本的な計算には紙面を割いてはいませんが、出来るだけ計算過程が分かるようには書いています。

これらの基本的な計算に不安がある場合は、中学までの算数と数学に立ち返り、他の書籍も使って計算力をつけてください。

実際にこれまで関わってきた学生の中にも、計算力を磨き直すことで化学が出来るようになった人がいました。粘り強くていねいに取り組んでみてください。

3.そもそも化学とは何か??

 

化学は物質の性質や反応を明らかにする学問です。

古代より、ヒトは火を扱い、金属を利用し、レンガやガラスを用い、生活を営んできました。

錬金術と呼ばれた時代から現代に至るまで、ヒトは物質の性質や反応を利用した営みを続けているということです。

そして、今、私たちの身のまわりにある便利な物の数々。スマホ、タブレット、車、薬、洋服、住居、、、これらがあるのは、ヒトが物質と反応について長い時間をかけて積み上げてきた叡智の賜物です。つまり、誰もが化学のお世話になって生活しています。

そういう意味で、化学という学問はとても奥深く、ダイナミックで輝かしい人類の業績といっても言い過ぎではないはずです。

化学は、ただ化学式を覚えたり、物質の色を覚えるだけという学問ではないはずです。

いわば、物質の成り立ちを理解し、新たな物質をつくるための思考ツールともいうべきものです。

 

4.科目としての化学

 

いかに化学という学問がロマンに満ちていても、人は興味のないものや分からないものを学ぶことは、正直苦痛です。

よって、本書は分かるようにする、出来るようにする、を最も大事にしています

学生にとっては、授業があり、定期試験があり、大学受験を突破するための受験化学が、目の前にあります。これらをクリアするための武器を手に入れる。そういう姿勢で本書を手に取っていただき、その助けになれれば、筆者として私はとてもうれいいです。

 

これまで、私が指導してきた学生にも「できるようになったから好きになった」という学生が何人かいました。

 「先生のおかげで化学が少し好きになった」「先生の授業で化学が苦手でなくなった」と直に言ってもらったことがありました。そんな時、授業をして良かった、化学を教えてよかったという気持ちになります。

 

本書を通じて、化学を分かり、できるようになった経験を通じて、おもしろく感じるようになった、少しでも好きになった、とつながっていったとき、本当に私もうれしいです。ぜひ、本書にトライしてみてください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?