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赤江かふお Kafuo Akae
2024年3月14日 07:11
作・画 赤江かふお朗読 奥村薫 僕の父は病院長で、僕は父の病院で産まれました。ええ、白い十字架の立つ。消毒液の匂いが好きでした。 幼い頃の僕は女の子のような巻毛でしたので、看護婦さん達はよく、足にまとわりつく僕にお菓子をくれたりしました。あの頃の街はたいそう賑やかで、誰ひとり新聞のニュースなど話題にせず、ただ目の前にもたらされていた富や幸せを、いつまでも終わりがないものであるかのように