英語などの外国語を日本語に訳すときに行われる内容改ざんの実態:広島原爆投下の日におけるエマニュエル駐日米国大使のメッセージを例題として

通訳というのは時として、とても危険な武器に使われる。
話し手の言わんとしていることを含めて正確に訳さなければ、意味が全く変わってしまうからだ。

例えば、次のAさんとBさんの会話を見てみよう。
Aさんは英語を話すアメリカ人で、Bさんは日本語を話す日本人だとしよう。
Aさんが話したことを日本語に訳した内容と、それに対するBさんの返答が以下の通りであったとする。
Aさん「日本はアメリカの要望を受け入れてください」
Bさん「わかりました」

だが、実際にAさんが言ったことは「日本はアメリカの言うとおりに従ってください」と言っていたらどうだろうか。
「要望を受け入れること」と、「言うとおりに従うこと」は、結果的に同じことかもしれないが、Aさんとしては、「言うとおりに従え」と言ったことに対して、「わかりました」という返事をもらっている以上、AさんはまるでBさんの事を自分の子分か家来か奴隷だと思うだろう。
だが実際に、Bさんの認識では、「今回のアメリカの要望を受け入れただけ」だと思っている。

このような通訳による戦術は外交の場で頻繁に利用されている。
外交交渉の場において、通訳を誰が用意するか、通訳が誰か、というのはとても重要なのだ。


昨日の2023年8月6日は広島に原子爆弾が投下されて大量虐殺がアメリカによって行われてから78年目の日となった。
日本を含め、様々なところで広島への原子爆弾投下の話が話題にされたようだ。

そんな中でも、特に異彩を放ったのが、日本にLGBT法案を強行可決させるように堂々と内政干渉をしたエマニュエル駐日米国大使だろう。
エマニュエルは日本語で以下のように日本人に向けてメッセージを送った。
広島への原爆投下から78年を迎えました。今日は厳粛な追悼と平和への祈りを捧げる日です。日米同盟の強化、そして両国が共有するビジョンと、平和と繁栄を求めるわれわれの一致団結した思いの実現に向け、今まで以上に励んでいく気持ちを新たにしました。」

この日本語を誰が用意したのか知らないが、エマニュエルが実際に語った原文である英語は以下の通りであり、そのニュアンスをそのままに筆者が訳したものは以下の通りである。
広島に原子爆弾が投下されて78回目のめでたい記念日を迎えることに私たちは誇りに思う。この誇りを胸に、今日のこの記念日を厳粛な追悼と平和への祈りをささげよう。日米同盟の強化をこれまで以上に強力なものとするとともに、両国が共有した未来の実現と平和と繁栄を団結して追及していくことに向けて、私は決意を新たにした。」

いかがだろうか?
誰かによって訳された内容と、実際の英語の原文のニュアンスは大きく異なることがわかるだろうか?
和訳された内容は単に「78年目の日を迎えた」と言っているが、エマニュエルの発言内容は明らかに広島に原子爆弾が落とされたことを喜び、祝い、誇りに思った上で、「めでたい日」であるとしている。

英語が理解できる者であれば、怒りに打ち震える内容である。
広島への原子爆弾の投下は単なる大量虐殺行為であり、犯罪行為である。
アメリカの公文書の開示内容によれば、当時のアメリカ大統領が人種差別主義者ゆえに、日本人を人間として見ていないことを背景に、日本人を大量虐殺する実験として原子爆弾が投下されたことが明らかになっている。
そのような日に対して、エマニュエルという男は「78年目のめでたい日を迎えられたことを誇りに思う」として喜んでいるのである。

現在のアメリカの駐日大使は、このような人物なのである。


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