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自分の死後について考えたことはありますか?

どうも。こんにちは。

だいぶ時間が空いてしまいましたがぽつぽつと書いていこうかなと。

久しぶりにしてはだいぶ仰々しいタイトルになってしまったのですが、なんとなく自分の専攻分野について語ろうかなと思いまして。

私の専攻は古代ローマ史です。みなさんは古代ローマといえば何を思い浮かべるでしょうか? 世界史上でもとても有名な英雄・カエサルでしょうか?それとも映画化され大ヒットしたテルマエ・ロマエでしょうか?はたまた映画『グラディエーター』で知られるようになった(?)剣闘士競技などを思い浮かべる方もいるかもしれません。

古代ローマと聞くと、多くの魅力的な人物がその世界を彩った、華々しいイメージが強いんじゃないかなと思います。

しかし、歴史の表には裏があります。それこそが専門の古代ローマ史の中でも私が特に力を入れている分野です。

その名称は「ダムナティオ・メモリアエ」というものです。

この単語を聞いたことがある人はよほどの世界史マニアでしょう。この単語の意味は、日本語で「記憶の抹消」「記憶の断罪」などど訳されます。一般には帝政期ローマにおいて元老院により「悪帝」とされた皇帝に対し、その彫像が破壊されたり、碑文から名前が削除されるなどの処分のことを指します。

自分が死んだ後に自分の生きていた痕跡、記録などがすべて消されるのを想像してみてください。どうでしょうか?とても恐ろしいことだと思いませんか?

でも、私はこの部分にとても興味をもっています。元老院はどのようにこの処分を決議したのか?その処分に地域差はないか?皇帝それぞれの処分について特徴はないか?そもそも当時のローマの人々の「記憶・記録」に対する考えはどのようなものであったのか?など、考えれば考えるほど沼のように深く考えていくことができます。

古代ローマの話なんて…と思う方もいると思います。なんせ2,000年前の、それも日本と遠く離れたヨーロッパの話ですから。

しかし、実はこれに似た処分は世界各地で行われています。例えば、ソビエト連邦が崩壊したときにはレーニン像が引き倒されたり、エジプトでもパピルス文書からファラオの名前が消されていたりします。

こう考えていくと、「記憶・記録」そして「死者」というものは私たちの身近にあります。それらを分析することは、私たちの身の回りにあるそれらに対する考えが古代から連綿とつながってきたものを捉え直すという意義が生まれます。これこそがこの研究が私にとってとても楽しく、やっている意義が垣間見える理由です。

最近も大学院進学に向けて勉強を継続する日々を送っていますが、その日々はとても楽しく、充実した日々です。これからもボチボチ頑張っていくので見守っていただければ…という一若人の願いです(笑)



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