どんなに言葉を注意して選んで使っても、誤解を与え得るものである

あなたはどれくらい言葉に注意して言葉を選んでいるだろうか。
言葉と言うのはみんなが同じ意味として使っていると思っているようで、実は微妙に違う意味で使っていることが多く、酷い場合は全く異なる意味で使っている場合がある。
酷い時には、同じことを言っていても文脈の中では全く逆の意味になることさえある。

人々はそれを誤解と呼ぶ。

誤解のリスクは日常の至る所に転がっている。
大抵の場合は、人と人との間の確認不足に対する怠惰であることが多い。

筆者の周りで頻繁に発生しているタイプの誤解は品質に関する確認の話だ。
ビジネスの現場ではとても複雑で専門的な話をすることが多い。
ビジネスの現場には驚くほど無知な人が多く、自分の無知さを穴埋めしようという努力をする人が極端に少ない。
「専門分野で働く人は、みんな専門分野に長けている」と思うかもしれないが、ビジネスの現場はそのような専門知識に長けた者など、殆どいない。
自らの無知を恥ることはするものの、恥を忍んで質問することは死ぬほどプライドが許さない。
だからといって一人で努力して無知を克服しようとすることさえない。
したがって、「自分が担当している専門分野」についてさえ、無知な者たちがそれぞれの担当分野を持ち、その他の分野の担当者は自分の担当以外の分野はことごとく無知を通しており、それぞれの担当分野の者たちを勝手に、「彼らは詳しいはず」と思って誤解をしている。

そんな人たちが、言葉の正確な意味を理解しないままに、適当に言葉を使ってビジネスの詳細を詰めるのである。
ビジネスの現場でどのようなことが起きているか、容易に想像できるのではないだろうか。

筆者が良く直面するのは品質管理や顧客説明に対する致命的な問題である。
それはもう、①現場担当者の全てが無知ゆえに、本来満たすべき品質管理のレベルを理解していないがゆえに品質管理不足となっているのか、②言葉の意味や専門知識について詳細を理解していないがゆえに本来満たすべき品質管理のレベルを満たしていないにもかかわらず満たしていると誤解しているのか、③実は言葉や専門知識に関する知識は十分あるにも関わらず、本来満たすべき品質管理レベルが満たされていないことをごまかすためにあえて知らないふりをして「満たしている」という態度をとっているのか、とても疑問である。
以上のような場面に筆者は頻繁に出くわしており、現場レベルの低さを日々痛感するのである。


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