故安倍晋三元首相の功績を事実のみで評価してみる

安倍晋三元首相が殺害されてから一か月を少し過ぎたが、安倍晋三が行ってきた功績を絶賛する声が相対的に多いように思う。
果たしてそうだろうか。

安倍晋三といえば、「美しい日本を取り戻そう」だとか、「憲法を改正して日本を守ろう」といった国防政策について特に評価が高いように思うが、美しい日本とは何かがあまりにもあいまいだし、憲法を改正することが日本を守ることかどうかも明確ではなく、安倍晋三の国防政策が果たして国防政策としてどうでったのかを振り返ってみよう。

①美しい日本を取り戻すことについて

安倍晋三が「美しい日本を取り戻そう」と言った意味は下記の記事でも言及したが、「日本が主権国家を取り戻すこと」だと思われるが、安倍晋三は戦後最大の長期安定政権を統治したが、その間、主権国家を取り戻すばかりか、国民の権利利益を外国に移転するような様々な法律が継続的に制定されてきた。
つまり、長期安定政権が結果として、より主権国家たる権威を失っていったと言え、「主権国家を取り戻す」とは真逆の方向に進んでいった。

②憲法改正について

安倍晋三は生前、憲法改正に尽力した政治家であったといえる。
結果としては憲法は改正されなかったが、その改正案の内容は下記の記事でも指摘したように、「国防の為に憲法9条を改正しよう!」と言いながら、その憲法改正の中身は国民から基本的人権を奪うという内容であった。
そのような「憲法を改悪する」改正内容は安倍晋三の生前の間も議論されることはなく、安倍晋三は常に改正案を元にした改正を主張するにとどまり、とても評価できるような内容ではない。

③国防政策について

安倍晋三の国防政策は現在、彼が評価される根幹となる部分と言えよう。
安倍晋三は生前、国防の大切さについて警告を発し、特に「台湾有事は日本の有事」との発信をしていたことが記憶に新しい。
だが、安倍晋三は下記の記事で指摘した通り、彼が殺害される要因となるようなことを行っており、口では「国防だ!」と言いながら、実際の行動では国難の危機を発生させることを自ら行っていた。
われわれ日本人は「騙されたと思って信じてください!」と言われて、馬鹿正直に信用したら、まんまと騙されました!状態になっているのだ。


以上が筆者の分析による安倍晋三の評価だ。
この三点の論点について、実は道半ばであり、安倍晋三は表面上の言葉通り、実は三つとも大逆転を狙おうとしていたのかもしれないが、彼が銃弾に倒れてしまった以上、真相はわからない。

そんな中、最近、岸田文雄が「安倍さんの意思を継いで」というわけのわからないことを言い始めている。
岸田文雄現首相は故安倍晋三と政策や理念が真逆で対立してきた人物である。
そんな人物が「安倍さんの意思」のどの辺を「受け継いで」いくのだろうか?
これこそまさに火事場泥棒ならぬ、安倍ロス泥棒だろう。
安倍ロスによる盲目的安倍評価に乗じたショックドクトリンを許してはならない。


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