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可不可salon 若い世代の会

今回のイベントは、店主・宮下と同郷で最近の可不可ではお馴染みになりつつある堀内 浩平シェフと砂山 利治シェフの初のコラボレーション。お二人はフランスで働いていた時代の友人・同級生であり、35歳以下の若手料理人コンペティションRED U-35等での輝かしい功績を残す期待の若手料理人である。元々同じ場所で働いていた経験と、感性も近しいという二人が織りなす料理に期待が膨らむ。

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さらに、ソムリエは堀内シェフの兄・堀内 茂一郎氏が務める。

堀内 茂一郎氏:「本日のワインは、10年弱暮らしていたというニュージーランドのワインを揃えました。コロナの影響で旅行にも行けませんので、気分だけでも味わってほしいと思います。」

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堀内シェフの出身地 山梨県と、砂山シェフに所縁のある石川県の食材が中心になった全八品とデザートを一挙ご紹介


一品目「花とミルク」

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石川産の岩牡蠣(宮本水産)に、色鮮やかな山梨産のサフランのソースがかかった一品。55度で約10分間火を通してからよく冷やした牡蠣は、よりミルキーでとろけるような味わいが美味。

ドリンク:ソーヴィニヨン・ブラン 2015

二品目「清涼」

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皮はカリッと身はレアな状態の八ヶ岳の源泉で育てられた1kg近くある大岩魚。3~4年かけてゆっくり低温で育てられた岩魚は通常の岩魚よりも身が大きく、臭みがない。岩魚の下にキュウリと大葉。さらにキュウリ、岩魚の骨を使ったガスパチョを忍ばせてある。仕上げに大岩魚のソースをかけて、味の変化を楽しみながらいただく。

三品目「ヘタ紫茄子」

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トロッとした皮を剥いた焼き茄子 (石川県 きよし農園)の上にストラッチャテッラチーズをのせたまろやかな味わい。さらに炭化させたスダチで爽やかさをプラス。

ドリンク:セントラル オタゴ ピノ・ノワール

四品目「信玄海老」

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温泉水で育てられた繊細な味わいの山梨産オニテナガエビの表面をカリッと焼き、上にお味噌とアクセントに根セロリのピューレ、エビの頭と殻を使ったソース。口に含むと濃厚な香がと味わいが広がる。

五品目「ホロホロ鳥」

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荒めのミンチにしたモモ肉を甘長唐辛子(山梨 Crazy farm)に詰め、メッシュ上の春巻きの皮で包んであげたものと、皮はパリッと身はしっとりとローストしたムネ肉にホロホロ鳥からとったソースをかけたものの2種でホロホロ鳥を楽しめる。

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ドリンク:ストーク インディア・ペールエールStoke IPA
桃やアプリコットなどのフルーツが採れる温暖なネルソンのオーガニックホップを使ったビール。ビールを片手に、夏休みらしい気分を感じられる。


六品目「赤皮甘栗南瓜」

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オレンジ色のコロンとしたカボチャにイノシシ、椎茸、豚足などを詰め藁と塩で塩釜焼き。お客様の目の前で包丁を入れると熱々の湯気とともに幸せな香が立ち込め「たまらない!」 と歓声が上がった。

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皮まで食べられるほどほっくりとしたカボチャの上に、燻製した椎茸が香る泡のソースが乗せられオレンジと白で色味のコントラストが美しい。

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ドリンク:マーティンボロ ピノノワール2018
甘味が強く、土の香りが南瓜との相性が良い。

七品目「湧水育ち」

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二品目の大岩魚と同じ産地の鱒。こちらも通常三年程のところを4~5年かけて育てた大き目のもの。鱒が取れる湧水の周辺で採れた生のクレソン、貝の出汁を使ったピューレ、クレソンの茎と粒マスタードを付け合わせに。

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ドリンク:エクリプシス ローザ 2020
ニュージーランドの白ブドウをベースに、オーストラリア サンローランの品種の皮を色と香り付けに使ったオレンジに近い色味のヴァンナチュール。女性生産者が作った今注目のブランドで、エチケットのデザインもアーティスティック。

八品目「八ヶ岳 白山」

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鹿肉(八ヶ岳ジビエ)のシンタマとロース(白山 Hunter Base Japan)。ロースにはクマ肉の背脂が乗せられている。

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ドリンク:プリリヒルズ クレヴドン エステート2014

デザート①「ハーブ」

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グラニテの上にライムの果汁、レモンミントゼリー。富士吉田で採れたクロモジのスープをかけていただく。冷たくてさっぱりとした暑い日にぴったりのデザート。スパークリングワインにジンジャーシロップを合わせた一杯と一緒に。

