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カナダで、地球温暖化がわかる場所

私の住んでいるカナダ・アルバータ州。アメリカとカナダをロッキー山脈が走っています。先日、ロッキー山脈周辺の国立公園のうち2つを訪れました。

ジャスパー町

有名なバンフ国立公園

国立公園の中で最も有名なのが、バンフ国立公園。
道路も整備され、バンフの町に入ればホテル・お店が多くあります。

バンフには、カルガリー国際空港から車で1時間30分ぐらいで到着できます。海外からも観光に来る人が多く、カナディアンロッキーでは有名な場所。

しかし、今はコロナ禍。旅行する人はカナダ人のみ。ホテルや湖に行っても人が少なくほぼ独占できます。人が邪魔で写真を撮りにくいってことがない。

私には、今がカナダ(国内)観光の絶好のチャンスです。
(2021年8月9日から、コロナワクチン接種を完了したアメリカ国籍・アメリカ永住権を持っている方がカナダへ入国出来ます。)

さて、バンフからジャスパーへ車で向かいます。バンフの町を出ると、大きな山々がずっしりと構えて、山頂には雪はほとんど残っていないので、断層と岩が見える。

宝石のようなレイクルイーズ

40分ぐらい車で走っているとレイクルイーズに到着。
レイクルイーズと言えば、エメラルドグリーンの湖と白いお城のようなホテル・フェアモント・シャトー・レイク・ルイーズ。この景色は、写真に収めきれないぐらいきれい。

レイクルイーズ

アイスフィールド・パークウェーを走る

このレイクルイーズからジャスパー国立公園までさらに車で移動します。この道はレイク・ルイーズからジャスパーまであるフリーウエイで、アイスフィールド・パークウェーと言われ全長230㎞もあります。

ジャスパー道路


フリーウエイは、片道一車線。一部のところで追い越しができますが、ジャスパー国立公園はバンフ国立公園とは違って、観光化せずほぼ自然のまま残され、道の拡大工事はされていません。雄大な景色を見ながら、追い越したい人はどうぞって、感じです。

アイスフィールド

ジャスパー国立公園に到着

アイスフィールド・パークウェーを走るとすぐにジャスパー国立公園に入ります。左右に大きな山々が見え、川や湖があります。静けさがあり、自然を満喫できます。

途中の道は急傾斜の山をくねくね登ったり、下ったり。バンフから走って2時間半、少し違った景色が広がってきました。とんがった山の上は厚みのある雪に覆われています。

アサバスカ氷河 (1)

そう、これがコロンビア氷原(コロンビアひょうげん)です。山はコロンビア山といわれ(3747m)、氷が川(アサバスカ氷河)のようになっていて、今まで見たことのない光景。思わず「わぁ」と言ってしまいました。

1982氷河

車を駐車場にとめて、アサバスカ氷河の近くまで登ることにしました。駐車場からの道は小さな石や大きな石がゴロゴロ転がって、草もほとんど生えず滑りやすい道。子供達と手をつなぎ、足元を確かめながら進みます。

1992氷河

ここで見た地球温暖化の場所

ところどころに、「1982年」などのプレートがあり、昔はここまで氷があったことがわかります。そのプレートを見るたびに「こんなに雪が解けてしまったんだ」と少しビックリ。

さらに登ると、平らになった場所があり、アサバスカ氷河の全体が見渡せました。目の前には、氷河が溶けて池のようになっていて、その先に少し青白く光る氷河と茶色い山肌があります。歩いていくのは、ここが最終地点。この先は行けないように紐が張ってあります。


氷河近く

ガイドなしで氷河を歩くと薄い氷の下の割れ目がわからず、落ちてしまう事故が何件かあるからです。氷河の上を歩きたい場合はツアーに参加しましょう。

次回は、ぜひ氷河の上を歩きたいと思います。

アサバスカ氷河の見える場所は、強い風が吹き耳が痛くて15分しか立っていられません。氷河の上を通って来た冷たい風を「Glacier Wind(グレーシャーウインド)」といいます。まるでビルの谷間にいるような。7月だというのに半袖では寒すぎる。しかし、冷たい風が吹いていても氷原の下では溶けだした水がザーザーと音を立てて流れています。「あー溶けてるー。氷原がなくなってしまう」と心の中で言ってしまいました。

溶ける氷河

コロンビア氷原が発見されたのが、1898年。それから123年の間に何が起こったのでしょうか?

毎年5mの深さも溶け、1.5km 後退している上に、アサバスカ氷河は123年前の半分になっています。氷河は小さくなり、地球温暖化がこんな場所に現れています。

7月初めにカナダではヒートウエーブで49度にもなり、日本では集中豪雨が起きたり、たくさんの台風が多く通過したり、地球で何が起こっているんだろう。
ここに来て、改めて地球温暖化の深刻さを体感した日でした。

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