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俺の兄貴

1番上の兄のYouTubeが炎上した。
いつものことだと放置していたら、今回は勝手が違ったらしい。
1番目の兄にしては珍しく、その後に言い訳の動画をたくさんあげている。
内容はよく見ていないが、相当ダメなことをしたのをニュースを見て知り、あーあもう兄はダメだなと、さらにネットニュースをいくつか確認して、思った。

いつかそうなるだろうな、とは思っていた。
1番上の兄はだいぶ変人で、内容も一理はあるが、いつも分かりやすく過激だ。
何を考えているか、昔から分かりにくい兄だった。今回もなぜそんな事をしたのか分からない。
その上、長男だからと言う理由で、いつも偉そうに捲し立てるアイツを、俺はかなり疎んでる。

その点、2番目の兄は違った。
確かに兄は兄だけど、1番目とちがって偉そうじゃないし、俺を諭したりはしない。
「にいちゃん」といった感じで連みやすく、オレは何かにつけて2番目の兄の近くにいた。
遊ぶのは2番目の兄とが1番多いし、なにより同級生と遊ぶより、ガキっぽくなくてよかった。
ガキのくせに生意気な、と自分でも思うが、2番目の兄とは本当によく遊んだのだ。
2番目の兄は、とにかく人たらしで、人を集め気分をよくするのがうまい。
いつも沢山の遊び仲間がいた。
それが兄のビジネスの成功の秘訣なのだと思う。

俺は今、時々テレビで仕事をする。
そんな時に1番上の兄は便利だった。
ようやく兄とのうまい付き合い方を見出し、お互いWin-Winでいこうよ、という条件の下で兄のYouTubeに出た。
相変わらず兄は俺をいじるが、別になんとも思わない。ヘラヘラしてタイミングよく相槌を打てば、兄はずっと壊れたラジオのように喋っている。それを興奮し崇めながら見る奴がたくさんいるのだ。
俺自身の知名度を上げるにはちょうどよかったし、兄は兄でテレビの人の俺が弟な訳で、何かと好都合なようだった。
でも例の派手な炎上で、それもできなくなったけど。

兄も兄だが、父も父だ。
父は、1番上の兄が絶頂期の頃、兄を経由し出版社から
「子育て本を作りませんか」と声をかけられたらしい。
有名YouTuberの長男、ベンチャー企業の若手社長の次男、そして現役東大生でテレビの人の俺。
華々しい三兄弟の子育ては、なかなか良さげで売れるんじゃないの、という魂胆な訳だ。

父はこの企画にすぐにOKを出したらしい。
確かに定年後の暇な父にぴったりの仕事だ。
父親らしいことなんて、一度もしてもらったことないけど。

俺たち兄弟の子育ての担い手はいつも母だった。
父と同じ会社で働いていた、結構優秀な女子社員だったと言う母を、かなり積極的に口説いて結婚したらしい。
本当は、もう少し働きたい、と言う母を、むりやり退職させ、すぐに子どもを作った身勝手な父。
でも、幸せだったからいいの毎日楽しかったわ、という、病床での母のやつれた顔を、俺は忘れる事はないだろう。

2番目の兄は、父の本に関して、いいんじゃないいいよいいよ、とにこやかに言った。
俺もできることあればやるよ、と、明るくいつもの調子でいう。
2番目の兄にそう言われたら、俺もそうするしかなかった。
そもそも1番上の兄は、企画を持ってきた側の人間だし、父はやたらと張り切っていて2番目の兄も賛成している。いいんじゃないかな、と俺も言う他なかった。

3兄弟の子育て本。
今日は表紙の撮影だった。
真ん中に父で、その周りを兄弟で取り囲む。
その時に自分の顔を見て気がつく。
俺はあの、目障りな1番上の兄に、とても顔が似ているのだと。

「なぁにいちゃん」
俺は撮影後に2番目の兄に声をかけた。
「本当に、この本だしていいのかよ」
そういうと、驚いたような顔をしてこちらを向いた。
「いいんじゃないの」
俺の顔は見ずにいった。
「兄貴もやる気だし、定年後に暇だった親父も打ち込めるものがあって、俺らも安心だろ。何が不満なんだ」
だってさ、
俺はそう言いかけて黙った。
俺ら本当は4兄弟だろ、とはこの場では言ってはいけない気がした。

俺にはもう1人兄がいる。
3番目の、引きこもりの兄。
3番目は昔っからビミョーだった。
運動もダメ勉強もダメ、人付き合いも苦手で、おまけにちょっと太っている。
ガチの典型的な冴えない男子だった。 
だから母はいつも、3番目の兄を心配していた。

