インタビューってむずかしい。
いま、先日取材した内容の原稿を起こしている。
正確には、そのために録音した音声を聞いている。
それなりにキャリアを重ねてきたのでちゃんと話を引き出せている自負はあるのだが、それでも録音した自分の声を聞いていると、
――そこ!そのワードもっと突っ込んで詳しく聞けよ!!!
――何なのその笑い方!
――もうちょっと相槌うてよ!へたくそ!!
――もっと場を回せ!〇〇さんにも発言させなよ!!!
……みたいなことばかり思ってしまう。
もちろん、録音で聞く自分の声にも慣れない。
取材仕事は定期的にしている。
私の場合、主な取材の相手は有名人やスポーツ選手などではなく、クライアント企業の開発担当者とか、現場で働いている人たち、もしくは関係分野の専門家だ。
話し慣れていない人たちに、普段の仕事について聞く。
なので日常では意識していないようなこと、本人の中で言語化されていないようなことも聞きださなくてはならない。
彼らからしてみれば、ある日いきなり上司や広報担当者から「〇〇について話して」と声をかけられ、見ず知らずの会社の人間が話を聞きにやってくるので、業務があるのにわざわざ時間を割いて応対することになる。
だから当然、乗り気じゃない場合もある。
そんな相手に、企画の趣旨を理解してもらって、自身の仕事についてあれこれ思い出してもらって話してもらう。
普段は意識しないようなことも聞くので、その場で考え込んでしまう人も少なくない。
私は私にできる最低限のこととして、事前の下調べをしっかりして、話の流れを整理して、相手には敬意を払うしかない。
もう十数年この仕事をしており、相手に舐められがちな若い娘だった私も、年齢を重ねてある意味ずうずうしい社交力を手に入れつつある。
だいぶ楽になったけど、それでもいまだに難しいなあと思う。
それなりに楽しいし、嫌いじゃないんだけどねー。
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