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THEドザえもん展TOKYO2017@eitoeiko

会期終了日、滑り込みで攻めてきました、ドザえもん展。ドラえもん展に行った先週から、こちらにも絶対に行かなければならないと思っていました...!
会場はeitoeiko。神楽坂から8分ほどの小さな素敵なギャラリーです。

土左衛門(どざえもん)というのは昔からあることばで、「水死体」を意味することば。なかなか今の時代使わないことばになっているけれど、そんなこんなでこのドザえもん展は、“ドザえもん”=ドラえもんの「水死体」を展示しています。六本木のTHEドラえもん展にぶつけてきたのブラックジョークききすぎで最高でしょう...!

でも、THEドラえもん展にあわせて今回ただ悪ふざけで作られたのではなく、作家の岡本光博さんはかなり前からこのドザえもんの表現活動を行っているんだって。大学の卒業制作で1992年(って言ってたかな確か)から作り始めたとギャラリーの方も教えてくれました。

ドザえもんの下にはドザえもんが入るサイズの棺桶もセットされていたよ。途中でお母さんときた子供がドザえもんを見てキャッキャしていて、とてもシュールでした。

水死体であっても、あのぷっくりと丸みを帯びた胴体はやっぱり可愛くて、とっても魅力的なフォルム...!ドラえもん大好きマンの私としても、とても楽しめる刺激的な展示でした。国民的キャラを水死体にするだなんて不謹慎だ!という声がもっとあがっても良さそうなものだけれどSNSの反応も概ね好意的だし、そしてぜんぜんわたしも怒る気になんてさらさらなれないのは、作家のドザえもん(そしてドラえもん)への愛だとか、アートへの真摯な姿勢が展示から伝わってくるからかな。ドザえもん見るところまで含めてがドラえもん展だよ!って言いたいくらい。(今日最終日だったけれど)

アートの持つ批評性と、キャラクターライセンスビジネス、ブランディングについて、うーむと考えさせられた。もちろん権利者がキャラクターのイメージを守っていくことは大事だししっかり商売しないといけないし、でも、アートにあんまり制限かけていたら面白いものは生まれてこないだろうし。色々厳しくなってきているような気がする昨今だけれど、心をクスッとさせるユーモアまで失いたくはないよね。かといってそれを全く放っておいたらアートということばを隠れ蓑に使う、アートではない輩たちもたくさん出てくるに間違いないし。何を許して許さざるべきか、ここらへんの線引きは難しく、答えが出ない問題なのだけれど。

岡本光博さんは初めて知った作家さんでしたが、今回の展示で売られていた本「69」を読んだら他にもすごく面白いことを沢山されていて、めちゃくちゃ興味が湧きました!ドザえもん以外にも皮肉やパロディが効いている、生で観てみたい作品が沢山載っていました。ルイヴィトンのモノグラム刻んでバッタのかたちに組み立てた「バッタもん」とか、アフリカの飢餓難民をテーブルサイズのカラフルな置物にした「食卓のオブジェ」とか。(こんなのご飯の横に置いたら、食べられなくなるよ...!いかに自分がこういった問題に普段無関心かということにハッと気付かされるね)。

こういうワクワクする出会いが次々あるのでアート好きはやめられないなと改めて思ったクリスマスイブイブでした!

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