「あなた以外が出来すぎるのよ。何でもかんでもさっさとこなす。でもそれは良いことばかりじゃない」
母が3番目の兄に言っていた。
俺たちには聞こえないように、ピアノが置いてある防音壁のあの部屋で、こっそりと話していたのを思い出す。
「だからあなたは努力ができるのよ。他の皆はしない。音楽なんて努力できる者しか出来ない世界。あなたにはそれがあるじゃない」
兄は泣いていた。
これ以上聞いてはいけないと思い、俺はその場を後にした。

3番目の兄のピアノは独特だった。
同じ曲を3度聞けば、その曲の耳コピができた。
聞けば聞くほどその精度は上がっていく。
しかし何故だか、楽譜が全くといってよいほど読めなかった。でもそれを独学で克服した。
どうやって兄がそれを読むのか、その仕組みは未だに分からない。
音と楽譜をリンクする、その作業をひたすらやったんだ、と兄は言っていた。
だから兄はかなりの数の楽譜と、その楽譜と同じ演奏のCDを持っていて、それらとピアノで一部屋が埋まった。そうやってかなり長い間、独自の鍛錬をしたのだった。

母も、そんな3番目の兄を、放っておいたわけではなかった。人付き合いが極端に苦手だった兄に合う、ピアノ教師を見つけるのは至難のわざだったのだ。
大手の音楽教室から個人教室まで、文字通りしらみつぶしに回った。
最初はしぶしぶだった兄も、独自の鍛錬を続けるにつれ、自分には専門家の教えが必要と悟ったらしい。それからは、相変わらずしぶしぶといった態度ではあったが、身支度を整え、自分で書いた自己紹介文を持参し、ピアノ教師探しに奮闘した。
そして中学1年の夏休みの終わりに、ようやく兄に合うピアノ教師を見つけ出したのだ。

その初老の女性ピアノ教師は、3番目の兄の自己紹介文を丁寧に読み、言ったのだそうだ。
あなたはもうそのままでいいから、色々な場所に行きましょう、と。
レッスンは月額制で、お互い都合の良い日にレッスンしましょうと伝え、あなたには良い演奏と良い体験が必要だわ、と説き、コンサートはもちろん美術館、博物館などにも行きましょうと言うのだった。
そして実際に、活動的なピアノ教師によって、レッスンと称して3番目の兄は色々なところに連れて行かれた。演奏会に、プラネタリウム、何とか流のお茶会に、はたまた乗馬体験まで。

本当によい先生だったのよ、と母は回想した。
月額制のレッスン代は、決して安くはなかったが、ピアノレッスン以外の活動費も含まれていて、それらの諸費用は、一切かからなかったのだと言う。
だから、結局オトクだったのよ、と母はいたずらっぽく笑いながら言う。
「先生もお兄ちゃんのことがよく分かってたし、私のことも分かってた。だから、お母さんは体に気をつけて、といつも言われたわ。」
そう母は笑いながら言った。

確かにあのピアノ教師は独特だったと思う。
1番上の兄以外は(1番目は、そんなもの俺には意味はない、と、はなから断っていた)その教師からピアノを教わった。3番目の兄以外には、ごく普通に週に1回30分のレッスンを、極めて標準的な金額で行った。俺はしょっちゅう、練習しろ練習しろ、小手先で弾くな、と叱られた。
けれど、あまりにやる気がない、と判断された時は、奥にあるダイニングに招かれて、アイスやら果物やらをご馳走になるのだった。
あなたはお兄さんを少しは見習ったら、と呆れながら、その教師も一緒にお茶をした。
後から知ったことだが、2番目の兄に至っては、ほぼ毎回何かをご馳走になっていたという。練習するかしないかの差だろうと、さも当たり前のように2番目の兄は言った。
このピアノ教師の存在と、俺たち兄弟の交流を、父は知っているのだろうか。

「知ってるに決まってるだろ」
またもや、当たり前かのように2番目の兄はいった。
表紙撮影がすむと、撮影場所から1番近かった2番目の兄の仕事場に移動し、そこでしばらく話し込んでいたのだ。
オフィスには、簡素な机とキャスターのついた椅子5脚にノートパソコンが3台。あとは冷蔵庫が1つ置いてある。

どうして、と俺が聞くと、怪訝そうな顔で俺を見た。
「だって、山田先生を探し当てたのは親父だぜ」
そう言い終えると兄は、冷蔵庫から缶ビールを手にし、プルトップに指をかけた。プシュと間の抜けた音がした。
山田先生、そういえばそんな名前だったなと、兄に言われて思い出す。
「お前知らなかったのか」
驚きと疑問が入り混じった顔で、じっと俺を見つめた。
俺は何も知らなかった。
2番目の兄は、缶ビールをたいして美味しくもなさそうに飲みながら、さらに話をすすめた。

