日本の美しい自然と豊かな漁場を守るための「よみがえれ!有明海訴訟」をご存じか?

日本は人類の歴史上、稀に見ないほどの自然環境が豊かな国である。
日本ほど川の水がきれいで井戸水もきれいで、水がただのように安全に飲める国は他に例を見ない。
世界の多くの国は食料を確保するために殺し合いをする歴史であったが、日本では山に行けば木の実が食べられる、海に行って貝を拾えば貝を食べられるという状況で、食にも恵まれたのが日本なのである。

日本では現在も日本の各地で様々な農作物や海産物が取れているが、それらが危機的な状況にさらされている。

有明海は九州に位置する海産物が豊富な海だ。
この有明海が大規模干拓事業によって漁業が大きな被害を受け、魚介類が発生した。
工事は1989年頃から始まり、1991年には甚大な被害が現れ始めた。
2000年12月のノリの大不作のために反対運動が起こり、2001年3月より干拓工事が中断され、国による調査が開始されたが、国によるいい加減でずさんな調査結果をもとに工事は2002年8月には再開された。

宝の海と言われた有明海の豊かさを取り戻すため、「よみがえれ!有明海訴訟」という裁判名称が付されて2002年11月26日に工事の差止と差止の仮処分を求めて民事訴訟が提起された。

この訴訟がとても日本社会にとって画期的であったのは、国の工事計画の94%異常が完成した状態で、工事中止の仮処分決定を佐賀地裁が2004年8月26日に認めたところにある。
これは工事中止を求める多くの住民と、世論がこれを強く支持したことによると言われている。

しかし、国はすぐさま控訴し、その後、高裁と最高裁は国に有利な条件で審査することによって、原告の請求を退けることで工事は再開されてしまったのだ。

特に注目すべきなことは、多くの世論が有明海の海を守ることを支持したにも関わらず、国は明らかにずさんな調査を行ったり、「問題ないから調査をしません」と言った不誠実な対応をもってして、工事の正当性を主張するという態度に出たことだ。

国は一貫して不誠実な対応をとり続けている。
日本という国がこのような問題に直面した時、信じられないほどに不誠実で横柄な態度をとることは今に始まったことではないのである。

日本の豊かな自然や豊かな農作物、海産物を守るためには、このように心して戦わなければならないのである。
ましてや、一度自然を売ってしまって失ってしまっては、取り返すのはとても困難となり、その時に国は国民の敵に回ってきたのが日本の歴史なのである。


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