見出し画像

日々読み #50


10/9 雨

仕事だったけれど、ご近所さんとご飯会があったから頑張れた。

そのご近所さんは古民家を自分たちで改修して複合施設にしちゃおうと奮闘していて、おもしろい人たちだ。改修も全てプロに依頼するのではなく、できるところは自分たちや地域の人たちでやるというスタイルでやってきて、ここまできた。
旦那さんのこだわりが詰まった建物になっていて、細部の話に至るまで興味深い。
完成間近で、今後どういうふうに運営していくのかを話し合った。
多業種で話し合うといろんな視点があって、おもしろい。
看護業界だけで暮らしていたら見えてこない視点がたくさんあって、こういう繋がりは大切にしていきたいと思った。


10/10 晴れ

帰宅すると昨日もらった資料を妻がよりわかりやすいものにできるように改良していた。
特に頼まれたわけではないが、無償で自主的にやっているという。驚きだ。

最初の頃の資料よりもわかりやすくまとまっており、言葉や写真もより具体的に想起しやすいものに昇華されていた。明らかに資料の密度というか、純度が高まっていた。そして何より魅力がグッと引き出されていた。
整え、要約し、粒立てるといったことができているからなのかもしれない。
彼女の仕事もすごいけれど、彼女の仕事への取り組み方もかっこいい。

ヘルマンヘッセの庭についての本を借りた。


10/11 晴れ

今日は仕事を休んで、妻と産婦人科に行ってきた。
性別がやっとわかるかもしれないということもあって、前々から楽しみにしていたのだ。
助産師さんに名前を呼ばれ、診察室に入った。
エコーを当てると明らかに赤ちゃんの形がくっきり見えた。以前見た時よりもすっかり赤ちゃんの形になっていて、順調そうだ。
お腹の中で気持ちよさそうに寝ているのがわかった。
時折、ポジショニングを変えながら自分の最適ポジションを探しているようだ。赤ちゃんは赤ちゃんでお腹の中ライフを楽しんでいるようだ。

頭、手、足、お尻、背骨、が見えてしっかり育っているという。嬉しい。
お尻と足の間にぽこっと何か見えた気がする。助産師さん曰く、ゾウさんがついているかもとのことだった。まだエコーだから確定ではないけれど、男の可能性が高いとのこと。

性別が男の子の可能性が高いと聞いて思ったことがある。
妻は子の性別がわかる前までに周りのママやマダムたちから「男の子のお母さんっぽいよね」と言われることが多かった。ママたちの主観たっぷりなのに妙に自信があるような言い方だった。
不思議な決めつけだなあとぼんやり思ったが、こうして的中すると案外ママたちだけがわかる「〜っぽい」があるのかもしれないと思った。

でも構造的には大きく2通りだから、50%の確率で当たるからそんなにすごくはないか。
名前はどうしようか。


10/12 晴れ

やっと家が自分のものになった。というよりも契約が完了した。
これまで長かった気がするし、ここまでくると短かった気もしてくる。
自分のものになったら今度は早くすみたい気持ちがむくむくと育ってきた。

そういえばここ最近、家の購入を中心に日々を過ごしてきた気がする。どこかやりかけがずっと残っているようなタスク感が重低音みたいに鳴っていた。
何か大きなことをやろうとすると、その重低音はつきものなのかもしれない。
タスクは早く潰しておきたくなるけれど、大きな仕事をするならその重低音を楽しむようなことも必要なのかもしれないと思った。たとえ楽しむことができなくても、体の一部として連れ添ってあげていくような、目を常にかけて生きていくような感覚だろうか。

なんだかこういう視点でいろんなことをとらえると少し変わった仕事やアウトプットができるようになるのかもしれないと思った。

週末は引っ越しだから荷物詰めも本格的にやり始めないと。
大量にもらってきたはずの段ボールがもう底をつきそうだ。


10/13 晴れ

今日は週末のことで頭がいっぱいだった。
今週でひとまず落ち着けるから、嬉しい。


10/14 晴れ

今日は引越し1日目。
秋晴れといった快晴で青空だった。
妻は引越し日和だとよろこんでいた。
今日は自分たちでは到底片付けられないような大きな家具や電化製品を業者の人に運んでもらった。
屈強な男性2人でひょいひょい運んでいく。
自分たちだけの力では運べなかったモノたちがあまりにも簡単に運ばれていく様を見て、唖然とするしかなかった。
まさにフィジカルギフテッドだなあと思った。
自分も現場で力仕事をしていたら、ああいう世界線もありえたのだろうか。

ひっきりなしにいろんな業者がきては、セッティングをしていくからこちらまで疲れてしまった。
明日も引越しだ。明日はダンボール詰めした荷物を運びまくる日。今日はもう寝よう。


10/15 雨のち晴れ

今日は妻の父親がきて、一緒に引っ越しを手伝ってくれた。妻の父はガタイが良くて、昨日の業者の人たちよりも一回りぐらい大きい。
この二日間はフィジカルギフテッドばかりに会って、フィジカルギフテッドの筋肉たちから「お前も頑張れよ」と迫られている気分になる。

今日いちばん驚いたのは、サイズ的に入らない収納タンスをどう捨てるか迷っていると「手で壊せばいい」と、おもむろに素手で解体し始めた。
いとも簡単に解体されていくタンスはダンボールのようだった。
明らかに男としての格の違いを見せつけられた気がして、驚きと一抹の悔しさを感じた。

いつ最後に本気で体を動かしただろう。
そしてひとはこんなにもパワフルなんだよなあと、思いおこさせられた。
この体は使われるのを待っているのかもしれないなと思って、近くのジムを探し始めた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?