「母さんが俺ら一人一人に育児記録を書いてたことは知ってるよな」
俺はウンと頷いた。
「アレ、親父は全部目を通してたんだよ。帰ってくるたび凄い勢いで読んでただろ」
筆まめな母の育児記録はそれなりにボリュームがあった。それを4兄弟分読むのはかなりの時間がかかるはずだ。

「俺ら、とくにお前は、キャッチボールとか一緒に遊ぶとか、そう言うことはあまりできなかったけど、オマエのオムツは親父がいる時は全部親父が替えてたよ。俺らが赤ん坊だった時もかなりマメな父親だったらしいぜ。上の兄貴に聞けばもっと分かるかもな」
そう言うと、2番目の兄は一気にビールを啜った。
もうすでに少しだが顔が赤くなっているのが分かる。2番目の兄は、あまり酒に強くないのだ。

「見てただけだろ」
俺は2番目の兄にいった。
兄は飲みながらパソコンの画面を見つめている。
「要するに何もしてないだろ。親父は見てるだけ。時々帰ってきて偉そうなこと言ってるだけ。親父が一体何をしてきたっていうんだ」
俺は分かりやすく興奮し、2番目の兄に怒りをぶつけていた。
炎上した兄と俺たち兄弟の育児本?しかも3番目の兄を1人除いて。
反吐が出るほどおかしくて、なにより腹立たしかった。

「お前はそう思うかもしれないけどさ、俺は親父は凄いと思うぜ。ちゃんと稼ぐものは稼いできて、ウザがられても息子とちゃんと会話して。お前は優等生だったから分からないけど、兄貴も俺も、カズも、よく親父を慕ってたと思うよ」
カズ、というのは3番目の兄のことだ。
3番目の兄は、みんなにカズと呼ばれていた。
カズのことは兄というより友達に近い感覚だった。
しかし、おそらくだが、ソリが合わないと言うのはこう言う事だろう。カズとはあまり遊んだ事もないし、俺にはカズの大好きなピアノの魅力が全く分からなかった。
よってカズとの会話はちぐはぐになり、次第に話すらしなくなった。カズと最後に話したのはいつだろう。

「そもそもさ、あの育児本の企画は兄貴が持ってきたんだけど、あれは兄貴なりの親孝行とカズへのエールだったんだよ」
エール、何が?俺には理解できなかった。
「カズは子どもの頃、ピアノコンクールで賞をたくさんとってただろ。まあ山田先生が倒れてから、カズも調子悪くなっちゃったけど。あの神童だったカズが、俺らの兄弟って知られたら、カズも有名になれるかも知れないだろ。だから兄貴はこの企画にのったんだよ」

知らなかった。またもや俺は、何も知らされていなかった。
あのでしゃばりで鼻もちならない、ナルシストなあの兄が、たまにしか帰ってこない親父が、カズのことをこんなにも考えているなんて、全く理解できなかった。
それなのに相変わらず閉じこもるカズに腹が立つ。そしてこの瞬間に、そんな嫉妬を覚えてしまう自分が、どうしようもなく情けなかった。

「お前、結構カズのこと気にかけてたんだな」
2番目の兄が、顔を赤くしてこっちを見る。
「俺、お前はずっとカズのことを嫌ってると思ってたよ。ちょっとバカにするところもあったし」
図星だった。でもそれを兄貴達、いや、母にはそれを悟られたくなくて、カズとの交流を避けたのだ。
黙って兄を見て、話を続けろと視線を送る。
「でもさ、そうやって俺にキレてる暇があったら、親父と兄貴に直接話をしろよ。お前はいつもそうだよな。肝心なことはいつも他人にやらせてる」
「そんなことねぇよ」
俺は苛立ちをそのまま口にした。

そんな事ない。そんな事をしていたら東大に入ってテレビで仕事をするなんてことはできない。俺は努力をした。それも自らすべて筋道を考えて1人でやっているのだ。
行き当たりばったりの炎上しか能のない1番目の兄と、仲間がいなければ会社もできない2番目の兄、そしてピアノに齧り付くだけのカズとは違うのだ。
俺は違う俺は違う俺は違う…何度も頭にこだまする。

「結局、この話をカズが断ったから3兄弟の育児本になったけど、結果良かったかもな。今回の兄貴の炎上は、流石にマイナスだよ。」
そう言うと、一気にビールを飲んだ。
「しかし、お前からカズと山田先生の話が出るとはな」
お前も大人になったんだな、とボソッと呟くのだった。

「なあ、俺ってそんなにガキっぽく見えるの」
冗談めかしたふりをして、2番目の兄に聞いた。
「見えるよ。お前はガキの頃からいつも自分のことしか考えていない。そうだろ」
兄は真顔でそう言うと、そのままの顔で俺を見続けている。
「ちげぇよ」
俺は拳で、その簡素な机を叩いた。バンっと簡素な机にふさわしい音がした。
「俺はさ、それもお前の良さだと思うよ。だからなりふり構わず目標にむかっていけるんだよ。いいんじゃないの、そういう生き方も」
そういって兄は、またパソコンに目をやった。
もうビールは空のようだ。

