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ブリューゲル展@東京都美術館

都美でブリューゲル展 画家一族150年の系譜を観てきました。北方ルネサンスを代表する画家、ピーテル・ブリューゲル一世からはじまるブリューゲル一族(息子、孫、そしてひ孫まで!)の絵画の集まった美術展です。

ピーテル・ブリューゲル1世の息子がピーテル・ブリューゲル2世とヤン・ブリューゲル1世。そしてヤン・ブリューゲル1世の息子がヤン・ブリューゲル2世とアンブロシウス・ブリューゲル。ヤン・ブリューゲル2世の息子がアブラハム・ブリューゲルとヤン・ピーテル・ブリューゲル…え?また名前にヤンとピーテルがつくの!?もうブリューゲルという言葉がゲシュタルト崩壊起こしそうになるよね、うん。こう書くととってもややこしいようだけれど、展示の仕方はわかりやすく、入り口導入部分ではこのブリューゲルはこう言った絵を書くよ!っていうことを教えてくれていたし、それぞれの作品にこれは孫!これは息子!とこんな感じで(左下)分かりやすいキャプションをつけてくれている。

作品リストにも丁寧に一族の系譜(家系図)を載せてくれているので、それと照らし合わせながら作品を見ていくと、展示を見終わった頃には頭の中でブリューゲル一族のことが結構しっかり整理されるようになっていた。親切!

ブリューゲル家で一番有名なのは、やはり祖であるピーテル・ブリューゲル1世。農民の絵を多く書いたことから「農民ブリューゲル」とも。ヒエロニムスボス風の絵や、冬の風景の絵でも知られています。

その息子のピーテル・ブリューゲル2世は父の絵の模倣をして、それこそ農民風俗画や冬の風景画など、何枚も何枚も同じモチーフの絵を描いてブリューゲルブランドの名前を高めるのに重要な役割を担ったそう。ちなみに薄利多売のスタンスだったため貧乏だったらしい。諸説あるけど、後期には火やグロテスクな絵も描いたことから「地獄のブリューゲル」とも呼ばれているらしい。(この通り名、中二病っぽくてかっこいいね…!)

ピーテル・ブリューゲル2世の農民風俗画はこんなかんじ!のどかだよ〜お家も子供も可愛いよ〜。

こちら、今回の展覧会のメインビジュアルにもなっている絵。右上に髪を下ろして座っているのが花嫁で、皆で結婚を祝うために踊りをしている絵だそう。躍動感あるよねやっぱり。赤の服装小物が絵にメリハリを出して、引き締めている。人気がある絵なのも納得かも。

(花嫁が浮かない顔をしているのはマリッジブルーなんだろうか…?)

同じく息子のヤン・ブリューゲル1世は通称「花のブリューゲル」と呼ばれ、その名の通り、花が得意。静物画エリアに花の絵が沢山展示されているけど、やっぱり私が一番美しいなと思った花の絵はヤン・ブリューゲル1世の作品でした。今回の展覧会のもうひとつのメインビジュアルにもなっているこの絵。

肉眼で見たら、花と背景の黒との境目が少しぼかしが入っているようにも見えるくらい透明感があって、非常に麗しいのです。よく見ると蜂やトンボが花に止まっていたりして、そんな遊び心も素敵。ちなみに、ヤン・ブリューゲル1世は兄であるピーテル・ブリューゲル2世とは反対に、貴族相手に商売をしていたのでめちゃくちゃお金持ちだったらしいです。やはり弟はいつの時代でも抜け目ないというか、お兄ちゃんを見て賢くなるものなのでしょうか…?

そんなヤン・ブリューゲル1世の息子、アブラハム・ブリューゲルの作品も良かった!

これは1670年の作品なのだけれど、この時代、こんな風に静物画の背景を雄大に描くのがちょっとしたブームだったらしい。南国っぽい鳥もいるし、たわわな果物たちはツヤツヤで美味しそうだし、空は綺麗だしで、心を遠くに飛ばせる魅力的な絵!

全体的に、童話に出てきそうな家や街並み、風景を描いた作品も多く展示されていて、プチ旅行気分になれました。自分はどのブリューゲルが一番好きだろうか?なんてことを考えながら見てみると、楽しいと思います。

同じベルギー生まれということでコラボグッズを出していたスマーフも可愛かった!

#美術館 #アート #美術 #ブリューゲル #ピーテルブリューゲル #東京都美術館 #北方ルネサンス

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