何故、ノーベル賞に「医学・生理学賞」はあるのに「生物学賞」がないのかを物理学者が説明しよう

ノーベル賞という存在を知っている人は多いが、その詳細や実態を知っている人は少ない。
ノーベル賞には「医学・生理学賞」はあるが、「生物学賞」はない。
学問分野というのは細かく細分化されており、ある分野の専門家が他の分野に詳しいことは極めてまれである。
つまり、研究の分野において、「隣の部屋で研究している人が、どのようなことを研究しているのか、全くわからない」というのが現実であり、常識なのである。

筆者はこのような事実を大学生の時から憂いていた。
筆者は大学の時に工学部の建築学科で建築の設計デザインと構造力学について、専門の研究室に所属することで学んだ。
だが、それだけを学んで卒業したのでは、世の中の大半の事を知らずに社会に出ることを察知したため、大学生活では様々な学部・研究室の門戸を叩いた。
その経験により、歴史学や心理学、宗教学、言語学、社会学などの文型・社会科学分野がどのような実態であるかを知るに至り、理系の自然科学の各分野の実態を知ることもできた。

その経験を元にして、実際の実務社会がどのような構造になっているかを金融業界から各業界を俯瞰することで得た実体験を元にして、「何故、ノーベル賞に『医学・生理学賞』はあるのに『生物学賞』がないのか」について物理学者的視点から解説する。

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