「俺、もう帰るわ」
いつも無難なことしか言わず、ヘラヘラしている兄が、珍しくズケズケと本音を言った。
ビールのせいもあるかもしれない。
そうとはいえ、いつもと勝手が違うので俺はいらだっていた。

「なぁ」
兄が先ほどより大きな声を出し、俺を引き止める。
「お前さ、兄貴に会ってやってくれよ。せめて連絡してやってくれないか。」
俺はきっと驚いていたと思う。ひどく驚き、目を見開いていた筈だ。口もだらしなく、開けたままだったかもしれない。
「お前と兄貴は良く似てる。お前なら兄貴の気持ちが分かってやれるはずだ。頼むよ」
そう俺に頼んでくる2番目の兄は、もういつもの兄になっていた。
人たらしの、いつもヘラヘラと笑う、世渡り上手な兄の顔。

「ふざけるなよ」
そういって、両手のひらで思い切り机を叩いた。
「俺は兄貴とは違う」
思い切り怒鳴りつけて、2番目の兄のオフィスを後にした。バタンという、扉が閉まる大きな音が聞こえた。

外に出ると、雨が降っていた。
パラパラと粒の小さい、いかにも小雨な小雨
で、外に出るまで全く気が付かなかった。
今日の天気予報は1日中晴れのはずだったのに。

もうすぐ雨は止むかもしれない。
しばらく歩くとコンビニがあるから、そこで傘と安い缶チューハイを買うことにした。
もう大して降りそうではなかったが、準備はしておくに越した事ない。そしてこの苛立ちも、うまく酒で紛らわしたかった。

明るいコンビニを出ると、予想通り雨はあがりかけていた。買った傘はもう必要なかった。
そのまま傘はささずに、駅まで歩く事にした。
そういえば東大の合格発表の日も、こんな天気だったけ。

自宅に帰ると、兄たちが全員揃って食卓についていた。もちろんそこにカズもいた。
受かったよと言うと、2番目の兄とカズが同時に、おめでとう。といった。
「お前が俺に勝てるのは学歴だけだけどな」
1番上の兄がいった。

だまれ、落ちた奴が。

俺はそう思い、もうすでに曲がっている顎を思い切りへし折りたくなった。この長男というだけで偉そうにする1番上の兄を打ち負かしたくて、東大を目指したのだった。
でもまあいい。
分かりやすく嫉妬をされるのは悪くなかった。お前が行けなかった東大に俺は行くのだ。誰が勝ちかは一目瞭然だろう。

「やめろよにいちゃん、そうじゃないだろ」
家族間でも兄弟間でも、1番口数の少ないカズが口を開いた。俺はそれに驚いた。
そう言う事をいうのは、だいたい2番目の兄か母だったから。
「そうだそうだ、そうなんだよ。コレ、みんなで喰おうぜ」
そう言って1番上の兄が取り出したのは、バカでかいホールケーキだった。
そのケーキに合わせてでかいチョコレートには
『ユウ東大合格おめでとう』
と書かれていた。

「どうしたのこれ」
「お前の好きなケーキ屋に、特注頼んで作ってもらった」
さも当たり前のように1番上の兄がいう。
「落ちたらどうする気だったんだよ」
「お前は落ちないよ。みんな分かってたもんなぁ」
そう1番上の兄がいうと、他の兄たちも一斉に頷いた。
「まあにいちゃんの言うことが当たったんだしいいんじゃないの。とにかく東大合格おめでとう」
そう2番目の兄のが言うと、唐突にクラッカーがなった。カズが無表情で鳴らしたようだ。
「早く始めようぜ。ケーキが冷めるよ」
そうカズが言ってお祝いの会はスタートした。
変なことばかり言うカズ。兄たちはそんなカズをみて笑っている。変な事をいう時はカズの調子が良い証拠だった。
もうすぐ父さんも帰ってくるよ、と母が言った。
まだ元気だったころの母の顔。今はもやがかかったようにうまく思い出せない。母が亡くなってもう何年経った?

1番上の兄のことはよく分からない。
でもあの日、だれよりも笑っていたのは確かだった。何で兄はあんなにも笑っていたのだろう。
理解できるようで、理解したくなかった。

さっき買ったチューハイを飲む。
ジュースみたいなその酒は、やたらと飲みやすくて甘いのだけど、最後に喉を引っ掻くような酒の味がした。ベタっと苦い酒の味。
俺の長い夜はまだ、始まったばかりだった。


※このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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