デザート②「桃桃」

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ブランデーを効かせたクリーム、ピーチクリーム、桃ソルベが添えられた黄桃と白桃2種を楽しめるデザート。

「甲斐のくろまる」「シャインマスカット」

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堀内シェフの出身地山梨産のフルーツで締めくくり。
今回は、まだ山梨県内でしか流通していないという「甲斐のくろまる」が登場。
種がなく、甘味が強いのが特徴。山梨県イチオシの食材。

<ドリンク>
フルーツ同様山梨県産のクロモジ他、レモン、タイム、ベルガモットなど複数のハーブがミックスされたハーブティーでホッと一息。

日本各地で巻き起こる若手料理人たちの新たな動き

砂山シェフ、堀内兄弟加えてこの日はもう1名若手料理人が参加。
現在開催中のRED U-35の一次予選に残った町田 亮治シェフ (赤坂 菊乃井 副料理長)が、今回のイベントをSNSで知り、異ジャンルながら同大会出身のお二人の会とあって、是非関わりたいと連絡をしたことがきっかけとのこと。

参照 RED U-35 2022:https://www.redu35.jp/chef/8628/

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「今回ご一緒させていただき、日本料理と全く違う動き方、人との付き合い方を学ばせていただきました。日本料理人としてもっと頑張らないと!と思いました。」と町田シェフ。(写真手前 二人と一緒に厨房に立つ町田シェフ)

最後に、料理人たちからの言葉で会を締めくくった。

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堀内シェフ「本日のお客様に、来てよかった。といっていただくことができました。(フラットなカウンターということもあり)近くでお客様とコミュニケーションできましたし、砂山シェフと料理を作り上げられたことが本当に嬉しいです。」

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砂山シェフ「普段私はこういった機会が少なく、堀内シェフともコラボレーションは初でしたので知らないことも沢山あり学びになりました。お客様に喜んでいただけるのが、私たち料理人の喜びなのだと改めて感じました。」

堀内 茂一郎氏「来年地元山梨で弟とレストランを計画していますが、地方でやる意味を考えています。伝統的なものを受け継ぎながらも私たちの力でさらに発展させ、新しいものを生み出したい。こうした取り組みが全国に広まり、日本がより良くなっていけばと思います。ちょうど私の少し下の世代ではそんな動きをする人たちが増えていますので、ますます楽しみです。」

堀内兄弟は来年の8~9月頃に山梨県でレストランを、砂山シェフは来年秋頃に奈良県の天川村でオーベルジュオープンを準備しているという。料理業界の未来を担う若い世代の料理人たちそれぞれの活躍に、これからも目が離せない。

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堀内浩平 (写真左から2番目)
1986年、山梨県富士吉田市生まれ。調理師専門学校を卒業後、都内のレストランとホテルを経て、渡仏。北フランスの人里離れた場所に位置する2つ星レストラン「La Grenouillère」で腕を磨く。
2018年に帰国し都内のイノベーティブレストランのシェフに就任。2021年、国内最大級の料理コンペティションRED U-35 2021 ONLINEにてグランプリ(RED EGG)を受賞。
2022年4月よりフリーランスの料理人として活動する傍ら2023年に地元山梨でソムリエの兄とレストランを開業準備中。

砂山利治 (写真左から3番目)
1987年 ロンドン生まれ
武蔵野調理師専門学校卒業後、都内ホテルを経て、渡欧。
ジュネーブの1つ星レストランに勤務。
2010年に渡仏し、北フランスの2つ星レストラン
「La grenouillère」にてスーシェフとして働く。
その後ムジェーブの3つ星レストラン
「Flocons de sel」に勤務後、2018年に帰国。
2019年より「Les Tonnelles 」を立ち上げ、ミシュランガイド北陸2021特別版にて、最年少、最速で2つ星、グリーンスターを獲得。
2022年現在、フリーランスの料理人として活動する傍ら2023年奈良県天川村で開業準備中。

堀内茂一郎 (写真左端)
1978年山梨県富士吉田生まれ
都内レストラン勤務を経て、北海道のミシェルブラストーヤジャポンにてソムリエとして勤務。
その後ニュージーランドに渡り、10年弱、現地レストランで研鑽を積む。
帰国後は、マンダリンオリエンタル東京、立川のSORANO HOTELでマネージングに携わり、現在は、立川近郊のオーベルジュの立ち上げに携わる。
2023年に料理人である弟とレストランを開業準備中。

開催:2022/08/14夜,15昼 夜

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